関西学院大(全学部・理系)|2012年大学入試数学
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^
いよいよやってきました。2次試験の大学入試シーズンです。
2012年 大学入試数学の評価を書いていきます。
2012大学入試シリーズ第1弾。
私立シリーズ、第1弾。
関西学院大学(理系)です。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、
典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また、☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの
標準的な時間です。
したがって、
目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越える
ことも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、
ヒントや答えをみるといい という目安にしてください。
※2012年の数学の記事から、「Principle Piece」という言葉が登場します。
>> 意味分かってから見たほうが、ぜったい数学の実力上がります^^
関西学院大学(理系)
(試験時間90分)
全体総評・合格ライン
昨年よりちょこぉっとだけやさしくなったかな、という印象です。3番の空間ベクトルが難易度下げてますね。4番はだいたい数Ⅲの微積か極限ですが、こちらはまあまあ骨あり、といったところ。2番は良問です。
試験時間90分に対し、
目標解答時間合計は86分。
ゆっくり確実にやっても、時間に余裕はあったと思います。4番の積分の計算は訓練で差が出ます。。。
■合格ラインですが、
第1問はおさえたい。
第2問は良問ですが、親切な誘導なので、こちらも出来ればいきたい。最低でも(2)まで。
第3問は基本の空間ベクトルですから、これは完答したい。
第4問は微妙。他が全部出来たなら、(1)だけでも取れればOKかと思います。他が出来なかったなら、がんばって(3)までいきたいところ。
時間のゆとりも考えて、合格ラインは65~70%ぐらいだと思います。
第1問(1)・・・不等式(A、5分、Lv.1)
基本的な対数不等式の問題。logx=t とでもおきましょう。
特にコメントもありません。
第1問(2)・・・階差数列(A、6分、Lv.1)
こちらも基本的な階差数列の問題。階差数列では、以下の2つのことに気を付けてください。
n なのか n-1 なのか
n=1 で式は成り立つのか
☆第1問(3)・・・場合の数(AB、10分、Lv.1)
まともに解き方書くなら10分ですが、穴埋めなのでもう少し短くても出来るはずです。
直径になる場合や二等辺三角形など、特殊な場合は、特殊な部分をまず決めて、それが何通りずつ存在するかを出します。
直径になる場合
直径となれる辺はAnAn+4 (n=1,2,3,4) の4通り。
それぞれについて、残りの頂点は6ヶ所どこでも選べるので、6通り
4×6=24
※KATSUYAの解いた感想
基本的。ここはさくっと終了。解答時間4分。
☆第2問-関数(B、20分、Lv.2)
条件式を満たすx、y について、x、yの関数の範囲を求める問題です。
(1)は、k= の式から、文字を1文字消去できます。 xを消すほうが、代入しやすいですね。
Principle Piece
とりうる値の範囲 → 連立して実数解条件
は、原則ですね。
(2)以降ですが、(2)がなくても、k=x/y と置いて求められるようになってほしいです。
ここで、原則です。(究極原則)
ULTIMATE Principle Piece
同次式は比を設定して1文字減らせる
同次式とは、すべての項の次数が同じ場合です。 例えば、z は分子、分母のどの項も、x、yについて2次式です。
(「x、yについて2次式」の意味がわからない人は、数Ⅰの教科書のしょっぱなを熟読すること!!)
このような場合は、k=x/y とおくと、 kだけの式に出来ます。2文字が1文字になりましたね^^
これで、今回のように「親切な誘導」がなくても解けるようになりました。
(3)ですが、相加・相乗に気づけばそれで、気づかなければがんばって微分する。どちらでもOK。
ただし、こちらも究極原則に従って、z の分数式を変形すれば、相加・相乗は見えます。
ULTIMATE Principle Piece
分数式は、(分子の次数)≦(分母の次数)に変形
こちらも、高校数学の原則中の原則です。
(4)は、まともにα、βを求めるバカを見ます。こちらも原則があります。
Principle Piece Ⅰ-17
2次方程式の解の対称式は、解と係数の関係を活用
※KATUSYAの解いた感想
お、親切な誘導があるけど、良問^^ と思いながら、相加相乗も使ってさくっと終了。解答時間7分。
第3問-空間ベクトル(AB、20分、Lv.1)
空間ベクトルの典型的な基本問題。傍用問題集Bレベルな感じです。
流れがあるのかと思いきや、全部独立しています。
(2)は平面上にある点を出し、(3)は平面に引いた垂線の長さを出す。
この問題に対して原則を出すまでもないですが、まだ他大学を受験予定の人のほうが多いと思うので、ここらでまとめましょう。
(2)
Principle Piece
Pが平面ABC上にある
→ (AP→)=s(AB→)+t(AC→)
→ (OP→)=s(OA→)+t(OB→)+(1-s-t)(OC→)
みにくくなってすみません^^; →は、ベクトルをさします。
どちらかの式をすぐに立てられるようになりましょう。
本問では、すでに上の式が書いてあります(汗) 親切すぎますね。
(3)
Principle Piece
平面ABCに下した垂線Hは、次の3条件を連立
1.係数和が1 (s、tで表す)
2.(OH→)⊥(AB→)
3.(OH→)⊥(AC→)
空間は座標が3成分あります。ですから、3つ式を立てれば求められます。
※KATUSYAの解いた感想
基本的なことを脈絡なく続けるだけか、とちょっと不満。係数に分数が出てこなかったので計算はラク。解答時間7分
第4問-極限、積分(B、25分、Lv.2)
(2)がちょっと難しいですが、(2)ができないと(3)が出来ないので、ここでこちらは差がついた問題だったでしょう。本セット最難問です。
(1)は楽勝ですね。 cosx-1 など、cosと引き算が出たら、分子分母に cosと足し算 をかけます。
これも原則です。
(2)はちょっとうっとおしいですが、(1)をどう使うか考えると、分子をcosの2次式になおして因数分解でしたね。
Principle Piece
三角関数は角度・種類・次数(数Ⅲ)のどれかを統一する
今回は角度を統一で、すべてcosx に出来ました。 次数の統一は、積分するときに役に立ちます。
(3)はぎょっとしそうですが、 F(cosx)sinx の形をしているので、
置換積分 → 分母の2次式を部分分数分解 → log積分
でOKでした。
※KATUSYAの解いた感想
(2)で一瞬つまづく。「分子0が必要条件」でやろうとしたが、x=0で常に0に気づき、「ちゃうわ」とやり方変更。上の原則に従って一安心。(3)はただの計算なのでとっとと終了。解答時間10分
対策
2010年度に書いたものを参考にしてください。傾向は変わりません。
参考 >> 2010年の関西学院大学・数学
以上です^^
関連記事
>> 他の大学も見てみる
(※2011年度分です)