マセマ:初めから始める数学のレベルは?

      2016/07/12

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マセマシリーズの「初めから始める数学」について、難易度(掲載問題のレベル)や勉強法などについて紹介します。

「東大生が一番読んでいる参考書」という謳い文句の帯が印象的なマセマシリーズの数学は数多くありますが、「初めから始める数学」は、その中で最も簡単な参考書です。

今回は、この「初めから始める数学」について見ていきます。

 

1.初めから始める数学はどんな参考書?

マセマシリーズの「初めから始める数学」は、以下のような問題集です。数学1・数学A、数学2・数学Bが全て分冊で、数学3も2冊に分かれています。

 

 

 

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※ランキングは2016年6月15日時点です。

 

数学3は数列の極限と関数の極限が分かれているのが意外ですが、Part1を手に入れたらPart2も手に入れるように、といった狙いですかね。

 

2.問題数、レベル、解説の詳しさなど

マセマの「初めから始める数学」がどのような参考書であるのかを知るために、基本的なデータを見てみましょう。本書タイプは、予習・先取り(苦手な人のフォロー)タイプです。

→ 参考書のタイプを知らないと、納得のいく参考書選びが出来ません。

→ 予習・先取り(苦手な人のフォロー)タイプの参考書はこちらから

 

2.(1) 初めから始める数学の問題数

「初めから始める数学」の問題数はご覧のように、非常に少ないです。苦手な人への負担を少なくするために、最低限のことだけを問題にした結果と言えます。

  • 数学1の問題数・・・38題
  • 数学Aの問題数・・・52題
  • 数学2の問題数・・・71題
  • 数学Bの問題数・・・54題
  • 数学3(Part1)の問題数・・・56題
  • 数学3(Part2)の問題数・・・60題

「基本事項の確認→練習問題→解説」のサイクルですので、教科書型の構造です。基本事項の確認は教科書のように無機的な表現ではなく、フレンドリーに語りかける感じです。

語り口調については好みが分かれるところですが、教科書が合わない人は検討する価値があります。

全体的な構成は拙著シリーズと類似しています。(拙著のほうが難しい問題を収録しています)

 

2.(2) 初めから始める数学のレベル

本書のレベルは、プレ学習レベルです。「最低限これだけは抑えておく」というレベルで、教科書の例題の中でも難し目のものはここには収録されていないものも多いです。

 

2.(3) 初めから始める数学の解説

「初めから始める数学」の解説ですが、基本事項の説明含め、非常にわかりやすく書かれています。「詳しい」わけではありませんが、「分かりやすい」です。

苦手な人が練習問題の答案を見ても、戻ることなく最後まで一通り読めるように、途中の式変形では、ほぼ全て注釈がすぐそばについています。

詳しいか(別解や解説等があるか)という観点からは普通です。あくまで「分かりやすく」を追求していますので、それ以外の情報は極力割愛されている印象です。

 

3.初めから始める数学の使い方(勉強法)など

初めから始める数学の使い方の前に、どのような人が使うと効果が上がるのか、オススメ対象を見ていきましょう。

3.(1) オススメ対象

初めから始める数学のオススメ対象については、下記にあてはまる方です。

  1. 数学が非常に苦手であるが、受験(センター試験を含む)に必要なのでもう一度復習したい。
  2. 現在習っている単元について、教科書の説明が分からない、授業についていけない。
  3. これから習う単元を先に予習しておきたいが、教科書を独学してもよくわからない。
  4. 高校2年生で、数学IAの内がほぼ完全に抜けてしまっており、数学II・Bの問題に手がつかない。
  5. 高校3年生で、過去の数学の模試の偏差値が45以下である。

数学が非常に苦手で授業もさっぱり分からないという人にとっての、駆け込み寺のような参考書と言えます。もちろん、まだ全く習っていない人が一から学習する際にも使えます。

また、受験生になって数学を本格的に勉強し直さなければならない+高1・2のときの問題集をみてもさっぱりという人も、こちらの参考書から初めてみるといいと思います。

 

3.(2) 使い方(勉強法)、購入時期

本書は、目次の項目が「1st Day」などといった表現になっており、日割りが非常に行いやすい参考書です。

また、教科書型の構造で問題数も非常に絞られていますので、初めから進めて一気に制覇するのが効率的でしょう。ただし、(特に苦手な人は)必ず練習問題は手を動かして自分でも解いてください。読むスピードよりも手を動かす方が優先です。

数学1の場合の計画を見てみましょう。数学1は、17日で終わる構造になっています。

高1・高2生の場合は日割りに従えばOKで、17日あれば完成できます(1日60分~120分とします)。土日は2日~3日分行うなどすれば、2週間足らずで終了できます。2週しても1ヶ月で終了できます。

受験生が本書の数学1から取り掛かる場合は、少し急がなければいけません。休暇中のときは、1日で1章(3日分~4日分)を終えるぐらいを目指し、1週間で終えたいです。

 

数学Aは19日分、数学IIは21日分、数学Bは11日分(確率分布を入れると15日)、数学III(Part1)は12日分、数学III(Part2)は15日分です。同じような計画を立ててみましょう。

理系受験生がこのレベルから始めるのであれば、春休みから数学Iに取り掛かっておかないと、結構苦しいです。全部合わせると95日分ありますが、さすがに夏前には終わらせたいので、2ヶ月で終了するような計画を立てる必要があります。

例:土曜2日分、日曜3日分、平日1日分だと42~45/月 となり、2ヶ月強で終了。春休みに2日分×10日=20日分消化しておくと、そこから2ヶ月かかりません。

 

4.東大生が一番読んでいる参考書?

マセマの参考書シリーズの多くの帯には、「東大生が一番読んでいる参考書」という文言がありますが、これに惹かれて購入を考えている人には、「待った」をかけたいと思います。

あくまでKATSUYA個人の見解ですが、「東大生」は既に大学生ですから、高校数学の参考書を読むとは考えにくいです。また、「東大生が高校生の頃に読んでいた」と解釈するにも、少し無理があります。そもそも、購入した人が最終的にどの大学へ進学したかというデータを収集できる可能性は極めて低いです。

おそらく、「東大生が一番読んでいる参考書」というのは、同じマセマシリーズの、大学生用の参考書(キャンパス・ゼミシリーズ)のことを指していると考えられます。大学内の生協や書店であれば、ほぼ必ず置いてある本です。

数学Aと同じくらいのランキングですが、大学数学は理系の人しか必要としませんから、数学Aよりもはるかに購入者層は狭いです。そう考えれば、確かに人気ですし、分かりやすさも抜群です。

ただ、「高校数学のマセマシリーズが東大生に一番人気である」という意味ではないよな、というのが私の見解です。

 

5.まとめ~苦手な人でも読み進められるが、手は動かして~

マセマシリーズの高校数学のもっとも優しい参考書「初めから始める数学」について、これまでの情報をまとめてみます。

  • 問題数も非常に絞られており、基本事項をできる限り詳しく説明、予習・先取りタイプの参考書である。
  • 答案に途中式にほとんど注釈がついており、あちこち目で追わずとも読み進められる。
  • 読みやすさが故に、手を動かすことが忘れがちに。練習問題は手を動かす。
  • 目次が日割りなので計画を立てやすいが、高3は夏前に終わるように、少し多めに進めていく。

 

 

 

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