センター試験 数学I・A【2012年】の難易度、傾向は?
2016/07/05
2012年に実施されたセンター試験の数学IAに関する情報についてまとめます。
評価については、以下の3点から問題ごとに書きます。
1.難易度(易A←→E難しい)
2.典型パターンレベル(Lv.1~Lv.3)
3.目標回答時間・・・解き方を書いたとして、きちんと解答するまでの標準的な時間
2012年度センター試験数学Ⅰ・A(60分)
1.全体評価~昨年より難化、図形は平面幾何寄り~
全体的には昨年よりも難化しました。
第1問の必要条件・十分条件はひっかかるポイントもかなり多いです。
第3問は三角比よりも平面幾何の知識を多く使うので、なかなか苦手な人が多かったものと思われます。
第4問の確率は場合わけもなく、昨年よりラクだったと思います。
目標回答時間・・・57分
ほぼ制限時間ぐらいです。見直しの時間も考えると、少し急ぎたいところですね。センター試験は計算の速さがポイントになります。
KATSUYAは35分で終了しました。
2.各大問の難易度
第1問(不等式、必要条件・十分条件 AB、計12分)
最初の不等式はまあ問題ないでしょう。絶対値付きですが、すぐ外せます。すぐ外せなかった人はこちらを見ましょう^^
それよりも必要条件・十分条件はなにげにめんどくさい。等号がついていないことや、m、nが自然数であることを見落とすと、完全にアウトです。
最後のk=2のときですが、 m=2、n=2 は p の条件になっていないことがポイント。
KATUSYAの解いた感想
センターの必要・十分は相変わらず嫌い。いつも不安になりながらも、6分で終了。
第2問(2次関数総合、B、15分)
毎年のことですが、頂点やら最大値・最小値やら x軸と交わるやら、平行移動やら、全部聞いてきます。
最小値がー22となるaを求めるところでは、aの値が全部で4つ出ますが、軸の場所によってどちらで最小値をとるかが決まりますので、それで絞ります。定数入りの2次関数の最大、最小は軸の位置で場合分けが原則です。
KATSUYAの解いた感想
ここは普段通り。だいたいいつも2文字で、最初に1文字消去させるのもお決まり。やっぱり全部聞いてくるんやなぁと思いつつ、軸で場合分けしつつ終了。解答時間10分。
第3問(三角比、平面幾何、B、18分)
ちょいちょいやらしい問題入ってて、ペース崩されたかもしれませんね。内接円の接点と各頂点までの距離は、円外から円に引いた2接線は長さが等しいことを利用し、x+y=2、y+z=3およびz+x=3で求めます。これが原則です。
また、2円の交わり方を選ぶ問題がありました。この手の問題は、「中心間の距離」 と 「2円の半径の和」 を比べるのが原則です。ただ、2円の中心とBが一直線上にあることが(直感的にでもいいので)わからないと、ここはお手上げに近い。
他にも方べきの定理(接点バージョン)で長さを求めさせたりするものもありました。平面幾何よりの問題です。最後のCGとGMの比は、Gが三角形BFCの重心であることに気づかないとかなり厳しいです。
KATSUYAの解いた感想
2円の交わりは一旦飛ばした。後で戻ってきて、一直線上にあることをきちんと理解してから長さを出し、終了。最後は、重心に気付かなかったが、チェバとメネラウスで強引に解決。答え出してから「重心かよ!!」と気づく(笑)解答時間14分。
第4問(確率、期待値、AB、12分)
今年の確率はラクでしたね。最初に、「5が入っているかいないか」を別別に求めさせていますが、実は組み合わせの性質の証明に使いますね。今回の場合は、9C5=8C4+8C5 を証明したことになります。
一般に、nCr=n-1Cr-1+n-1Cr です。証明は、今回のセンターのように、特定のカードを引くかひかないかで考えます。ぜひ覚えておきましょう。
あとの確率は簡単でしたね。別段場合分けもありませんし、対称性に気づけば計算は実質穴埋めの部分だけで済みます。
KAYSUYAの解いた感想
今年の確率は簡単^^ と思いながら、サクサク計算だけして終了。期待値はいつも計算が不安だが、解答の形に合っていたので安心(笑) 解答時間5分。
3.対策~ミスでの減点を防ぐ~
レベル的には、教科書の章末問題レベルです。そのレベルの問題を、いかに素早く解くかがカギになってきます。従って、計算力がものを言います。素早く計算する習慣を普段から身に付けておいてください。
2次で数学がいる人は、特に意識する必要はありません。2次の対策がそのままセンターの勉強になってます。過去問で形式になれることだけしておくといいでしょう。
■関連するPrinciple Piece■
Principle Piece 数学Ⅰ 方程式と不等式
(第1問[1]対応)
Principle Piece 数学A 論理と集合
(第1問[2]対応)
Principle Piece 数学Ⅰ 2次関数
(第2問対応)
Principle Piece 数学Ⅰ 三角比
(第3問対応)
Principle Piece 数学A 平面幾何
(第3問対応)
Principle Piece 数学A 集合と場合の数
(第4問対応)
Principle Piece 数学A 確率
(第4問対応)