センター試験 数学II・B【2020年】の難易度、傾向は?
2020/01/21
このエントリーでは、2020年に行われたセンター試験の数学II・BをKATSUYAが解き、その感想や各問題の難易度などをアップしていきます。
【評価指標】
1.難易度 A(易)~E(難)
2.パターンレベル
Lv.1(習得していて当たり前)
Lv.2(習得していないと、差をつけられる可能性がある)
Lv.3(習得していなくてもしょうがない)
3.解答するまでの標準的な時間
です。これら3点から、各問題ごとにコメントしていきたいと思います。
センター試験数学Ⅱ・B(60分)
実際の答案はのちほどUPする予定です^^
1.全体評価(難易度)~数IIは昨年比やや易。数Bは計算量多いまま~
今年は新課程になってから最もラクかな、という印象です。
第1問の三角関数、指数関数はさらに2つに分かれましたので、実質4題ですが、1つ1つは軽くなりました。
第2問の微積も例年並み。3次関数のグラフが絡まず。2放物線の共通接線の問題。後半の面積の場合分けは差がつきそうですが、昨年に比べれば設定はやさしめかと。
第3問の数列は昨年同様に複雑な漸化式で、置き換えに従って慎重に計算を進めていく必要があります。比較的計算は多めですが、昨年よりはましかもです。
第4問の空間ベクトルは、問題文のまま忠実に計算するだけですが、長さや内積の計算が繰り返し出ますし、空間ベクトルということもあり、計算量は多めです。
※KATSUYA個人の見解に基づくものです。予備校の見解にひっぱられないように、ブログ掲載時点では予備校の見解を見ておりません。
■目標解答時間・・・72分 【51分】←穴埋め形式なら
(昨年解答時間・・・77分 【52分】←穴埋め形式なら)
全体的にほぼ昨年と同じぐらいかと思われます。題材的には今年の方が少しラク。計算が無駄に多いところがちょこちょこあります^^;
KATSUYAは昨年同様、35分で終了しています(第4問まで)。今年の方がラクやとおもったけど、微積の後半と数列でちょっとロスしたかな^^;
2.各大問の難易度
※緑色の表記は、数学を解く上で必要な原則を表しています。
※青色の表記は、数学を解く上で必要な、超基本の心構えを表しています。(どうしようもなくなったら、ここまで戻ってください、ってことです)
第1問[1] (三角関数:加法定理、合成、不等式、解と係数の関係、対称式、例年比やや易、AB、7分【5分】)
今年の三角は2題に分かれましたが、1つ1つは軽めです。
前半はワークのB問題にもありあそうな不等式。右辺を加法定理で展開し、整理するとsin、cosの1次式になりますので、合成です。(合成も誘導に書いてあります)
後半はワークにはなさそうなタイプですが、解と係数の関係の利用も明記されており、やることはパターンです。
解と係数の関係→和と積→対称式利用と結びつくようにしましょう。また、sin+cosの式は2乗しましょう。相互関係から、積が現われます。
方程式をとけば、sinは出ます。0.8ですので、√2/2と√3/2の間にあることを利用して角度も出ます。
KATSUYAの感想
前半簡単やな。これどうやってつなげる?後半は独立してんのか。2つに分かれたのね。後半は25と35を見て、ありがちな3/5、4/5のパターンと判断。何も計算せず暗算で終了。解答時間2分。
第1問[2] (指数・対数関数:指数式の値、連立対数方程式、例年比並、AB、7分【5分】)
指数・対数も三角同様に、2つに分かれました。前半が指数、後半が対数で、領域の考え方が一応必要です。(領域だと気づかなくても答えはでる)
前半はおきまりの形の式です。X、1/Xの形の対称式の利用です。
後半は対数に関する不等式が2つ並んでいますが、誘導に従って置き換えましょう。Yの係数が合うように両辺の分母を払います。いきなりこの形になると思ってやると、あわてます。
不等式条件なので基本的には領域で考えますが、今回は②直線の交点でYは最大(7.6)となりますので、気づかなくてもいけちゃいます。後半も、Y=7と出れば、代入するだけで1≦X≧1.5も出ますので、x=3√3を超えない整数です。
KATSUYAの感想
こちらも2つにわかれたのね。指数の方はワークレベルでかなりラク。対数も比較的簡単め。平均低下防止のため?解答時間4分。
第2問(微積分:2つの放物線の共通接線、面積、3次関数の最大値、例年比並、B、20分【14分】)
今年の微積は2放物線の共通接線で、題材的にはよく見かけます。センターでは初かな?だとすると、センターだけで対策を取ってきた人はとまどうか。後半は面積中心ですが、場合分けあり。Dとの接点が2a(≧1)であることなど、聞かれている以外のものも必要となります。最後の3次関数はただの計算。
①と②は接線の公式にあてはめてカリカリ計算するだけです。1次の係数、定数項を比較して連立しましょう。
後半は面積。ほとんどが、接線と放物線の間の積分なので、被積分関数が( )^2の形になることを利用すると、計算はサボれます。
とくに、Tの面積を出す時の後半は、0~aまでの積分も、a~1までの積分もそれに当てはまります。そのまま( )^3/3として原始関数にすれば計算はラク。
(3)が合えば、最後はただの3次関数の最大値なので、微分して増減です。極大値が最大値となります。
KATSUYAの感想
放物線の共通接線か。題材は普通。最初のs、tでs-t=4aとかやってしまい、(右辺2でわるの忘れた)形に合わずロス。後半は接線型の積分なので原則通り計算。極値をとるaが形に合うので、Tの式もあってるやろ。なのに最大値の計算をミスり、ケタが合わず。a^3の係数ー4でやってた。ここでもロスし、結局標準の14分かかる。
第3問 (数列:等比数列の和、部分分数分解型、複雑な漸化式、階差型漸化式、例年比やや難、B、18分【13分】)
昨年も漸化式は複雑でしたが、今年はのっけから複雑そうな漸化式です。ただし誘導が昨年よりは分かりやすい。
(2)から。漸化式の両辺を何で割るかが書かれているので、落ち着いて形に合うように式変形しましょう。丁寧にやれば形通りになるはずなので、分からなくなったら、①の右辺をまず1つ1つ展開してから、1つ1つ割っていきましょう。
出来た漸化式は、階差型なので、シグマをとります。部分分数分解と等比の和です。等比の和は、教科書に載っているシグマの公式覚えている人には非常に間違えやすい形をしています。等比の和はかならず言葉で覚えましょう。和の計算も別別に聞かれていますし、誘導はかなり丁寧ですね。これでbn、そのままanもでます。
(4)は余りです。聞き方からしても、周期は3です。a1,a2,a3について調べればOK。順番はa3,a1,a2の順です。(順番的にも、{0,0,1}で並びますので、これは悪意を感じます)
周期性が出ればあとは大丈夫ですね。合同式的に考えれば、1が673個ありますので、その余りです。
KATSUYAの感想
今年も複雑そうな漸化式。でも最初から何で割るかも書いてある分、昨年よりはラク(昨年きつかったしなぁ^^;)。和の計算も別々かい。この親切な感じを見るに、昨年正答率悪かったとみた。最後は、なんでその順番なん?それは意地悪すぎんか?(ひっかからんけどな^~^) 解答時間10分。bnを出すときに2つの和を引くべきところを足してしまってケタ合わずでロスしてます。
(なんか今年、途中でミスしてロスするの多いな。。。疲れてるんかな^^;)
第4問(空間ベクトル:台形、内積、長さ、角度、面積、高さ、体積、B、例年比並、20分【14分】)
Oを含めて5点が登場する空間ベクトル。前半は同一平面上のOABCで昨年同様に台形が姿を表しました。後半はD-ABCの体積。最後は図形の把握に戸惑う可能性がありそうですが、誘導に従って(信じて)いけば出来ます。内積や長さの計算が多く、やる内容がかなり偏っていて計算が多めです。
(1)はいいでしょう。カリカリ計算してください。
(2)もカリカリ計算するだけです。成分でやってもよし、(1)が出てるんで利用してもよしです。私は成分入れましたが、ルート計算を避けたければ(1)を利用してベクトル表記のまま展開がいいでしょう。
(3)からCBとOAは実数倍の違いなので、台形になります。台形とわかれば、図形的にABCの5/3倍になることも分かるでしょう。ベクトルにしても三角比にしても、知っている面積公式は三角形です。四角形の面積を聞かれたら、基本的には三角形に分割しましょう。
(4)は成分(u,v,1)とでも設定して連立することになるでしょう。ベクトルでなす角聞かれたら、cosθ=・・・の内積公式にあてはめます。長さと内積の計算ばっかりですね。
αとβは垂直(だそうです)ので、これに従えば高さがODsin60°=√3とでて、最後までいけます。ABC=12ですので注意。
KATSUYAの感想
今年も空間か。2年連続空間てめずらしいかな。最初の内積はカリカリ計算。次は、、、ただ条件入れて連立だけね。長さもまた計算。(3)は、、、今年も台形登場か。これで面積も比較的ラクに。(4)は、、、また連立かい。交点とか垂線とかまったくなしで、ただの計算問題やんけ。おまけにcosの値のときにODの長さ間違えて、「角度でないんですけど・・・」で大幅ロス。ようやく気付いて最後まで 解答時間13分。12分以上かかってしまった・・・
関連リンク
> センター試験2020年 本試IA 解き方
> センター試験2020年 本試IIB 解き方
3.対策~教科書の基礎事項にも目を配る~
※新テストになるため、記述式の有無や傾向、試験時間等の最新の動向は常に各自でチェックしてください。(文科省、予備校のHPなど)
レベル的には、教科書の章末問題レベルです。そのレベルの問題を、いかに素早く解くかがカギになってきます。
2次で数学がいる人は、特に意識する必要はありません。2次の対策がそのままセンターの勉強になってます。過去問や模試などで、形式になれることだけしておくといいでしょう。