関西大学 文系(2月2日) 数学 講評| 2023年大学入試数学

      2024/01/05

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●2023年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は関西大学(文系、2月2日実施)です。


2023年大学入試(私大)シリーズ。

関西大学(文系、2月2日実施)です。


問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。

また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。



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関西大学(文系、2月2日実施)
(試験時間60分、3問、ハイブリッド型)

※ハイブリッド型とは、穴埋め型と記述式の混合型のことです。

1.全体総評~勉強量で差がつくセット~

難易度は例年並みです。出題分野もⅡB中心の傾向のままです。経験がないと手が止まってしまう箇所もありますが、基本的には誘導に素直に従えば典型問題に帰着できます。今年は微積総合問題がなく、面積が申し訳程度に登場しただけでした。


試験時間60分に対し、標準回答時間は48分【38分】(2/2実施)

2020年は51分【39分】(2/2実施)

2020年は51分【40分】(以下、2/7実施)

2019年は50分【37分】

2018年は45分【34分】

2017年は48分【37分】

2016年は46分【36分】

2015年は40分【33分】

2.合格ライン

第1問は適度に係数が埋まっているのでヒントにして因数分解するだけ。これは落とせない。

第2問はキー問題で、④~⑥は経験していないと手がつかない。

第3問は(3)までは楽勝のはず。(4)は証明方法が思いつくかどうかで差が出そう。

第2問の後半、第3問の(4)が領邦できなかった場合は、残りで全問正解したいところ。7割ぐらいでしょうか。

 

3.各問の難易度

第1問・・・【確率+複素数と方程式】確率の4次不等式(AB、12分【8分】、Lv.1)

硬貨の裏表の問題です。です2枚中1枚以上表が出る確率と、4枚中2枚以上表が出る確率を比べる問題です。

硬貨を繰り返し投げる反復試行と同じ。1回当たりの確率(表:p、裏:1-p)を整理して、それぞれ何回ずつかを明記して確実に答えましょう。

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 反復試行→1回あたりの確率と回数を整理する

(詳細は拙著シリーズ 数学A 確率 p.18 参照)

これで④まで答えられますX4≧2になる確率は、2枚、3枚、4枚の場合をコツコツ調べましょう。

最後は4次不等式ですが、まずpでは割れますので、実質3次不等式です。因数定理を用いますが、まず±1を入れましょう。それでだめなら、代入するべき候補を入れます。今回は±1で見つかります。

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 因数定理の代入候補は  ±定数項の約数/最高次係数の約数

(詳細は拙著シリーズ 数学II 複素数と方程式 p.24 参照)

結局p-1では2回割り切れますので、p=1で接して、p=2/3で接するグラフを考えるとp≦2/3と分かります。0<p<1であることも忘れずに。

 

p=1だと成り立つのは、意味を考えても明らかです。X2≧1も、X4≧2も確率1です。このあたりも検算に使いましょう。

※KATSUYAの解答時間は3:50です。

 

☆第2問・・・【積分+三角関数】面積、tanの最大値(B、18分【12分】、Lv.2)

放物線上に点をとり、面積やなす角の最大値を求める問題。なお、3年連続で三角関数が第2問に来ました。

最初は面積ですが、ただの6分の公式(使うまでもないぐらい単純な面積計算)です。次のQの座標も大丈夫でしょう。③のtanですが、∠PQOは鈍角なので符号に注意。

④、⑤は昔京大などで出た問題。今となっては典型問題ですが、入試基礎演習書にギリギリ乗るか乗らないかぐらいのタイプなので、差がつくかもしれません。

なす角の最大値と言われた場合、基本的には次の2つの原則、流れがぱっと思い浮かぶようにしておきたいです。

まず、問題文にもある通り、なす角はtanによる計算がラクです。座標平面なら傾きが出しやすいのでなおさらですね。

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 2直線のなす角はtanの加法定理で

(詳細は拙著シリーズ 数学II 三角関数 p.46 参照)

入試問題のほとんどは、ターゲットになる角は鋭角なので、tanが最大になれば角度も最大です。加法定理によって出した式は、相加相乗の関係が使える形をしていることがほとんどです。(分子が1次式、分母が2次式)

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 なす角の最大値→tanの加法定理+相加・相乗で

(詳細は拙著シリーズ 数学II 三角関数 p.109 参照)

この流れを意識しておきましょう。今回はかなり単純な式で、④の分子分母をaで割れば相加相乗が見えると思います。単純な式でなくても、一般的に(1次)/(2次)であれば使えます。

※なお、2022年も相加相乗の形が使える式の問題が第2問にありました(分子が2次、分母が1次)。相加相乗が使える形は体系的に抑えておきましょう。

 Principle Piece 

 不等式証明4:相加・相乗が使えるパターンの把握を

(詳細は拙著シリーズ 数学II 式と証明 p.44,47,59,61 参照 例題とともに網羅的に紹介しています)

 

 

※KATSUYAの解答時間は6:06です。これでもロスしています。Qがx軸上にあることを読み落としており、放物線上でずっと考えていて、勝手に難易度を上げていました。④⑤あたりまで読んで、「いや、さすがにむずすぎるやろ^^;」となり、気づきました。

 

☆第3問・・・【対数+数列】対数方程式、等比数列の和、証明(B、18分、Lv.2)

最後の記述問題は微積分総合ではなく、IIBの融合問題でした。今年は微積分がほとんど出ませんでしたね。

(1)は瞬殺ですね。底を2に合わせましょう。

(2)は(1)を利用しろということでしょうが、こちらも底を2に合わせるだけでいけます。nが入って難しそうに見えますが、log2xが入っている項と入っていない項に分けるだけです。

(3)は(2)が出来れば出来るでしょう。ただの等比数列の和です。初項8、公比4ですね。公比を2にしたりしないように。

(4)最後は迷うところ。自然数絡みなので帰納法、という発想になった人も多いと思います。全然正しいですし、思いつくべき方法です。ただ、今回の証明は帰納法だと途中で詰まった人多いと思います(もちろん帰納法でも出来ます)ので、差がつくでしょう。

今回は帰納法を使わずに直接示す方が早いです。m=2nとでもおいてSmの式を書きなおすと因数分解出来て、2^m+1が出てきます。あとは残りの部分が整数であることが言えればOK。つまり、4^n-1の部分が3の倍数であることさえ言えればOKですが、合同式からも明らかに近いぐらい明白ですね。

そもそも、2^m+1以外の部分はSnと表せます。Snは等比数列の項が整数なら意味的にも整数ですから、それを言うだけでもOKでしょう。

※KATSUYAの解答時間は5:20です。穴埋めの問題より簡単な気が^^;

4.対策~IIBを中心に典型問題を徹底演習~

難易度的には共通テスト程度です。むしろ設定はシンプルで文章はそんなに長くないので、共通テストより気持ち的にはラクなのではないかと。

段階としては、原則習得として黄色チャート(青チャートであればお釣り来るかと)、その次に入試基礎演習段階まで行いましょう。

これが終わったら、なるべく早めに過去問に触れて実践演習を行いましょう。日程が違うものも形式は似ていますので、数をこなすことができます。

拙著「Principle Pieceシリーズ」であれば「原則習得」「入試基礎演習」の両方の段階を兼ねていますので、そのまま過去問に接続できます^^ (※量をこなしたい場合は、さらに入試基礎演習の問題集は必要です)

 

量をこなす演習:じっくり演習=10:0でOK。

以上です^^

 

■関連する拙著『Principle Pieceシリーズ』(リニューアル版!)

数学A Chapter2~確率~ (第1問)

数学II Chapter1~式と証明~ (第2問)

数学II Chapter2~複素数と方程式~ (第1問)

数学II Chapter4~三角関数~ (第2問)

数学II Chapter5~指数関数・対数関数~ (第3問)

数学B・C Chapter1~数列~ (第3問)

 

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数学I・A ~原則のみ~

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