紫チャートは手軽だから効率的?使い方(勉強法)は?
「チャート式シリーズ:入試必携168(イロハ)」という名前の通称「紫チャート」は、入試頻出テーマを扱った問題集です。他のチャート式に比べると薄いので、効率の良さが印象づけられますが、そういった部分についてきちんと見ていきたいと思います。
1.紫チャートの人気は?
紫チャートは、文系用(1A2B)と理系用(1A2B3)があります。どちらも、名前の通り168題です。
※ランキングは2016年5月28日時点です。
2.紫チャートの問題数、レベル、解説の詳しさは?
紫チャートの基本的なデータについて見ていきます。紫チャートのタイプは、「入試基礎演習」です。
→ 参考書のタイプを知らないと、正しい使い方も出来なくなってしまいます。
2.(1) 紫チャートの問題数
紫チャートの問題数ですが、名前の通り、例題168題、練習168題です。文系用も理系用も変わりません。理系用は「1A2B」の部分が文系に比べてさらに凝縮されていることになります。
1A2Bだけでも、典型題が168題というのはかなり少ない印象です。従って、やはり穴も割と多いというのが私の印象です。
2.(2) 紫チャートのレベルは?
紫チャートのレベルですが、「センター試験レベル」「中堅大レベル」です。青チャートや黄色チャートの中から、「日常学習レベル」と「難関大レベル」をごそっと除いたような感じです。それで薄くなっているということです。
2.(3) 紫チャートの解説は?
紫チャートの解説ですが、チャート式シリーズの中では少し淡白かもしれません。答案としてはもちろん満点をもらえる解説なのですが、細かい式変形は省略されがちなので、答案の行間を読めるだけの学力が必要です。
3.紫チャートの使い方(勉強法)、購入時期など
紫チャートはどのように使うと効率的に勉強できるのでしょうか。その前に、どのような人にオススメなのかを見ていきましょう。
3.(1) 紫チャートのオススメ対象者
ご覧のとおり、個人的にはそこまでオススメしていません。特に「薄くて効率よくできそうだから」という理由で購入するのであれば、それはやめたほうがいいでしょう。
そもそも、紫チャートをやるためには、青チャートや黄色チャートなどの原則習得タイプの参考書をこなし、原則をある程度自分のものにしている必要があります。
要するに、薄い参考書の前に分厚い参考書をやっておかなければならないということです。
3.(2) 紫チャートの使い方、購入時期
紫チャートの使い方ですが、自分が習得した原則が基本的な入試問題で適用できるかを試すための問題集としての位置づけが最もいいでしょう。構成は例題と練習というチャート型ですから、例題で1巡、練習で2巡ですね。
中堅大を目指す人は、本書のレベルが最適ですので、「本書⇔原則習得用の参考書」の行き来を繰り返して、過去問に接続していけばいいでしょう。高3の夏ぐらいから始めても大丈夫だと思います。
難関大以上を目指す人は、さらに一段階上の問題集(入試標準演習タイプ)をこなしていく必要がありますので、高3の夏までには終了させておかないとマズイです。
168×2=336題ですから、1日6題で2ヶ月弱です。高3の5、6月あたりに購入しておけばOKでしょう。
ただし先ほども言ったように、これに取り組む前に原則習得タイプの参考書をこなしておくことが必要です。それなしには、紫チャートの効率も大きく下がります。
4.まとめ~効率が良いわけではない~
紫チャートについて、これまでの内容をまとめておきます。
- 青チャートや黄色チャートの一部を、問題を変えて編集し直した感じの参考書である。
- 自分が習得した原則を適用できるかどうかを試すのに非常に便利。
- 薄いからといって効率的なわけではない。結局は、原則習得が前提である。
- 中堅大レベルならこれで十分だが、それ以上をめざすならさらに演習書が必要。