青チャート~大学入試数学テーマ30~のレベルは?青チャートと何が違う?

      2016/08/25

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2015年に数研出版から発売された「青チャート」の精選バージョン、「青チャートを読んで活用する~読んで理解 解いて爽快~大学入試数学テーマ30」は、青チャートの例題をテーマ別に30に分けて並び替え、厳選したものになっています。非常に長ったらしい名前ですが、「30」という数字のついた青チャートとして、記憶にある人もいるかと思います。

今回は、この本(青チャート30と呼びます)について見ていきます。この本の活用方法についてはいくつかのサイトを見ても、個人的に納得の行かないものが多いので、こちらに書いてみます。

 

 

 

1.問題数、難易度、解説など

まずは、青チャート30の基本的なデータについて見ていきましょう。青チャート30は、すべての問題が青チャートの例題から成っています。しかし、解説の内容や編集の仕方から考えると、入試基礎演習タイプの参考書と位置づけられます。

原則適用タイプと入試基礎演習タイプの参考書の違いは、こちらを参照してください。

 

1.(1) 青チャート30の問題数

青チャート30は、例題が214題、練習が195題です。しかし、これらは全て、元の青チャートの例題から来ていますので、実質的には全て例題だと思ってもらっていいでしょう。

 

各テーマの典型例を選んで再編集したという感じです。題数的には全部で400題なので、できれば全て取り組みたいところです。「例題で1巡→演習で2巡」とかでもいいですね。

 

1.(2) 青チャート30のレベル

青チャート30のレベルは、青チャートの例題と同じ難易度を考えればいいでしょう。日常学習レベルのような非常に簡単な例題は省略されている傾向にありますので、得意な人には効率的かと思われます。

ただし、各テーマに数学I・A・II・Bが混ざっているので、全て学習し終えていないと、どの単元を終了させればどこまで解けるのか、その都度自分で判断する必要がありますので、原則習得という観点からは非常に大きなデメリットであると思います。

 

1.(3) 青チャート30の解説

青チャート30の解説は、青チャート30のメリットの1つです。分野を横断した非常に詳しい解説となっていて、これはオリジナルの青チャートにはない部分です。

例えば、関数の最大値・最小値というテーマを1つとっても、「2次関数に帰着させるのか」、「微分しないと分からないものなのか」、「実数解条件に持ち込むのか」、はたまた「相加・相乗平均を利用するのか」などさまざまです。青チャート30は、これらが同じテーマの中に入っていますので、「最大値・最小値」という単元で、知っている手法を再整理できるということになりますね。

 

2.どんな人にオススメ?

これらの情報を踏まえて、どのような人にオススメなのかを見てみます。

 

2.(1) 高1・高2の場合

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ご覧のとおり、個人的にはあまりオススメできません。解法が再整理されているというメリットはありますが、IAIIB全てを終了した後でないと取り組みづらいというデメリットを補いきれないと考えられます。また、「再整理」が目的であれば、その前に原則習得を全て終えている必要があります。その際にオリジナルの青チャートも購入するでしょう。

数学がかなり得意な人はおそらく、「再整理」は自然と出来ています。従って、全く同じ問題を題材にして再整理するのは、非効率です。一方で苦手な人は、いろいろ混ざると余計混乱する可能性もあります。従って、どちらにしても使い方が非常にシビアな参考書です。

逆に、青チャート以外で原則習得を終えている学生さんには、入試基礎演習タイプの参考書として最適でしょう。

なお、文系の人は、数学IIIがある程度収録されていることを前提に検討する必要がありますね。

 

2.(2) 高3・既卒生の場合

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高3・既卒生の段階であれば、ある程度の分野が既習であると思いますので、再整理するのに役に立つと思います。しかし、やはり全く同じ問題ではなく、少し異なった問題を収録することで、入試基礎演習レベルの参考書できたのではないかな、と思います。

こちらも、青チャート以外の参考書で原則習得を行った人(例:学校指定でフォーカスを配布されている)には、青チャートの内容もここで見れますし、オススメできます。

 

3.まとめ~オリジナル青チャートを持っているかいないかがカギ~

青チャート30について見てきましたが、これまでの内容をまとめます。

  1. 青チャート30の内容はすべて青チャートの例題からなので、練習・演習もやるべき。
  2. テーマ別であるメリットはあるが、同時にIAIIBの原則をある程度習得していないと、メリットを感じられない。
  3. 青チャート(黄チャートも)で原則習得をしている人には少し非効率。それ以外で原則習得しているならばオススメできる。

という感じになりますね。

 

なお、最初に「納得のいかない活用法」と言いましたが、それはオリジナルのチャートと同じような流れで「まず例題→出来なかった問題をもう一度→次に練習を・・・」のように書いてあることが多かったからです。

ですが、青チャート30は解説の内容や構成の仕方からしても、オリジナルの青チャートとは位置づけが全く違いますので、その点には十分注意していただきたいと思います。

そもそも、取り組み方として「例題→間違ったところもう一度・・・」なんて、、、、1度聞いてしまえばだいたいの勉強法がこんな感じなので、情報になっている気が全くしないのは、私だけでしょうか・・・^^;

 

 

 

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