黄チャートのレベルや使い方・勉強法 青チャートとの違いも(新課程版)
黄チャートは、チャート式シリーズの中では青チャートに次ぐ人気の参考書です。検索数を調べても、青チャートがダントツではあるのですが、黄チャートが次に出てきます。
黄チャートのレベルが青チャートと比較されたりすることも多くありますが、結局黄色チャートはどんな人にオススメなのかなど、そのあたりををはっきりさせていきたいと思います。
> 青チャートに代表されるような「原則習得」タイプと、その後に演習する1対1対応に代表されるような「入試基礎演習」タイプを合わせたような参考書もあります
1.(1) 問題数
黄色チャートについて、その問題数は以下のようになっています。(2025年度以降の新課程版です)
黄色チャートIA・・・・・例題291題、PRACTICE:291題、EXERCISEなどの章末問題250題
黄色チャートIIB・・・・・例題305題、PRACTICE:305題、EXERCISEなどの章末問題285題
黄色チャートIIIC・・・例題331題、PRACTICE:331題、EXERCISEなどの章末問題305題
青チャートに比べると20%ほど少ないですが、網羅系参考書としては十分な量です。例題とPRACTICEの数がほぼ同じですが、これも青チャートと同じ構造を持っているということです。
新課程版では、例題の解説動画があることが特徴です(購入者は追加料金なしで視聴可能)。この点において、「青チャート」と「黄チャート」は他のチャートよりもアドバンテージがあります。
1.(2) 黄色チャートがカバーしている範囲
黄色チャートの問題がカバーしている範囲ですが、日常学習レベル、センター試験レベル、中堅大レベル、難関大レベルまで対応しており、青チャートと同じぐらいのカバー範囲を持っています。ただし、超難関大に相当するレベルの問題はほぼ皆無です。その分だけ、問題数が減っていると考えればいいと思います。
しかし、超難関大を志望する人でも、この後のSTEPでいくらでも演習する機会がありますので、「原則習得」タイプの参考書としては、黄色チャートでもいいでしょう。
1.(3) 黄チャートの解説は詳しい?
チャート式は書店で1度は見たことあると思いますが、解説が別冊のため、非常に分厚く独学が可能な詳しさです。式変形もあまり省略されませんので、ミスをしたときには1行1行見直すことで、自分がどこでミスをしたのかを発見することも可能です。
ただし、1例題1ページという制約をおそらくチャート式自身が設けているため、おさまりきらない場合には、細かい式変形などが割愛される場合もあります(さっきの例題では図があったのに、この問題のときには図がない、など)。
全問題に対して平等な解説があるとは言い難いですが、そこを割り切ることができれば大した違和感にはならないでしょうし、そもそもこの傾向は、「原則習得」タイプの参考書全般について言えることです。
2.青チャート?黄チャート?どっちがいい?
黄チャートは、実際にどんな人であれば使えるのかについてですが、ほぼ青チャートと同じです。やり始めるべき時期なども同じ。
青チャートがどんな人におすすめかについては、こちらの記事へどうぞ
従って、この黄チャートが学校で配られているなら、黄チャートで勉強すればいいでしょう。どちらも配られていなくて迷っている場合は、青チャートのおススメに該当するならどちらでもOKですが、青チャートの方が個人的にはいいと思います。
少なくとも、「青チャートよりは分厚くないし、軽そう」などという理由だけで黄色チャート選ぶことは絶対にお勧めしません。その理由はすぐ後の3.で述べます。
3.例題だけでいいか
青チャート同様に話題として上がり続ける疑問です。
志望校のレベルにもよりますが、黄色チャートの場合は例題だけでは足りない部分もあるというのが、私が授業で扱ってきた印象です。それは、青チャートの中のいわゆる重要例題レベルの問題が、黄色チャートだとExerciseに入っていることがあるからです。
しかし、Exerciseのすべてがそういう問題なわけでもなく、(指導者はともかく)学習者がExerciseの問題を一目見て、「あ、これはパターンとしておさえなアカンやつ」って分かるとは考えにくいので、選別して取り組むのは難しいです。
そうなると、結局Exerciseにもすべて取り組むことになり、問題数的に青チャートをはるかに超えます。これが、「黄色の方が軽そう」だからって選ばないでと言った理由です。
ただし、個別指導塾等で指導を受けながら取り組む場合は、有能な指導者なら漏れを適切に把握出来るので、「Exerciseのこれだけはやっといてね」と抜粋して効率的に漏れを防いでくれるはずです。(そうでない指導者の場合は、塾の時間とお金のムダです)
まとめ~黄色チャートも使えるが、使い方には注意~
黄色チャートについて解説をしてきましたが、黄色チャートは青チャートと同じぐらいカバー範囲が広いので、十分使える参考書です。青チャートが有名になりすぎて少々影が薄いようですが、掲載されているレベル・網羅性の違いは1~2割程度です。
ただし、とても一気に取り組める分厚さではありません(時間的にも、気分的にも)。取り組む場合は、高3生になってから一気に取り組むのではなく、なるべく早い段階から購入をして、学校で習い終わったら長期休みを利用してその単元を勉強するといった方法で、少しづつやりましょう。
-
原則習得タイプ, 日常学習タイプ オススメ, レベル, 使い方, 原則習得, 参考書, 参考書ルート, 難易度, 高校数学, 黄色チャート