順天堂大学医学部 | 2012年度大学入試数学
2017/01/20
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^
いよいよやってきました。2次試験の大学入試シーズンです。
2012年 大学入試数学の評価を書いていきます。
2012大学入試シリーズ第5弾。
私立シリーズ、第5弾。
順天堂大学(医学部)です。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、
典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また、☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。
したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越える
ことも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい という目安にしてください。
※2012年の数学の記事から、「Principle Piece」という言葉が登場します。
>> 意味分かってから見たほうが、ぜったい数学の実力上がります^^
順天堂大学(医学部)
(試験時間70分)
1.全体総評~質・量ともに厳しいセット~
昨年と同程度ですが、質、良ともに穴埋めでALL or NOTHING にするにはひどすぎるセット。
第1問は小問集合のような形にしておきながら第2問、第3問と同じぐらい時間がかかるようなものもあります。
1-(3)、(4)は数Cがまともに入ってくるような問題で計算量も多く、下手すればここだけで50分はかかります。
他の問題も、入り方を間違えれば底なし沼にはまるような問題で、適切な解法で要領よく切り抜けなければ半分もとれません。
第3問はいつもどおりの、非常に癖のある証明問題。
いくら第1問が穴埋めだからって、これはきつすぎますね(><) 大問になりえるようなレベルですし。。。
2.合格ライン
第1問は(1)、(2)、(5)は所詮計算なので、何としても取りたい。残り(3)、(4)であわせて5割。
第2問の空間ベクトルは差がつくところか。最後の距離以外は確実に得点しないとあぶない。
第3問はどう証明すべきか、はっきり言って不明。なるべく稼いで7~8割 ですかね。
試験時間70分に対し、目標解答時間合計は120分。とても終わらせられるレベルではありません。
時間が何せたりないですが、合格ラインは65%前後ぐらいですかね。これぐらいはほしいところ。
私も57分かかっています。
3.各問の難易度
第1問(1)・・・確率(B、10分、Lv.2)
しょっぱなから、下手すると出鼻をくじかれるような確率の問題です。2の倍数、3の倍数という集合でベン図をかけば見やすかったでしょう。
第1問は(1)~(5)まであるとはいえ、どれも大問をといているつもりでやらないと厳しいです。
第1問(2)・・・絶対値、2次関数(B、15分、Lv.1)
なんとも珍しい設定の絶対値付きの2次関数の問題。
「2つの関数の交点が、絶対値で場合分けするxの値である」 という見方が出来ないと、ここもつまずきます。
あるいは、2つの関数の差は、2(ax^2+bx+c)と恒等的に等しいとしてもOKです。試験場であればこっちのほうがいいでしょう。
第1問(3)・・・放物線、準線(BC、15分、Lv.1)
準線の知識が必要な放物線の問題。
(3、3) で接するというのは、真っ先に式にするべき条件です。なぜなら、
(拙著シリーズ(白) 数学II 図形と式 p.26~28)
からです^^ 準線に関しては、公式が使いこなせればいいですが、今回のように頂点が原点にも軸上にもない場合はなかなか難しいです。
素直に、準線の定義に従ってください。公式があいまいなのに、数式処理だけで強引に進むのは禁止!!
(拙著シリーズ(白) 数学I 2次関数)
です。 私は、頂点の情報から焦点を出し、焦点と(3,3)の距離=3 から 出しました。
第1問(4)・・・行列、n乗、極限(BC、25分、Lv.1)
穴埋めにするには厳しすぎる問題ですが、これが順天堂(医)の入試。最後なんか、まともにやれば20分かるく超えます。
いくつか計算して、 A^n D =●B+2C と、Cの係数が2で固定になることに気づかないと、漸化式をたてることすらままならず、メンドクサイです。
穴埋めなので、推測だけで答えるのが一番ですが、推測するには厳しかったかもしれません。ちなみに私は推測だけでクリアし、あとで証明しておきました。
KAYSUYAの感想
「最初は丁寧な誘導があるのに、最後は誘導なしかよ」といった印象。解答時間10分。
第1問(5)・・・法線、曲率、弧長(B、15分、Lv.1)
曲率中心の定義を与えておいて、それを計算させ、ついでにパラメーター積分で弧長を計算させる問題。こちらも式がすこし煩雑で、ただの計算問題でいいやになってきますね。
積分は合成関数の積分をうまく使えばすぐ出来ます。
KAYSUYAの感想
特にコメントなし。法線が与えられていただけでもまだまし。解答時間8分。
第2問・・・法線ベクトル、直線との距離(BC、20分、Lv.1)
直線と点、直線と直線との距離を2次元と3次元で求める問題。誘導がわざとひねられていて、狂わされます。下手すると「イ」から分からなくなります。
直線と法線ベクトルの、図形的な関係をきっちり分かっている人にはどうってことない問題ですが、ここは勉強の質で差がついたところです。
最後の、空間上の直線と直線の距離ですが、「適当な2直線上の点をとり、そのベクトルを、両方に垂直なベクトルに正射影して求める」という流れですが、こちらも図形的意味を理解していないと難しいですね。
KAYSUYAの感想
「正射影という言葉も出さずに、この求め方でこの誘導はうざい」と思いながら、終了。解答時間10分。
第3問-複素数、整式(B、20分、Lv.2)
順天堂医お決まりの問題。いったいどこから使ってよくて、どこから証明しないとだめなのか、まったく不明の問題。
共役複素数を答えさせているけど、その性質は使っていいのでしょう。
(2)は、その性質を使っていいかどうか迷うなら、実際に余りをおいて議論するほうが堅実。
(3)は・・・あたり前のことだけに、証明するのとなるとやりにくいですねぇ。
※KATUSYAの解いた感想
(3)?これ、証明するの? って感じでした。とりあえず数式を言葉に代えて、それっぽく終了。解答時間6分。
4.対策~過去問で徹底的に演習を~
とにかく出題形式が独特で、第3問に至っては、過去問で経験しておく以外に方法がないぐらい形式が変です。第1問、第2問については、ある程度原則が使えるパターン問題も入ってきますので、原則をできる限り多く身に付ける練習をし、かつ計算量に負けない計算スピードを身につけていく必要があります。
青チャートのような参考書をこなしつつ、標準レベルの入試問題集を素早くこなせるようになるといいでしょう。
以上です^^
関連する拙著シリーズ
※ 計算スピードを上げるためには、計算をサボる練習が必要です。
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