大阪大学 理系 | 2010年大学入試数学

      2017/01/24

※注 ヒントを見ないでこの大学の入試を解きたい人は、解き終わってから見てください。ネタバレがあります。

大学入試シリーズ第31弾。

国公立シリーズ第6弾。

大阪大学 理系です。

 

問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。

 

また、☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。

また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。

※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの「標準的な時間」です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。

 

同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい という目安にしてください。

 

大阪大学(理系)数学

(試験時間150分)

 

1.全体総評~標準より上レベルで揃った良問~

良問セットです。どの問題も標準ちょい上レベルで、方針を間違えると泥沼にはまるという落とし穴が用意されてます。

分野もⅢCから1題ずつ、整数、空間図形、確率と非常にバランスの取れた出題となっています。

 

試験時間150分に対し、目標解答合計時間は135分。

もう少しボリュームが欲しいところですが、

1問ぐらい泥沼にはまってちょうどぐらいでしょう。

 

2.合格ライン~完答はし難いが、食らいつきたい~

「これは完答したいレベル」の問題がないので、全体として2完3半ぐらいの65%ぐらいですかね。

逆に医学部では、このレベルなら4完はしたい。最低80%。

 

3.各問の難易度

第1問・・・微積分(B、25分、Lv.2)

いきなり数Ⅲで重量感のありそうな問題ですが、計算がややこいだけであまり考えさせられるものではないです。

(2)は部分積分の正確な適用と計算、(1)の利用がカギでした。計算を間違わずにやって波に乗りたいところ。

 

☆第2問・・・2次曲線(B、20分、Lv.2)

楕円と双曲線。放物線のときに限らず2次曲線では交点は最後まで計算しないのが得策。

本問はいい例ですね。交点を最初にだすと計算量も膨れますし、θも混じるので混乱しがち。

(X,Y)とでも置いて最後まで放って置くと楽でしたね。

 

☆第3問・・・整数(C、40分、Lv.2)

本セットの最難問と思われます。条件も式も単純なので、逆に難しかったのではないでしょうか。

整数問題の最大の特徴は、「値がとびとび」ということ。よって多少広くてもいいから範囲を絞ることです。

 

Principle Piece A-65

 整数解のアプローチ 大小、対称性などから範囲を絞る

(拙著シリーズ(白) 数学A 整数 p.45~)

 

10通りぐらいなら全部調べるぐらいの気持ちも必要です。さらに絞るために頭ひねるぐらいなら、鉛筆動かして全部調べたほうが早いこともおおいです。

本問では式を見て、mやnがあまり大きくなれないことに気づけばなんとかなりますが、これはもうセンスですね。

 

☆第4問・・・空間図形、体積(B、30分、Lv.2)

球の中心の存在範囲の体積を求める問題。空間図形の中では難しくない方ですが、差がついた問題かもしれません。

球が複数ある場合は、「複数の球の中心を通る平面」を考えましょう。見通しがよくなります。

 

 Principle Piece A-53

 球を含む立体では球の中心を通る平面で切断

(拙著シリーズ(白) 数学Ⅰ 三角比 p.40)

 

そうすれば3次元での様子は、球の中心を通る直線を軸にして1回転させたものになります。

球絡みの問題では、求める存在範囲も回転体と思って見ましょう。

 

本問はそれに気付けば割とあっさり解決するため、差がついたかもしれません。

 

☆第5問・・・確率(B、25分、Lv.2)

立方体の点の移動の問題で、確率と漸化式を絡めています。(1)と(2)は出来るでしょうが、(3)以降は(1)と(2)の結果を吟味し、(3)の問題とうまくリンクさせることですっきり解けます。

確率と漸化式は、本サイトで最も出現回数が多いと思われる原則ですね^^

 

Principle Piece A-41 

 n回目とn+1回目を詳しく見る

(拙著シリーズ(白) 数学A 確率 pp.39-43)

 

Principle Piece A-42 

 必要のない部分もqn などと置いてみる

(拙著シリーズ(白) 数学A 確率 pp.39-43)

 

Principle Piece A-43 

 対称性、確率の和=1 などを利用し、文字をなるべく減らす

(拙著シリーズ(白) 数学A 確率 pp.39-43)

 

本問は問題文で文字を全ておいてくれていますので、漸化式を解く部分がメインとなります。漸化式はn乗型です。誘導なしですが、阪大受験者なら解けないとマズイですね。

 

Principle Piece B-13 

 漸化式5 n乗型 n+1乗で割って4型か階差型へ

(拙著シリーズ(白) 数学B 数列 pp.334-35)

最後の極限は、漸化式が解ければほぼおまけです。

 

4.対策~標準+αの演習を~

標準レベルの問題を演習しながら、さらに一つ上のレベルを行うといいでしょう。

青チャートの総合演習以外を行い、その後に総合演習にじっくり取り組むのもいいです。

頻出分野の図形と確率は対策をとりたいところです。数ⅢCも忘れずに。

以上です。

 

 

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(もしくは、本サイト右側のカテゴリーよりどうぞ^^)

 

■関連する拙著シリーズ■

★ 数学A 確率 (第5問)

★ 数学III 積分法の応用 (第4問)

★ 数学III 積分法 (第1問)

★ 数学III 式と曲線 (第2問)

★ 数学A 整数 (第3問)

★ 計算0.9(計算練習帳です^^)

 

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