九州大学 文系 | 2010年度大学入試数学
2017/02/02
※注 ヒントを見ないでこの大学の入試を解きたい人は、解き終わってから見てください。ネタバレがあります。
大学入試シリーズ第34弾。
国公立シリーズ第9弾。
九州大学 文系です。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
難易度の目安です。
A…教科書の練習問題、青、黄チャートの基本例題レベル
B…教科書の章末問題、黄、青チャートの重要例題、章末A問題、
および中堅大学入試問題レベル
C…チャートの章末B問題、難関大入試レベル
D…難関大入試でも難しい問題のレベル
E…超高校級の難問、試験場では即捨てるレベル
☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの「標準的な時間」です。
したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい という目安にしてください。
九州大学(文系)数学
(試験時間120分)
1.全体総評~図形からの出題が多い~
例年通り。全体的に標準レベルの問題で第4問のような問題は目新しいですが、意外に差がついたかもしれません。
関数や微積分がなく、少し図形色が濃いセットでしたね。図形が得意な人には楽だったかも。
試験時間120分に対し、
目標解答合計時間は120分。適量ですね。
2.合格ライン
どれも確実に完答とはいきにくいのでまず、必須で
第1問…(1)まで
第2問…(2)まで
第3問…(2)まで
第4問…(1)まで
これで大体2完弱ぐらい。そして、残りで上乗せします。
第1問、第3問は各問題がつながっているのでやりきるのがいいでしょう。
第2問の(3)も時間があればなんとかなるでしょうから、許す限り解きたい。
第4問は結果しか知らない人には(2)以降は自ら証明をあみだすのはきついので、取り合えず答だけ書いとくしかないです(笑)
逆に導出方法も知ってる人には、サービス問題ですが。
70%ぐらいでしょう。
3.各大問の難易度
第1問・・・図形(B、20分、Lv.2)
理系との共通ですが、文系であれば差が出る問題でしょう。詳しくは理系を見てください。
☆第2問・・・確率(BC、35分、パターンなし)
こちらも理系との共通。詳しくは理系を見てください。
第3問・・・図形(B、30分、パターンなし)
円と直線の問題。Mを決めれば、Nの位置は決まります。与えられた条件と問題文に従い、ひたすら計算します。
数Ⅱの三角関数の公式などを使って、根気よく計算した人が勝ちでしたね。
なお、NM=MB⇔弧NM=弧MBを使ってしまえばかなり計算量は減りますが、少なくとも教科書にはない事項なので、微妙なところ。
第4問・・・数列(B、30分、Lv.2)
普段よく使っているΣの公式を証明する問題。
不意をつかれた感じですね。自らあみだすのは厳しいので、知識の有無で差が出た問題。
こーゆー問題はいかがなものかと思いますが、導出過程は頭に入れておく価値があります。
Σの中身を「階段関数の差」として表すという手法です。例えば、
k=1/2{k(k+1)-k(k-1)}
ですから、これでΣを取れば右辺は公式使わずに、間が全て打ち消されます。
同様に、k(k+1)=1/3{k(k+1)(k+2)-(k-1)k(k+1)}でΣを取れば、右辺はすぐ計算でます。
Σkはさっきだしましたので、
Σ(kの2乗)=右辺の総和‐Σk
です。こうやって順番にしていけば、kの3乗でも4乗でも、求まります。
4.対策~公式の導出過程にも意識を~
標準的な問題が多く出題されます。これらの問題の中でも、頻出分野のものを確実に全てとれるようにしておけば合格に近づけます。チャートの重要例題や数研の入試問題集(文理系)がいいです。
また、普段から公式は覚えるだけでなく導出過程も意識しておくといいでしょう。
演習量比率B:C=8:2でぐらいでいいすね。
以上です。
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(記事の引越し・改善中のため外部サイト(姉妹サイト)と行き来するかもしれません。すみません。)
■関連する拙著シリーズ■
★ 数学B ベクトル (第1問)
★ 数学A 確率 (第2問)
★ 数学II 図形と式 (第3問)
★ 数学B 数列 (第4問)
★ 計算0.9 (計算練習帳です^^)