青チャートはどんな人におススメ?レベル(難易度)や使い方|例題だけでいい?
2024/04/12
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青チャートといえば、高校生で知らない人はいないほど有名な数学の参考書で、学校でも指定参考書として採用しているところも多くあります。周りが持っていると自分も持っていたほうがいいように思われますが、「実際どのようなレベルなのか」、「自分にも適しているのか」、「どんな人にオススメなのか」、「例題だけでいいのか」「そもそもなぜこんなに多くの人に使われているのか」などの疑問が湧いてきますよね。
そんなお尋ね者の数学の参考書である青チャートについて、ここでは説明していきたいと思います。
>> 青チャートに代表されるような「原則習得」タイプと、その後に演習する1対1対応に代表されるような「入試基礎演習」タイプを合わせたような参考書もあります
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こちらも、原則習得のための参考書で、初めて学習する人でも無理なく使えます!!
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1.問題数、レベル、解説の詳しさなど
まずは、青チャートがどのような参考書なのか知るために、その基本的なデータを見てみます。青チャートのタイプは、「原則習得」です。
→ 問題集のタイプを知ることは、参考書選びにおいて非常に重要です。
>> 青チャートに代表されるような「原則習得」タイプと、その後に演習する1対1対応に代表されるような「入試基礎演習」タイプを合わせたような参考書もあります
1.(1) 青チャートの問題数
青チャートIAの問題数・・・例題350題、練習350題、EXERCISE+総合演習307題
新課程IAには期待値の計算、仮説検定の問題等が盛り込まれ、以前より少し例題数が増えました。
青チャートII+Bの問題数・・・例題376題、練習376題、EXERCISE+総合演習222+59=281題
ベクトルが除かれた分、以前よりも例題の数は減っています。
青チャートIII+Cの問題数・・・例題394題、練習394題、EXERCISE+総合演習373題
こちらはベクトルが移行している分、増えました。
見てお分かりのとおり、普通の問題集よりも格段に問題数が多いことがわかります。例題と練習は数が同じで、これは例題と同じような問題を練習するために用意されているからです。従って、練習は取り組まず、例題だけをどんどんこなしていく、という方法を取る学生さんも多くいます。これでいいのか?ということについては後ほど。
※新課程の青チャートの変化として、各章の表紙にあたる部分にSELECT STUDYと呼ばれるものが追加されました。個人的にはこのSELECT STUDYは、演習効率の観点から考えるとデカイと思います。
1.(2) 青チャートのレベル
これは、IA,IIB,IIIともに共通です。そんな青チャートの対応レベルですが、日常学習レベル、センターレベル、中堅大入試レベル、難関大入試レベルと、幅広くカバーしています。超難関大レベルの問題の収録数は少し少なめですが、青チャートのタイプはあくまで「原則習得」であることを考えると、どんなレベルの人にでも使える問題集ということになります。
1.(3) 解説の詳しさ
青チャートは、いわゆる教科書傍用問題集(4STEPなど)に比べると、レイアウトの観点等からみても、解説は詳しいといえます。式変形についてもあまり省略されませんので、間違えても自分で式を追うことができます。また、その式変形をなぜ行わなければならないのか、などの考え方も答案の欄外に記載されていますので、独学も十分可能なレベルの解説量といっていいでしょう。
数学の解説でよく言われる「別解」ですが、別解については、青チャートはそこまで多く記載されているわけではありません。おそらく、「この本で数学Iを勉強している人は、数学IIの単元をまだ知らない」などを想定してのことだと思われます。
それでも、例えば次数下げの問題は数IIの多項式の割り算を利用して解く方法、2次関数の最大値・最小値をコーシー・シュワルツの不等式を用いて解く方法などは載ってたりします。ただし、あくまでそのページ(紙面)に収まるように書いてあることが多いため、メインの解法は基本的には1通りとなります。
しかし、別解などの詳しさを求めるべき参考書は、「原則習得」タイプの参考書ではありませんので、青チャートを学習する段階ではそこまで別解を意識する必要はないと思います。まずはメインの解法を確実に解けるようにするべきです。
2.どんな人におススメなのか
青チャートは、実際にどんな人であれば使えるのかを見ていきます。自分に当てはまっているかどうかを確かめてみましょう。正直、当てはまっているなら迷わず青チャートを使うことをオススメします。それぐらい、王道中の王道の参考書です。
2.(1) 学校で配られている
例外もありますが、学校でデフォルトで配られているのであれば、青チャートをこなせるレベル帯の学校であることが多いです。
※青じゃなくて黄色チャート、あるいはFocusGoldを配られているなら、もちろんそれでOKです。黄色チャートの人はリンクに飛んでください。FGの人は、本記事とほぼ同じなのでこのまま読んでください。
2.(2) (数学IIIC以外) 高1生、高2生で、学校の授業の内容はまずまず理解している。
チャートは分量が多いので、高3になってからIA、IIB、IIICとやろうとするのはキツイですので、出来ればIA、IIBは高1、高2の段階である程度手をつけておきたいです。
ただし、「数学が苦手過ぎて授業もチンプンカンプンでした」みたいな人は、本書ではなく、1つ前の段階に戻りましょう。
なお、拙著シリーズ『Principle Piece』であれば初習段階から入試基礎演習段階までムリなくステップアップ出来ます。
2.(2)' (数学IIIC) 授業の内容はまずまず理解している
上とほぼ同じ。IIICの単元を学習した段階で始めるといいでしょう。
2.(3) 志望校が難関大(MARCH・関関同立・地方国公立)以上の理系、または早慶、上位国公立、旧7帝大である
難易度的に、ここら辺の大学以上を目指すなら、青チャートはおススメです。というより、青チャートをやれるぐらいでないとキツイと思います。
ここ数年はYouTubeなどで、量が少ないということで他の問題集をおススメする人も多いと思います。それについては話すと長くなるのでここでは避けますが、個人的には「王道に近道なし」だと思います。よほど「分厚い参考書はマジで無理」みたいな人でない限り、青チャートはおススメです。
※このあたりのことも、自分のYouTubeチャンネルでいつか話したいですね。(全然未定ですが)
3.例題だけやればいい?
こちらについてもかなり前から話題が尽きないです。
個人的には例題だけこなすのもありですが、「例題だけでいい」とは言い切れるのは、以下のうちいずれか一方に当てはまる場合です。
- 次の段階として、1対1対応に代表されるような入試基礎演習タイプの問題集をやる(いきなり入試標準演習タイプに飛ばない)
- 塾などで、問題集のことをきちんと知り尽くしている指導者の指導を受けながらである。(独学ではない)
いずれにもあてはまらないなら、例題だけではダメです。Exerciseもやってください(明らかに例題と同じタイプのものは飛ばしてもOKです)。そうでないと解法パターンの漏れが発生します。
指導を受けている場合は、有能な指導者なら漏れを適切に把握出来るので、「Exerciseのこれだけはやってね」と抜粋して効率的に漏れを防いでくれるはずです。
青チャートを最大限に活用するのであれば、以下のような進め方が個人的にはおススメです。
まず例題をやって一通りのパターン習得をする。これを2周~3周ぐらい繰り返して(2,3周目は必ずしも書く必要はない。流れがすっと分かればOK)、理解度が8割以上になったと思ったら、EXERCISEや総合演習をやってみる。
4.まとめ~なぜ青チャートが使われるのか~
青チャートはかなり多くの層をカバーしています。その理由は、これまでの内容をまとめることで分かります。
青チャートは、レベルのカバー範囲が非常に広く、どのレベルの典型手法も、ほぼもれなく一通り網羅されています。問題数が非常に多い理由がここにあります。しかし、全ての人が全ての問題を解いてるかというと、そうではありません。超難関大を志望する人が、最初のすごく簡単な問題を解いている可能性は低いですし、中堅大をめざす人が、巻末の総合演習を解くのは少し無理があります。
そこで、自分のレベルに応じて解く問題を取捨選択していっても、そのレベルに関しては網羅することができます。最新版にはSELECT STUDYもついており、取捨選択の目安として使うことが出来ます。
従って、どんなレベルの人が手に入れたとしても、とりあえず自分がやるべき問題は網羅されているはずで、ハズレはないというのが、多くの人にとって青チャートが使われる理由です。
青チャートは、大型ショッピングセンターのようなものです。大型ショッピングセンターは、買い物はもちろん、娯楽なども全てそろっています。一度に全てのお店を訪れる人はあまりいませんが、食料品だけ、服だけを買いに来る人もいますし、映画を見に来ただけ人、レストランでご飯を食べに来るだけの人もいます。「ここに来れば、少なくとも自分のやりたいことはできる」という感覚ですね^^
最後にまとめます。本記事をご覧になっているということは、青チャートについて何らか気になっているということです。そんな青チャートは、「気になるなら、持っておいて損はない参考書」と言えそうですね。
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