東京都立大学 理系数学 講評| 2024年大学入試数学

      2024/03/07

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●2024年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は名古屋大学(文系)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2024年 大学入試数学の評価を書いていきます。

2024年大学入試(国公立)シリーズ。
東京都立大学(理系)です。

問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。



また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。

※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。


同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。


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東京都立大学(理系共通)
(試験時間75分、3問、記述式)

1.全体総評~計算量は抑え気味でやや易化~

昨年は講評していないので比較不可。全体的に典型問題+αの標準的な問題が多いので、きちんと勉強している人であればどれもおさえようと思えばおさえられる問題。分野的には、今年数Ⅲから1題、それ以外から2題でいつも通り。今年は確率とベクトルでした。

試験時間75分に対し、標準回答時間は53分。時間はゆったりめです。慎重に計算して合わせましょう。

 

 

2.合格ライン

第1問は(1)(2)をおさえたい。(3)がキー問題。

第2問は超典型パターンで傍用問題集にもありそうなタイプ。おさえたい。

第3問も落ち着いて設定を読み、状況が把握出来ればパターンに帰着可能。(3)(4)あたりは差がつくかも。

2完分ぐらいがボーダーですかね。

3.各問の難易度

☆第1問【微積分総合】増減、変曲点、定積分と不等式(B,20分、Lv.2)

数Ⅲの標準的な微積分総合問題です。問題集などでもよく出てくるパターンなので、勉強していれば取れるでしょう。

(1)は増減は1回微分して、変曲点は2回微分して求めればOK。計算は正確に。

(2)は積分するだけです。積分は部分積分ですが、先に変形するのは1/x^2の方ですね。

 Principle Piece 

 部分積分の変形優先順位は 指数=三角>多項式(>対数)

(詳細は拙著シリーズ 数学III 積分法(数式編) p.24 参照)

(3)は典型的な定積分と不等式の問題。今回は片方だけ求めればOKです。おそらく右辺f(x)を積分した結果です。左辺は短冊階段になります。右辺の方が面積が大きくなるように、短冊階段をうまく配置するといいでしょう。(1)の増減の結果も使えます。

 Principle Piece 

 短冊階段は[1]上下に伸縮 [2] 左右にずらす

(詳細は拙著シリーズ 数学III 積分法(数式編) p.74 参照)

今回は短冊階段の最左下を(2,0)におくといいですね。

※KATSUYAの解答時間は12:14です。標準的な問題。xが2以上では減少だからそのための(1)があるってことね。

 

☆第2問【空間ベクトル】四面体、垂線の長さ(A、15分、Lv.1)

空間ベクトルで、内積絡みの四面体問題。第1問以上に典型的で、ワークや定期試験にも出そうな問題です。これは落とせません。

内積絡みでは基本6量を準備するのが原則です。今回は全部与えられていますので、最も基本的なパターン。

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 空間ベクトル(内積絡み):基本6量を求めて準備を

(詳細は拙著シリーズ 数学B・C 空間ベクトル p.36 参照)

(1)は平面に下した垂線です。ひねりもなく、原則を使うだけ。

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 平面に下した垂線

[1]平面上なので2文字で  [2]2ベクトルと垂直で内積ゼロ

(詳細は拙著シリーズ 数学B・C 空間ベクトル p.39 参照)

OPベクトルを1-s-t,s,tの係数で表し、s,tの連立方程式を解くだけですね。

(2)は(1)が出来れば2乗して展開するだけです。どうしても分数が入るので、計算は慎重に。先に分数を前に出しておくと比較的計算ミスは防ぎやすいです。

※KATSUYAの解答時間6:19。特にコメントなし。ひねりなしの計算問題。

☆第3問【確率】カードの数字を取り除く(B、18分、Lv.2)

最後は確率。袋から出た番号のカードを取り除くという設定の問題ですが、意味を考えてばただの重複順列だと見抜ければこちらもそんなに難しくありません。

(1)は1種類のカードしか出ない場合ですから、4C1×1^4=4通りです。

(2)は1が少なくとも1回出てればOK。少なくともなので余事象ですね。

 Principle Piece 

 「少なくとも・・・」と言い換えられるなら余事象(補集合)

(詳細は拙著シリーズ 数学A 集合と場合の数 p.13 参照)

(3)は、数字が2種類だけ出てればOKってことです。この言い換えが出来れば(1)とほとんど同じ。選び方は4C2、n回とも同じものだけ除くことに注意して、2^2ー2通り出方があります。これを掛け算するだけですね。

(4)もほぼ同じ考え方。2,3,4から3回で2種類でて、4回目は残りの数字が出ればOK。4回目が4としたら。3回目までには2^3ー2=6通り出方あります。4回目が2,3の場合も同じなので3をかけてオシマイ。

※KATSUYAの解答時間は6:44です。こちらも設定をかみくだけば2種類の重複順列がメインで、瞬殺に近いかな。(4)は3種類の重複にすれば適度に難易度上がったよかったような気もするけど^^;

4.対策~典型パターンの問題を一通り解けるように~

1番が数Ⅲの微積分総合なのはほぼ固定で、あとは年によって違いますので、満遍なく学習しておきましょう。そんなに難しい問題を学習する必要はなく、典型パターンがしっかり出来るようにしておけば十分です。

今年基準なら、原則習得入試基礎演習をしっかり終えれれば合格点に達するでしょう。標準レベルの演習だとお釣りきます。

なお、拙著『Principle Piece』シリーズであれば「原則習得」「入試基礎演習」の両方の段階を兼ねていますので、都立大の数学対策は本シリーズだけで終わりに出来ます^^

量をこなす演習:じっくり演習=8:2ぐらいでしょう。

以上です^^

■関連する拙著『Principle Pieceシリーズ』(リニューアル版!)

数学A Chapter2~確率~ (第3問)

数学B・C Chapter3B~空間ベクトル~ (第2問)

数学Ⅲ Chapter4~微分法2~ (第1問)

数学Ⅲ Chapter5~積分法(数式編)~ (第1問)

すでに原則習得タイプの問題集をお持ちの方は、こちらがおススメです。

数学I・A~原則のみ~

数学II~原則のみ~

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