【2023年度版】共通テスト対策の参考書:過去問・模試編

   

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共通テストは、受験生のみなさんにとって(指導している教師・塾の先生のみなさんにとっても!)最も心臓に悪い、年に1回のイベントであり、毎年その対策のため過去問を初めとする参考書を購入する学生さんが殆どだと思います。

需要面では、令和4年(2022年)度の本試験の受験者数は488,384人(※大学入試センターの発表)であり、どこの大学受験者数よりも桁違いに多く、そのため参考書も非常にたくさん出ています。

数学に関しては共通テストに変更になったことで、センター試験以上に、2次用の問題集では対応が取りにくくなりました。

今回は、数学I・Aおよび数学II・Bについて、センター試験対策となる参考書をできる限り全て掲載(虎の巻)、それをタイプ別に分けていき、そのメリット・デメリットを説明していきたいと思います。

→ 分野別編についてはこちらから

 

1.実際の過去問~センター試験の割合が多く、回数が減った~

まず何よりも、最も多くの人が購入するのは、実際の過去問を「そのまま」収録した参考書でしょう。「そのまま」というのは、分野別に並べ替えたりしていないもののことです。このタイプの参考書のメリット、デメリットについてまとめておきます。

  • メリット・・・「そのまま」の過去問なので、時間を図って解くことで実践的な対策が可能である。難易度の傾向も、当然ながら最も本番に近い。
  • デメリット・・・偏差値や順位を出すことができない。共通テストの過去問は少ない。回数が減ったのに値段がほとんど変わらない。

 

結論から言うと、デメリットが大きく、過去問を買うのはおススメしにくいです。そもそも共通テストになってから数年しかたっていないので、過去問がほとんどセンター試験です。また、掲載回数が以前よりもかなり減ったにもかかわらず、値段がほとんど変わっていないのでこのあたりも少し割高になった印象です。

以下、過去問タイプの参考書を挙げておきます。

 

1.(1) 教学社の赤本シリーズ

赤本シリーズは、教学社が出版している過去問です。

 

個人的には、過去問の中でもこの赤本はおススメできます。共通形式だと回数が少ないですが、赤本には試行調査も掲載されており、さらにオリジナルの模試も追加で収録されているので、共通形式の模試を多く演習できます。

 

 

 

1.(2) 河合出版の黒本シリーズ

黒本シリーズは、河合出版から出ている過去問です。

 

河合塾の本だけあって、解説の詳しさはピカイチかと思いますので、詳しい解説が必要であるという方にはオススメです。

 

※「理科」については、理科・理科基礎が一緒になっていますので、理科基礎だけが必要な学生さんには不向きです。

 

1.(3) 駿台の青本シリーズ

青本シリーズは、駿台予備校が編集した過去問です。昨年までは真っ青な感じの表紙でしたが、デザインが大きく変わりました。

 

過去問は2022年2021年ともに1回分ずつです。模試と過去問が合わさっています(合計7回分)。2021年の第2日程は残してほしかたところですね(昨年はあったので・・・)。

掲載回数を考えると割高な参考書ですが、「直前チェック総整理」という冊子がついていること、本試験得点別に偏差値を出すことが出来ることが、青本の大きな特徴と言えます。

 

※「理科基礎」だけの冊子がありますので、理科基礎だけが必要な学生さんはこちらが向いています。

 

1.(4) 東進の緑本シリーズ

緑本シリーズは、東進ハイスクール・東進衛星予備校が編集した過去問+実践系問題集です。

 

 

他の対策本と違い、過去問と模試問題集が合わさった感じです。過去問も、第1日程と第2日程が両方収録されており、模試も2021年度に合わせた出題のものが数回収録されています。また、解説動画かQRコードから見られるなど、利便性も非常に高い問題集で、個人的にはおススメです。

 

※「理科基礎」だけの冊子がありますので、理科基礎だけが必要な学生さんはこちらが向いています。

 

 

1.(5) Z会の共通テスト過去問(NEW!!)

今年から、Z会が共通テストの過去問を出しました。

 

共通テストの過去問だけを英、数、国すべて収録している本です。過去問の回数は2022年、2021年ともに2回分、試行調査も2回分で最多でしょう。個人的にはおススメ。

理社も出てほしいですね~^^

 

 

2.実戦系問題集~最新の出題傾向にあったものかどうか~

実際の過去問ではなく、共通テスト試験の形式に合わせたマーク模試形式の問題集も、各予備校が販売しています。

  • メリット・・・実際の形式を模しているので、時間を図って解くことで実践的な対策が可能である。数学I・Aについては新課程に合わせた内容である。過去に行われた模試の場合は、偏差値や順位を出すことが出来るものも多い。
  • デメリット・・・実際のセンター試験ではないので、難易度が必ずしも一致しないものも多い。販売している予備校によって難易度がバラバラである。

また、試行調査時代に合わせて作られた、過去に実施した模試をそのまま掲載しているか、2021年や2022年の実際に出題された共通テストの最新の傾向を反映しているかどうかもポイントになります。後者の方が偏差値等は出せませんが、個人的にはおススメです。(そもそも個人的に、共通テスト演習で偏差値を出す意味をあまり感じません)

 

2.(1) 河合出版の黒本シリーズ~本番の形式・難易度を研究し尽くした良問~

黒本シリーズは、正式名称が「マーク式総合問題集」という名前の、河合出版から出ている実戦系問題集です。

 

「マーク式総合問題集」の特徴は、新課程の過去問も巻末に掲載していることですが、数学だけは掲載がないようです。もし数学も過去問(本試験・追試験)を掲載してくれれば、本書は非常にオススメできます。

 

 

 

2.(2) Z会の緑本シリーズ~本番より明らかに難しい~

緑本シリーズは、正式名称が「センター試験実戦模試」という名前の、Z会編集部から出ている実戦系問題集です。

数学については、以下のようになっています。

  • 収録試験回数:7回(オリジナル5回+2022年本・追試
  • 難易度(センターと比べて):難しい

実戦系の問題集の中では、難易度が高いという声が非常に多いです。数学が得意な人であれば、マーク模試間の難易度はそれほど感じないと思いますが、このZ会の実戦模試シリーズは難易度が違います。

得意な人以外は、利用するなら早めに利用するべきです。本番直前に利用して、出た点数に凹まないように注意が必要です。。。

 

 

まとめ~全回数で選ぶか、実際の過去問の収録数で選ぶか~

共通テストの過去問集、実践模試問題集についてみてきましたが、全回数自体はどこまで大きな差はありません。過去問をがっつりやりたいならZ会の過去問あたりがおススメです。実践模試系では難易度が研究されている河合のマーク問題集あたりが適切かと思われます。

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