【虎の巻(2)】センター試験対策の参考書:分野別編
2016/05/26
今回は、数学I・Aおよび数学II・Bについて、センター試験対策となる参考書のうち、分野別のものについて掲載し(虎の巻)、それぞれの特徴について簡単に見ていきます。
→ 実際の形式の実践系問題集(過去問集、模試問題集など)はこちらから
1.河合:「マーク式基礎問題集」シリーズ
- 問題形式・・・オリジナルのマーク式問題(一部実際の過去問あり)
- 問題数・・・数学I・A、数学II・Bともに60題
- 問題の長さ・・・実際の大問より少し短い
- 難易度・・・本番よりやや易
- 目標到達点・・・センターで7割
河合の「マーク式基礎問題集」は、実際より少し易しめのセンター用問題集です。本書のコンセプトは、「各大問の最後の穴埋めを捨てていく」というものです。
最後の大問は、計算量と点数の観点からはコストパフォーマンスがいいとは言えませんので、理にかなったコンセプトです。ある程度点数が欲しい人には向いています。
各大問の最後以外を正解できれば8割は確保できますが、ミスなしが前提です。本書だけで8割を確保するのは難しいと思います。8割以上が欲しい人は、姉妹書の実践系へ移行するのがいいでしょう。
2.駿台:短期攻略シリーズ
2.(1) 基礎編
- 問題形式・・・オリジナルのマーク式問題(一部実際の過去問あり)
- 問題数・・・数学I・Aは240題、数学II・Bは212題
- 問題の長さ・・・単問ぶつ切り。
- 難易度・・・本番より易
- 目標到達点・・・センターで5割~6割
駿台の「短期攻略:基礎編」は、例題+類題で1テーマとした、基礎的なマーク式問題集です。穴埋め形式ではありますが、「求めなさい」と書くところを穴埋め形式にしただけ、という部分も多くあります。「最後まで解けば満点」というのが本書のコンセプトですが、ちょっと盛り過ぎの印象。
公式や基礎が抜けており、そこからやり直したい人には向いているかもしれませんが、白チャートなどでも代用できそうです。そうでない人は、次の実践編がいいです。
2.(2) 実践編
- 問題形式・・・オリジナルのマーク式問題(一部実際の過去問あり)
- 問題数・・・数学I・Aは72題、数学II・Bは70題
- 問題の長さ・・・実際とほぼ同じ程度で、本格的。
- 難易度・・・本番と同程度
- 目標到達点・・・センターで7割~8割
実践編は基礎編とは異なり、実際の大問レベルの長さのマーク式の問題を、分野別にしたものです。ある程度公式や基礎的な問題解法の習得を終えているのであれば、こちらで分野別に集中的に演習できます。
3.代ゼミ:センター・マーク問題集
3.(1) 基礎問題集
- 問題形式・・・オリジナルのマーク式問題(一部実際の過去問あり)
- 問題数・・・数学I・Aは64題、数学II・Bは66題
- 問題の長さ・・・単問ぶつ切り。
- 難易度・・・本番より易
- 目標到達点・・・センターで5割~6割
先ほど紹介した、駿台の「基礎編」と似ています。単門ぶつ切りなので、公式からやり直して確認したい人向けになります。穴埋めではありますが、形式に練習にはなりません。
3.(2) 標準問題集
- 問題形式・・・オリジナルのマーク式問題(一部実際の過去問あり)
- 問題数・・・数学I・Aは約40題、数学II・Bは39題
- 問題の長さ・・・本番と同程度の長さ
- 難易度・・・本番と同程度
- 目標到達点・・・センターで7割~7.5割
標準問題集の方は、本番の大問を想定した、分野別のマーク式問題集です。私大用にも使えると書いてありますが、ほぼセンター用と考えたほうがいいでしょう。
4.Z会:解決!シリーズ
- 問題形式・・・オリジナルのマーク式問題(実際の過去問あり)
- 問題の長さ・・・基礎問題、過去問、仕上げの3段階。基礎問題はぶつ切り、その他は本番と同程度
- 難易度・・・過去問、仕上げは本番と同程度
- 目標到達点・・・センターで8割
本書は、単元別に「基礎問題の確認」、「過去問の演習」、「仕上げの演習」の3段階に分かれており、この1冊で基礎から初めて本番レベルまで持っていけますので、他のシリーズに比べると人気が高いです。実際の長さでどんどん演習したい人には少し問題数が少ないかもしれませんが、解説はかなり詳しいです。
Z会の本はレイアウトや配色が魅力的なのも特徴で、全体的に非常に見やすいです。
5.緑チャート(オススメ!)
お馴染みのチャート式シリーズです。緑チャートはセンター用のチャートです。こちらは、個人的に強くオススメできます。(既にマーク模試で85%以上を安定して出せる人は不要)「情報量に関する過不足が一切ない」というのが、私の端的な印象です。さすが数研といったところです。
なお、緑チャートにはIA、IIBのみのものもあります。両方受験する人は、値段的には上記の方が圧倒的にお得ですが、内容やレベルがそもそも若干違いますので、要注意です。
6.みんなのセンター教科書シリーズ
- 問題形式・・・例題+章末に過去問
- 問題の長さ・・・本番と同程度の長さ
- 難易度・・・本番より易~本番と同程度
- 目標到達点・・・センターで5~6割
幅広く人気の参考書です。基礎の基礎から丁寧な説明があり、数学が苦手、あるいはほぼ完全に抜けてしまっている人がゼロから始めるには最適の本と言えます。
特徴としては、センターに必要最低限の事項の説明があり、簡単な例題を通して練習、章末には実際の過去問を解くという流れになっている点です。先ほどのZ会の本と構成が似ていますが、こちらの方がかなり簡単です。解説もかなり詳しいので、苦手な人でも挫折しにくいと思います。
まとめ~どんどん演習するのか、説明から必要かで選ぶ~
一口に分野別の問題集にもいろいろありますが、選び方は、大きく分けて下記2つのパターンにあると思います。
- 必要最低限のことが分かっていて、実際の形式の問題をどんどん解きたい場合
- センターだけで必要なため、ほとんど勉強しておらず、ほぼゼロから説明が必要な場合
前者の場合は、問題だけが掲載されている「河合」「駿台の実践編」「代ゼミの標準編」などがいいでしょう。一方後者の場合は、説明事項から掲載されている本の方がいいでしょう。
自分に必要なのがどちらのタイプなのか、あるいは過去問形式の実践系問題集なのかをよく見極めて購入しましょう。