東京大学 理系 | 2012年大学入試数学

      2023/06/06

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^

2012年 大学入試数学の評価を書いていきます。
東京大学(理系)です。

 

問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、

典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。

また、☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。

 

 

※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい という目安にしてください。

 

※2012年の数学の記事から、「Principle Piece」という言葉が登場します。

>> 意味分かってから見たほうが、ぜったい数学の実力上がります^^

 

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東京大学(理系)  

(試験時間150分)

 

このエントリーでは、標準解答時間とともに、東大受験者の目標解答時間も右に書きます。

 

 

1.全体総評

昨年に比べると、方針の立ちやすい問題が多く、少し易しくなりました。最高レベルで少しづつ難化を続けていましたが、今年は少し落ち着いたみたいです。

とはいえ、論証力、計算力は依然最高級レベルで、東大としての難しさを十分保っています。

特記すべきは、行列が2問も。課程から消えることがそこまで名残惜しいのでしょうか。。。ちょっと大人げない。

大学側が作りおきした問題が今後も一気に出てくる可能性は十分にありえそうです。

 

試験時間150分に対し、

目標解答時間合計は205分。(東大受験者は185分)
記述式となると、この6問で150分はかなり重いですね。第4問の論証は難しいと感じて捨てられれば、ちょっとゆったりいけたかもしれませんね。

 

KATSUYAは、131分で終了しています。 年々時間が遅くなるな。。。昨年よりはましだったと思うんですが。

 

 

2.合格ライン

第4問(2)は捨て問題なし。第1問~第3問で2完、第5問、第6問は時間的に、かき集めに走って1完強。

これで、4完弱ぐらいですかね。ただし、時間のなさを考慮し、60%としておきます。

 

3.各問の難易度

第1問・・・図形と式、線分、最大値(BC、30分、25分、Lv.2)

最初から、ちょっと難しめの問題。予備校であれば標準とされるでしょう(笑)

問題文にもわざわざありますから迷わなかったかとは思いますが、原則です。

Principle Piece 

図形の長さの問題は角度をパラーメータにする

今回はこれで解決したと思います。微分の式は割と複雑で、0になるときがちょっとわかりにくいです。

単調増加性と、√2のときにあてはまることを言えばOKです^^

 

KATSUYAの感想

最初にしてはメンドクサイか。でも第1問っぽい。0になるときの部分で差がつくか。解答時間19分。

 

☆第2問・・・確率と漸化式(BC、30分、25分、Lv.2)

こちらは、文理共通の問題ですが、理系でもこれは差がついたでしょう。例年の確率よりはましな気がしますが。

そもそも奇数秒後にQに来ないことは分かったと思いますが、さらに対称性の活用に気づかないと、こちらはかなり厳しいです。

n秒後の様子は、以下の原則に従いましょう。

Principle Piece A

nとn+1の様子を詳しくみて、漸化式

今回は、偶数秒後だけが問題なので、 n と n+2 の様子を見るとよかったですね^^

KATSUYAの感想
せこい性格のため、対称性を見つける作業は癖(笑) なので、ここは楽勝。解答時間17分。

 

第3問・・・積分、回転体(B、40分、30分、Lv.2)

ただの回転体の体積の問題で、領域の式も単純。ただ、計算がかなりメンドクサイ!!というより、値がかなりでかい(笑)

大小関係もただの√2の評価です。この大学は√2の評価すきですね。

 

KATSUYAの感想

なんだこの計算(笑) これはちょっと東大らしくないな。 解答時間23分。

 

第4問・・・整数、論証(D、50分、50分、Lv.2)

今年の整数問題はかなり難しいです。きちんと論証するとなると、(1)から結構難しいです。(2)はもっと難しいですね。(1)を利用することが出来ますが、それに気づくのは至難の業です。

KATSUYAの感想

これは難しいな(><) どう言えばいいんだろう、、、。表現にかなり迷ったため、時間ロス。解答時間32分。

 

☆第5問・・・行列、整数(BC、30分、25分、Lv.2)

最初の行列です。といっても、あまり行列をもろに使うような問題ではありません。

平行四辺形の面積が |ad-bc| となることを使うと楽勝すぎるのですが、ベクトルでおいて三角形の2倍としておけばいいでしょう。

(2)は、ad=±1  となることがわかれば、あとは適当に場合わけすればいいです。

(3)は(2)をどう使うのかはよくわかりませんが、背理法がいいかと思います。

Principle Piece A

少なくとも一方は → 余事象を考える。

BA 、B-1A のどっちも |x|+|z|≧|a|+|c|  と考えれば済みますね。

KATSUYAの感想
行列なのかもよくわからないし、(3)は別に(2)使わなくても、不等式議論で行けるし、よくわからないが、証明なのできちんと書いて、解答時間22分。
※おそらく、何か背景があるものと思われます。ストックしてたか(笑)

 

第6問・・・行列、不等式(B、25分、20分、Lv.2)

また行列です。受験生は、多分試験が始まったら全問題をぱーっとみると思いますが、第5、6問で行列だったのを見ると、ちょっと焦りますね^^;今年は見ないほうがよかったかも。。。

といっても、こちらも、ただただ行列を計算するだけ。そして最後にTr(トレース:対角成分の和)を計算するだけの問題。計算自体はちょっと繁雑。

(2)の不等式は出来が分かれたかもしれませんが、a、bだけに注意してみればよかったですね。

東大受験者であればなんとかやってほしいところ。気付かなかったら微分すればいいです。

Principle Piece 

不等式は差をとって微分

また、この式は同次式になります。微分するなら先にこれで変形しておくとよかったでしょう。

Principle Piece ⅠⅡ

同次式はa/b=k とおいて1文字減らせる

a≧b>0 とかいう条件を見ると、私は「どこかに同次式でも出るのかなぁ」なんて思いますが、それはさすがに慣れの問題なので、気にしなくていいです。

 

KATSUYAの感想

この行列の問題も、いかにも何か背景がありそうな問題ですが、解くだけなら、ただ計算するだけの問題。いくら行列が出せなくなるからって、作りおきの問題を一気に出しすぎではないかと勝手に推測(笑)解答時間18分。

 

 

4.対策

毎年出る整数、図形、微積の問題はやはり今年もしっかり出ています。整数はちょっと大物で、かつ行列が2問もあって調子を狂わされたかもしれませんが、根本を理解し、原則を適用する力があればぶれません。

原則は、数Ⅰ、数Ⅱ、数A、数B まででほとんど出てきます。数Ⅲ、数Cにはそこまでありません。どうしてでしょう?

 

簡単です。 IⅡAB が基礎だからです。原則は、基礎の基礎をしっかり理解することで、適用出来るものなのです。

以上です^^

 

関連する拙著『Principle Piece』シリーズ

数学A Chapter2~確率~ (第2問)

数学A Chapter3~整数~ (第4問)

数学I・A ~原則のみ~

 

数学II Chapter1~式と証明~ (第6問、同次式の原則) 

数学II~原則のみ~

 

数学B・C Chapter1~数列~ (第2問 確率と漸化式の問題は体系的に収録しています) 

 

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