完全マスター(文英堂:シグマベスト)のレベル、使い方(勉強法)は?

   

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文英堂から出ている「シグマベスト」という名前でお馴染みの問題集の中に「完全マスター」という数学の問題集があります。今回はこの参考書について見ていきます。

 

1.完全マスターはどんな本?

完全マスターは、頻繁に話題に上がるような本ではないと思いますが、見た目は以下のような感じの本です。数学のコーナーで見たことがある人もいるかもしれません。

 

 

 

※ランキングは2016年5月31日時点です。

 

真正面からだと割と目立つ配色なのですが、背表紙だと見つかりにくいかもしれませんね。。。

 

2.完全マスターの問題数、レベル、解説は?

完全マスターの基本的なデータについて見ていきます。本参考書のタイプは、「原則習得」および「入試基礎演習」です。

→ 「原則習得」段階と「入試基礎演習」段階を正しく演習することは大事なことです。

 

2.(1) 完全マスターの問題数は?

完全マスターの問題数は以下のようになっています。

  • 数学I+Aの完全マスター・・・例題189題、類題189題、節末章末演習68題(計446題)
  • 数学II+Bの完全マスター・・・例題320題、類題320題、節末章末演習112題(計752題)
  • 数学IIIの完全マスター・・・例題164題、類題164題、節末章末演習81題(計409題)

ほぼ、チャート型の構造をしています。また本書の特徴として、全例題に「頻出度A」「頻出度B」「頻出度C」が付けられており、入試で狙われやすいパターンが分かります。これはレベルとは別です。

 

2.(2) 完全マスターのレベルは?

完全マスターのレベルは、センター試験レベル、中堅大レベル、難関大レベルです。難関大レベルの割合は比較的少ないですが、中堅大レベルであれば網羅していると言えます。

ただし、日常学習レベルのうち基本的なレベル(いわゆる、傍用問題集のAレベル~Bレベル前半)を削っていますので、日常学習で並行使用するのは難しいと思います。

例題は標準例題、発展例題、研究例題の3つに分かれていますが、標準例題からある程度入試頻出パターンが入ってきます。発展例題や研究例題は、頻出度が低めのものもありますが、知っておきたい手法が詰まっています。

節末章末演習も、標準、発展、研究の3段階にレベル付けされているので、こちらもある程度自ら選定して取り組みやすいでしょう。

 

2.(3) 完全マスターの解説の詳しさは?

完全マスターの解説については、チャートほど見栄えが良くありませんが、答案に加えて必要なポイントなどは書かれており、例題の解説はチャートと遜色ないと思います。

ただし、類題、節末章末演習などの解答はチャートに比べると少し淡白かもしれません。

 

3.完全マスターの使い方(勉強法)・購入時期は?

完全マスターの使い方を見る前に、どのような人にオススメなのかを見ておきます。

 

3.(1) 高1・高2のオススメ対象者

記事内画像(master_recommend1)

 

数学が得意な人にはオススメしやすい参考書です。いわゆるワークのAレベル問題は、数学が得意なタイプの人には少々煩わしいので、チャート式よりも効率的に原則を習得し、入試問題に接続できます。

逆に数学が苦手な場合は、基本問題の復習が一緒にできる方がいいかもしれません。ワークと併用できれば大丈夫でしょう。1冊で済ませたい場合は、青チャート黄色チャートの方がいいでしょう。

 

3.(2) 高3・既卒生の場合

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苦手か得意かについて分かれるのは同様です。数学3は高3になってからになるかとは思いますが、数学1A、数学2Bについては、できれば高2生の間に取り組み始めて初めておいたほうがいいでしょう。

 

3.(3) 完全マスターの使い方(勉強法)・購入時期など

原則習得タイプでもある参考書なので、単元をワーク等で学習した直後から取り組めます。従って、1Aは高1から、2Bは高2から持っておいて損はないでしょう。

使い方ですが、チャート型の構造(例題と類題が同ページに1題ずつ)なのですが、以下のような使い方をオススメします。

  • 標準例題全て→標準レベルの類題全て→発展例題全て→発展レベルの類題全て→節末章末の標準レベルと発展レベル→研究レベルへ

「例題全て」→「類題全て」という流れがチャート型構造の一般的な勉強法ですが、本書は発展例題が割と難しいです。言い方を変えると、標準例題レベルで全単元を終了してから取り組むことで、視野を広げられる可能性を秘めた問題です。従って、上記のような進め方をオススメします。

 

4.まとめ~順序よく取り組めばかなり効率的~

シグマベストの数学の問題集、「完全マスター」についてまとめます。

  • 例題、類題のチャート型構造だが、日常学習レベルは削ぎ落とされている。得意な人には効率的である。
  • 全ての例題に3段階に頻出度A,B,Cが付けられている。
  • レベルは3段階に分かれている。レベルに合わせて取り組む順序をうまくハンドリング出来れば、入試基礎演習まで効率よく接続可能。

 

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