数学:重要問題集(数研出版)の難易度・レベルや使い方は?
2022/05/29
数研出版の「重要問題集」は、Iこれまで物理や化学などの科目で非常に重宝されてきた参考書ですが、ようやく数学でも数年前から出版されました。重要問題集の質の高さを考えると、待望の参考書と言えます。
本エントリーでは、そんな「重要問題集:数学」について、難易度(掲載問題のレベル)や勉強法などについて紹介します。
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1.重要問題集 数学はどんな参考書?
数研出版の「探究と演習」は、以下のような参考書です。化学や物理と同じデザインで、緑とオレンジが基調のデザインです。傍用問題集では、「オリジナル」の色あいと似ています。
数学3まで全て収録された理系用と、1A2Bのみが収録された文系用があります。なお、1A2Bの問題は、理系用と文系用ではかなり違います。
理系用の数学は理系の学部から、文系用の数学は、文系の学部(のうち、数学を課している学科)から集められています。従って、農学部・薬学部等、数学3を使用しない理系の学生さんも、100問弱ぐらいムダにはなりますが、理系用をオススメします。
2.問題数、レベル、解説の詳しさなど
重要問題集がどのような参考書であるのかを知るために、基本的なデータを見てみましょう。本書のタイプは、入試標準演習タイプです。
→ 参考書を選ぶ前に、自分がどの段階にいるのか見極めてください。
2.(1) 重要問題集 数学の問題数
重要問題集 数学の問題数は以下のようになっています。
- 1A2B3(理系用)の問題数・・・295題
- 1A2B(文系用)問題数・・・207題
理系用が約300題、文系用が約200題と、入試標準演習タイプとしては充実している問題数です。夏休みなどの下記期間中に集中的に演習するには、最適な量と言えそうです。
2.(2) 重要問題集 数学のレベル
本書のレベルは、中堅大レベルが3割、難関大レベルが6割、超難関大レベルが1割程度です。
問題はA問題、B問題、C問題の3段階に分かれており、そのまま中堅大、難関大、超難関大に対応していると考えても問題ないです。また、「必解」マークもついており、特に重要な問題だけを選別してあります。
2.(3) 重要問題集 数学の解説
「重要問題集 数学」の解説については、普通より少し詳しいという印象です。解答の前には指針があり、式変形にも随所に傍注がありますので、よほど数学が苦手でない限り、解答を読み進めることが可能です。
ただし、別解やそれにまつわる解説などが分だんに掲載されているわけではありません。
3.重要問題集 数学の使い方(勉強法)など
「重要問題集 数学」の使い方の前に、どのような人が使うと効果が上がるのか、オススメ対象を見ていきましょう。
3.(1) オススメ対象
重要問題集 数学のオススメ対象については、下記にあてはまる方です。上に書いてあるほうが優先です。
- 難関大以上の大学志望である。
- チャート式などで原則を7割以上習得済みである。
- 入試基礎レベルを5割以上習得済みである。
- 過去の数学の模試の偏差値が55以上である。
重要問題集は、A問題から入試問題が並びます。従って、日常学習レベルでの基礎事項の確認などは出来ませんので、そのレベルに達している必要があります。
また、重要問題集の多くは、難関大レベルのB問題です。従って、日常学習レベルで一通り終えた程度の段階では、難しすぎて手がつきにくい可能性があります。また、中堅大志望の場合は、このレベルまで行う必要は薄いでしょう。
東大・東工大・京大などの超難関大レベルを目指す人は、本書を終了したのちに、さらに次の段階まで視野に入れましょう。
3.(2) 重要問題集 数学の使い方(勉強法)、購入時期
本書は例題等はなく、ひたすら問題が並ぶ問題集型の構造ですので、基本的には頭から順番に取り組みましょう。
おなじみですが、問題集型の参考書は、奇数番号→偶数番号のように解いていくことで、どの分野もまんべんなく記憶にとどめておくことが可能です。
また志望する大学のレベルに合わせて、A問題の最初の方は多少端折る、C問題はやらないなどの選別をしていってもいいでしょう。
理系用は300題ありますので、全てやるのであれば1日6~7題ぐらいで夏休み中~9月に終了します。超難関大レベル志望の人は、このペースを目指したいところ。文系用なら1日5題です。
難関大レベル志望なら、C問題を端折って11月ぐらいまで食い込んでもOKです。理系用は平均すると1日2.5題ぐらい、文系用は1日2題ぐらいですね。
4.まとめ~満を持しての発刊。こちらも満を持して臨む~
重要問題集 数学について、まとめておきます。
- 他の科目でおなじみであったが、数年前にようやく数学でも発刊された待望の1冊。
- 期待を裏切らない量と質で、中堅大~難関大の重要問題を300題収録。
- 解説はチャートぐらいで、ある程度の注釈はついているので、独学可能。
- 難関大であれば本書から過去問へ、超難関大は次へのステップに使用。