関西学院大学 全学日程(2/1)理系 |2019年大学入試数学
2019/02/06
●2019年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は関西学院大学(理系、2月1日実施)です。
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。
2月に入り、本格的に2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。2019年 大学入試数学の評価を書いていきます。
2019年大学入試(私大)シリーズ
関西学院大学(全学日程理系:2/1)です。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。
したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。
関西学院大学(全学部日程:理系)(2月1日実施)
(試験時間90分、4問、ハイブリッド型)
※ハイブリッド型・・・記述式と穴埋め式が混合しているもの。
1.全体総評~第一問で量が減少し、微易化~
2016年から増加傾向にありましたが、今年は歯止めがかかったように思います。第1問の(1)はかなり量が減りました。第2問の最後のように時間がかかる箇所に引っ張られなければ、昨年より点数に結びつきやすいかと思います。
試験時間90分に対し、解答時間は98分【76分】(←穴埋め考慮)
2018年 解答時間は101分【78分】(←穴埋め考慮)
2017年 解答時間は95分【69分】(←穴埋め考慮)
2016年 解答時間は89分【61分】(←穴埋め考慮)
2015年 解答時間は92分【63分】(←穴埋め考慮)
2.合格ライン~70%ないと不安は残る~
第1問は小問なので基本が多い。8個は欲しい。25点ぐらい。
第2問はキー問題。内積が出せないと厳しい。内積が出せれば最後以外はなんとかなるか。「キ」までは欲しい。
第3問は完全順列なのでキー問題。知っているか知らないかで時間も点数も大きく違うでしょう。
第4問はマラソン。(3)まではゆっくり出せば正解出来るはず。第2問、第3問でふるわなかったら、ここで最後まで合わせるしかないです。
第3問が出来ればかなり気がラク。出来なかった人は、残り満点ぐらいのつもりで行きたい。70%弱ぐらいでしょうか。
3.各問の難易度
第1問(1)・・・【複素数平面】極形式、n乗計算(A、5分【3分】、Lv1)
今年はこの(1)の量が減りました。複素数平面の基本的な計算です。落ち着いて計算するだけですね。ここは取りたい。
第1問(2)・・・【式と証明】分数式の恒等式(A、5分【3分】、Lv.1)
なぜか頻出の、分数式の恒等式です^^; また出ました。今年は昨年の変な恒等式ではありませんので、楽勝でしょう。
左辺を通分するだけです。係数大き目ですが、不安なら検算してみましょう。
第1問(3)・・・【極限】関数の極限、根号式の極限(A、7分【5分】、Lv.1)
極限の教科書レベルの問題。
前半は3,1のような数値と、xのn乗のどちらがメインになるかです。|x|が1より大きいかどうかで決まりますね。
きます。
後半も典型的な問題、分子の有理化をし、「●+■」が分母に来るようにすれば極限を取れます。(Principle Piece III-4、数III 極限 p.9)
「√n は0.5次」などと考えつつ、分母の最高次数で割っていきましょう。(Principle Piece III-3、数III 極限 p.9)
※KATSUYAの解答時間は計3分です。
☆第2問・・・【ベクトル】正五角形と内積、式の値、面積(BC、25分【18分】、Lv.2)
今年は平面ベクトルで、正五角形です。18°系が絡むことは容易に想像がつきますが、演習ずみであることを期待したいですね。
前半のポイントは「イ」でしょうか。ABEは3辺が1,1、xとなっています。ここから内積を出すなら、余弦定理を持ち出すのが最も単純明快ですよね^^ (Principle Piece B-37、数B ベクトルp.36-38)
これができれば、「キ」まで出来るはずです。3次方程式は因数定理でいきます。「オ」は頑張って2乗、「カ」はx^3=2x+1で次数下げできます。 「キ」は、x+2=√5x と気づけば、「カ」の5√5倍と分かります。気づかなくても、頑張って計算しましょう。
最後は108°の計算です。cos108°は内積そのものですので、x^2を代入しましょう。相互関係で「ケ」も出ます。
「コ」は経験がないと難しいと思います。ABEとBCDとBDEに切り、BDEはBD・BEsin72°と考えると(x+2)^3が使えますが、普通は中心から5つに切って考えますよね^^;
5つに切るとなると、外接円の半径が絡みます。cos36°、sin36°などが分数に出てくるので、式変形がかなりメンドウになります。ただ、(x+2)^3を思いつくのも難しいので、メンドウさはトントンだと思いますね。
※KATSUYAの解答時間は9分です。1辺が1の五角形の面積は知っていたため、計算していません。
第3問・・・【場合の数・確率】完全順列(B、25分【16分】、Lv.2)
完全順列です。知っている人は「ケ」ぐらいまではほぼ暗記レベル、知らない人は(3)あたりから心が折れていくでしょう。時間的にも点数的にも、非常に差が付くと思います。関関同立では毎年のようにどこかで見かけます。本サイトの入試カテゴリーをご覧になっている方には、演習済みを期待したいですね。
ここで詳しくは述べませんが、黄、青チャートなどにしっかり載っていますので、かならず確認をしておきましょう。
問題(3)では、N4=1,2,3の3通りです。 N4=3のときが例になっています。
N4=3,N3=4だど、N1,N2だけの世界になりますので、Y2=1通りです。
N4=3,N3≠4 だど、N1≠1、N2≠2、N3≠4 になります。数字こそ違いますが、N1,N2,N3の各々に対し、「NGなものが1つある」ことが完全順列の本質です。従って、Y3と同じです。
A君、B君、C君、D君にリンゴ、なし、ぶどう、みかん を配る。
A君:リンゴ嫌い、B君:なし嫌い、C君:ぶどう嫌い D君:みかん嫌い
全員に嫌いなものが渡らないようにする方法は?
と聞いているのと同じです。数値は関係ありません。
最後の「コ」は、1つだけ一致なので、一致するものの選び方7通り。残り6つの完全順列(Y6)です。Y6は「ケ」を利用して順番に出しましょう。
※KATSUYAの解答時間は5分です。知っていると殆ど時間は不要ですね。
第4問・・・【微積分総合】極値、変曲点、接線、面積、体積(AB、30分、Lv.2)
最後は昨年同様に微積分総合で、関数も単純なものですが、いろいろ聞かれます。いつも通りの4番です。
(1)は微分計算。第二次導関数まで求めましょう。前後で符号関わることを記述すれば、増減凹凸表は書かなくでもOK。
(2)は接線。曲線外から接するので、まず接点をおくのでしたね^^(ULTIMATE Principle Piece-10)
「通る」という条件は弱いので、最後にx、yに代入する際にしか使えません。まず式を作らないと、です。
(3)は(4)の計算をするための誘導です。第2項目は第3項目のための計算です。ここら辺の誘導は丁寧ですが、イモヅル式にミスをするので、ここは慎重にやりましょう。
第2項、第3項は部分積分になります。対数と整式の場合は、先に整式を積分しましょう。(Principle Piece III-45、
数III 積分法 p9)
(4)は面積、体積です。ともに、直線部分を0~√eまで積分、曲線部分1~√eまで積分し、差を取るのがいいでしょう。こんな単純な関数でも、体積になると2乗になりますので、(3)のような計算を強いられます。回転体の体積の時にはしっかりと時間を取って取り組むようにしましょう。
KATSUYAの解答時間は15分です。最後の体積計算は結果が「負」なのでは?と一瞬疑い、確認しましたね^^;実際、かなり小さいです。
4.対策~IIB・IIIから出やすいトレンドは継続中~
③番の確率(数A)はほぼ固定と言えますが、IIB、IIIからの出題がかなり多め。まずは数Bの演習(ベクトル、数列が両方ある年もあります)は必須。
IIの分野は今年はあまり出ませんでしたが、小問で結構出ますので、怠らないようにしましょう。チャート式(黄色でOK)に加え、同じぐらいのレベルの入試問題集(関関同立過去問など)をたくさん演習しておくと万全でしょう^^
Ⅲは典型タイプが多いので、教科書だけでなく、黄色チャートの例題はマスターしつつ、有名なものは繰り返して結果(今年のグラフなどは典型的です)もある程度頭に残しましょう^^(覚えることが優先ではありません。)
量をこなす演習:じっくり演習=8:2ぐらいでOKです。
以上です^^
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(もしくは、本サイト右側のカテゴリーよりどうぞ^^)
■関連する拙著シリーズ■
★ 数学B ベクトル (第2問)
★ 数学II 三角関数 (第2問)
★ 数学II 式と証明 (第1問(2))
★ 数学A 確率 (第3問)
★ 数学A 集合と場合の数 (第3問)
★ 数学III 微分法の応用 (第4問)
★ 数学III 積分法 (第4問)
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★ 計算0.9(計算練習帳です^^)