大阪大学 文系 | 2017年大学入試数学
2018/02/23
●2017年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は大阪大学(文系)です。
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2017年 大学入試数学の評価を書いていきます。
入試シーズン中は、コメントの返信が大幅に遅れることがあります。ご了承ください。
2017年大学入試(国公立)シリーズ。
大阪大学(文系)です。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。
したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。
大阪大学(文系)
(試験時間90分、3問、記述式)
1.全体総評~単問パターン問題が並び、大幅易化~
易化です。どの問題も典型パターンにほぼ当てはめることができ、計算量も少なく余裕のあるセットのため、数学では差がつかないと思われます。出題は微積、2次関数、数列でした。阪大は文理ともに良問が続いているだけに、今年の文系セットは少し期待はずれです。
試験時間90分に対し、
標準回答時間は50分。さすがにちょっと少なすぎる気もします。
2016年:70分
2015年:80分
2014年:65分
2013年:70分
2012年:90分
2011年:85分
2010年:85分
2.合格ライン
どの問題も取れます。いかにミスせずにクリアできるかにかかっています。70%取れても、数学ではギリギリのレベルです。
3.各問の難易度
第1問・・・【積分法】放物線とx軸で囲まれた部分の面積(AB,10分、Lv.1)
理系第4問の(3)をそのまま大問に持ってきた感じです。いくらなんでも、小問の1つをそのまま大問にするとは、少し簡単にしすぎな印象。
囲まれている部分も、原則をそのまま用いればよく、ちょっと手応えを感じません。
(拙著シリーズ(白) 数学II 積分法 p.29)
頂点のy座標がqということなので、まず平方完成したことで「c」は消せます。その後、解の差をとれば「b」も消えますので、「q」だけの式になります。
※KATSUYAの解いた感想
いや、これはさすがに簡単すぎるのでは^^; 理系の小問そのまま大問にしたのか。解答時間2分。
第2問・・・【2次関数&微分法】条件付き2次関数、3次関数の最大・最小(B、20分、Lv.2)
x、y、zに関する条件式から、(1)は最小値(計算すると2次式に)、(2)は最大値(3次式)を求める問題です。融合というよりは、独立に2つあるだけです。
(1)、(2)ともに共通して言える原則です。
第1問に続いて2次関数です。同じ分野を2題連続で出すとは、阪大にしてはめずらしいですね^^; こちらは先ほどとは違って、絶対値付き2次関数ですが、定数分離して視覚化という典型パターンですので、先ほどより解きやすいです。
文字が3つあって、条件式が2つあるので、1文字まで減らせます。(2)でz≧0のとき、とありますので、x、yをzで表す方針で(1)も(2)も解けばすんなりいきそうですね。
(1)は2次関数になりますので、ただの平方完成です。(2)は3次関数なので微分です。最大値を取るzの候補は2つあります。1つは汚いですが、計算は不要。微分する前の因数分解された式を見れば、各項が正か負かだけで、0より大きいか小さいか分かります。
要領の良さで時間に差はでそうですが、本セットは余裕がありますので、別に計算しても時間足ります。
※KATSUYAの解いた感想
これまた典型問題。(2)でz≧0があるから、zだけにするかな。(1)は2次関数か。(2)は3次関数で微分。やっぱ極値は汚いのね。0より大きいかどうかさえ分かればいいから、因数分解された方をみて終了。解答時間10分。
第3問・・・【数列】漸化式(log型)、指数不等式(B、20分、Lv.2)
最後まで典型問題です。logを取るパターンの漸化式です。誘導もありますし、(1)と(2)は余裕です。誘導がなくても出来るようにしたいですね。
(拙著シリーズ(白) 数学B 数列 p.48-49)
(3)もlogをとりましょう。bnのΣ計算になります。(4)は指数の評価が必要で、少し骨があるでしょうか。与えられてはいませんが、だいたい2の常用対数が0.301であることを記憶しておくと、10の100乗はおおよそ2の330乗ぐらいだと分かりますので、指数部分が330を超えるのがいつかを調査すればOK。
n=6のときは指数部分が234となります。おおよその値よりかなり小さいので、まともにやる必要はないはずです。2^234=8^78<10^78 で十分ですね^^
n=7のときは487となります。こんどはかなり大きいはずですので、こちらもざっくり評価しましょう。2^487>2^480>1024^48>1000^48=10^144 とかでいいですね。
2^10=1024≒10^3 もよく使いますので、知っておきましょう。
※KATSUYAの解いた感想
漸化式。log型ね。誘導もあるしこれも取れてしまいそうやな。最後までパターン問題か。最後だけ骨があったかな。ざっくり評価は理系の方が得意やからここだけ差がつくかも。解答時間8分。
4.対策
確率、微積、図形の3問という印象ですが、複数分野にまたがった問題になりやすいので、まんべんなく学習しておいたほうがいいと思います。今年は確率のところに数列でした。
変な難問は出ませんので、原則を習得し、入試基礎レベルで全分野を一通りさらった後は文系数学としての入試標準レベルまで演習をしておけば、過去問へ接続できるでしょう。
量をこなす演習:じっくり演習=9:1ぐらいでしょう。
以上です^^
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■関連する拙著シリーズ■
★ 数学Ⅰ 2次関数 (第2問)
★ 数学II 微分 (第2問)
★ 数学II 積分 (第1問)
★ 数学B 数列 (第3問)
3問しかないのに、7分野にまたがってますね。
★ 計算0.9【IAIIB】 (計算練習帳です^^)