早稲田大学 人間科学部(文系) | 2017年大学入試数学
2017/06/25
●2017年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は早稲田大学(人間科学部A:文系)です。
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2017年 大学入試数学の評価を書いていきます。
入試シーズン中はコメントの返信が大幅に遅れることがあります。ご了承ください。
2017年大学入試(私大)シリーズ。
早稲田大学(人間科学部A:文系)です。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。
したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。
早稲田大学(人間科学部A:文系)
(試験時間60分、5問、穴埋め型)
1.全体総評~微易化。文理共通の方が簡単~
難易度は、昨年より易化。文系専用問題はいつもより時間がかからず、全体にわたって典型問題なので、時間的にも普段より厳しくないです。
試験時間60分に対し、
標準回答時間は83分【53分】(←穴埋め考慮)
2016年:99分【63分】 2015年:107分【67分】
2.合格ライン
第1問は両方落とせず、第2問も典型的で、第4問も調べればすぐに分かります。
第3問、第5問がキー問題。第3問はベクトルの条件を式にして、図形分野か三角にもっていけるか。第5問の図形も差がつきそう。
今年は時間もあるので、数学では4完欲しいところです。
3.各問の難易度
第1問(1)[共]・・・【確率】条件付き確率(B、12分【8分】、Lv.1)
条件付き確率に関する問題ですが、あまり式を使う問題ではありませんが、見た目よりは考えさせられます。組み合わせが決まった時点で硬貨を投げないというところがポイントです。
BはAと同じ色が出ればそれで終了なので、1/2の確率でAと同じになります。残り1/2をC,Dで分け合いますから、AとBが同じ組みになる確率が最も高いです。
☆第1問(2)[共]・・・【常用対数】桁数、最高位の数(AB、10分【6分】、Lv.2)
桁数と最高位を求める問題で、超典型パターンです。桁数は教科書レベル、最高位も本学受験者なら落とせません。
(拙著シリーズ(白) 数学II 指数関数・対数関数 p.26-27)
1ケタの常用対数はある程度覚えておくと、本問は常用対数58.805を見た瞬間に両方分かりますね。
※KATSUYAの解いた感想
桁数と最高位ね。7の常用対数書いてあるってことは最高位は6か7やな。計算して6なのでミスなしと見て終了。解答時間計1分。
☆第2問[共]・・・【微分法】2曲線が接する条件(AB、13分【9分】、Lv.2)
2曲線が接するように定数aの値を定める問題で、典型問題です。こちらの原則をそのまま用いることが出来ます。
式が2つ立ちますので、aの他にもう一つ置けます。もちろん接点ですね^^
式を立てれば、f'(t)=g'(t)の方にはaが入りません。ここでtが出せますので、aも出ます。
※KATSUYAの解いた感想
これも典型問題やな。人科ってこんな簡単やったっけ?解答時間3分。
☆第3問[共]・・・【ベクトル】内積の最大値(B、15分【10分】、Lv.2)
平面ベクトルの問題ですが、気づけばこちらも典型パターンとして解くことができます。。内積の条件から、PはABを直径とする円周上にあります。円周上の点はsin、cosでおけますので、これで三角関数の問題に帰着できることに気づけば、こちらの勝ちですね。
求める式はsin、cosの1次式なので合成です。
(拙著シリーズ(白) 数学II 三角関数 p.44-45)
※KATSUYAの解いた感想
条件式は、Pが円周上ってことやな。求める式は、x、yの1次か。じゃあsin、cosでおいて合成がはやいかな。図形との共有点条件でもいけそうやけど、、、合成でいくか。解答時間3分。
第4問[文]・・・【数列+整数】周期数列、数列の項(AB、15分【8分】、Lv.2)
文系専用問題。数列ですが、余りが絡んでいるので、少し整数的な要素も入ります。{an}が周期3、{bn}が周期4の数列なので、{an+bn+6}という数列を考えれば、それが周期12になることに気づけば簡単です。
答案で書くとなると、12k+1のとき、、、などと各必要がありますのでかなりメンドウですが、答だけなので周期を発見してどんどん調べればOKです。{cn}は12個のうち2個目と7個目ですね。
(拙著シリーズ(白) 数学A 整数 p.72)
本問は漸化式ではありませんが、余りが絡む数列はいくつか(20~30個ぐらいまでは)書いてみるということが大事です。
※KATSUYAの解いた感想
周期3と周期4。足して4になるところか。12個書いた方が早いな。2個目と7個目を出してあとは計算。解答時間3分。
第5問[文]・・・【三角関数】図形と三角関数(B、18分【12分】、Lv.2)
正方形を2つ重ねたときの面積から、回転角を求める問題です。
重なっている様子が想像できて、図に描くことができればそんなに難しくはないと思います。2つが直角のタコ型なので、2つに分けて片方が1/3とやれば、tan(π/4-θ/2)=2/3 と出ます。ここから、tanθ/2を出せますので、sinθも出せますね^^
※KATSUYAの解いた感想
今年は積分計算なかったな。とりあえず図を書いてみる。対称やから片方の直角三角形の式を出す。角度はθで表せる。長さは?あ、1つは長さ「1」やから面積も表せるな。tanθ/2を出し、sinθまで持って行って終了。解答時間4分。
4.対策
内容的には、1歩進んだ典型パターンが多めです。青チャートのコンパス3~5ぐらいがそのまま出る感じ。制限時間との勝負になりますので、今年であれば数列の周期発見など、穴埋めならではの飛ばし方も練習しましょう。
今年は積分が出ませんでしたが、文系はIIの微積がほぼ必須で、その他は三角、数列、ベクトル、確率あたりがよく出ます。
量をこなす演習:じっくり演習=10:0でOK。入試基礎演習レベルまでやれば、過去問はなんとか手がつきます。安定させたければ入試標準演習までやりましょう。
以上です^^
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■関連する拙著シリーズ■
★ 数学A 確率 (第1問(1))
★ 数学II 三角関数 (第5問)
★ 数学II 微分 (第2問)
★ 数学B ベクトル (第3問)
★ 数学B 数列 (第4問)