早稲田大学 人間科学部(文系) | 2016年大学入試数学

      2017/02/12

●2016年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は早稲田大学(人間科学部A:文系)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2016年 大学入試数学の評価を書いていきます。


2016年大学入試(私大)シリーズ。

早稲田大学(人間科学部A:文系)です。





問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。

また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。


同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。




 

早稲田大学(人間科学部A:文系)
(試験時間60分、5問、穴埋め型)

 

1.全体総評~微易化。文理共通の方が簡単~

難易度は、昨年より微易化。文系だけの問題は理系だけの問題より時間がかかる傾向は継続中^^; ですが、普段より典型問題が多く、点が取りやすそうです。


試験時間60分に対し、
標準回答時間は99分【63分】(←穴埋め考慮)
2015年:107分【67分】

 

2.合格ライン

第1問(1)は落とせません。(2)はキー問題。
題4問の微積も取れる。
第2問、第3問、第5問がキー問題。このうち2完できれば、60%を超えて数学は合格です^^




3.各問の難易度

第1問(1)[共]・・・【場合の数】重複組み合わせ(A、5分【2分】、Lv.1)

今年の場合の数はかなり簡単です。重複組み合わせは○と仕切りの組み合わせで対応を考えましょう。

Principle Piece A-18

重複組み合わせは○と仕切りで考える

(拙著シリーズ(白) 数学A 集合と場合の数 p.42-44)


○3つ、仕切り4つです。選ぶ個数が○の個数になります^^

☆第1問(2)[共]・・・【確率】条件付き確率(B、12分【7分】、Lv.1)

確率は新課程の条件付き確率から。割と差の出そうなタイプで、こちら良問です^^

本問では、分母が「Cからメガネを取る確率」、分子が、「CからAのメガネを取る確率」となります。分母を計算する際に行う場合分けの途中で分子が出ていることが多いのですが、今回はA,B両方からメガネを取り出している場合に、分子と分母で値が変わります。少しひねってきましたね。

 

Principle Piece A-38

条件付き確率は分母・分子を確率で求める

(拙著シリーズ(白) 数学A 確率 p.32、数式省略)

 

※KATSUYAの解いた感想
1番はだいたいこの分野。(1)は原則で瞬殺。(2)は、、ベイズタイプか。あ、でも分子ちょっと変わるから、意外と差がつきそう。解答時間計3分。

☆第2問[共]・・・【ベクトル+三角関数】内積、等差数列、三角方程式(B、20分【13分】、Lv.2)

ベクトルと三角関数をシンプルかつうまく絡めた問題です。図形を欠かずとも数式だけで押せますが、考えることがめまぐるしく変わるので、簡単ではなかったと思います。

最初はいいでしょう。内積が加法定理の形ですから、A+B=2Cとわかります。後半はどの条件から何が出せるかを判断します。最初の角度の情報と、等差中項の情報でsinA+sin(120°-A)=√3 とでます。加法定理で展開すれば、合成の形だとわかります。

Principle Piece II-64

合成が出来るのは「1次」「sin、cosがある」「角度が同じ」

(拙著シリーズ(白) 数学II 三角関数 p.43-44)

正三角形と分かれば、あとはわかります。

※KATSUYAの解いた感想
最初は加法定理で瞬殺。後半は条件を一気に読み、何から手をつけるか迷う。とりあえず等差中項の式立てて、、、(1)からB消去するとAだけの三角方程式。あ、ここでA,Bは確定。なんだ正三角形か。たしかに等差数列やけども^^; ベクトルはCA,CBとして終了。解答時間6分。

 

 

☆第3問[共]・・・【微積総合】接線、法線、面積の最小値(B、20分【13分】、Lv.2)

超お決まりのタイプの微積問題です。x=tにおける法線との交点は、解の1つが「x=t」であることを利用して因数分解しましょう。経験のない人は必ず演習です!!

(2)の面積の方が簡単で、放物線で法線、面積絡みで来たときは、相加・相乗の利用が濃厚です。覚えるというより、たくさん問題を解いて自然と流れが予想出来ることが大事ですね^^

また、接線L,Nの交点のx座標は、接点どうしの中点になります。これで軌跡も割とすぐに出せますね^^

穴埋めであれば、こういった事実はどんどん利用しましょう。

Principle Piece II-116

放物線と2接線の特徴をおさえよ

(拙著シリーズ(白) 数学II 積分 p.34-37、図は省略)


※KATSUYAの解いた感想
お、これは超典型問題。原則に従って止まることなく終了。解答時間6分。

第4問[文]・・・【積分】絶対値付き積分関数、面積(B、20分【13分】、Lv.2)

ここからは文系だけの問題ですが、また積分です^^; 若干芸がない気がしますが、やることは全然違います。典型問題すぎるので、原則によって一瞬で解決できてしまいますが^^;

Principle Piece II-106

絶対値付き積分 → 中身=0と積分区間を比較せよ

(拙著シリーズ(白) 数学II 積分 p.10-11)

中身=0となるt=2と、積分区間xとの比較となります。場合わけ出来ればグラフも書けますし、面積も楽勝ですね^^

※KATSUYAの解いた感想
こちらも典型。また積分かい^^; コツコツ計算して終了。解答時間5分。

 

 

第5問[文]・・・【空間ベクトル】点から直線への垂線、距離計算(B、22分【15分】、Lv.2)

こちらも標準的な空間ベクトルの問題。文字p、q、rとあるので少し文系の人にはメンドウに感じる文字計算を強いられそうです。文字が入っても、求めるものは「空間上での点から直線への垂線の足」です。原則は変わりません。

 

Principle Piece B-55

点から直線に下ろした垂線
[1] 直線にあるのでパターメータt
[2] 垂直で内積0→tに関する方程式

(拙著シリーズ(白) 数学B 平面ベクトル p.79-80)


直線上の点ですが、原点を通るので「t」倍だけですみ、割と楽です^^p^2+q^2+r^2=1であることを強く意識しないと、展開してしまうかもしれないので、要注意。

(2)は一定値であることはわかっていますので、穴埋めであれば(p、q、r)=(1、0、0)などを入れて計算するのが最も速いでしょう。

※KATSUYAの解いた感想
またベクトル。何か今年は分野偏ってないか^^; 垂線は原則に従う、長さはp、q、r、の文字式で嫌な予感がしたが、p^2;q^2+r^2でくくれて一安心^^(2)は特殊値入れて終了。解答時間6分。

 

4.対策

内容的には、1歩進んだ典型パターンが多めです。青チャートのコンパス4~5ぐらいが解けるようにしておけば大丈夫でしょう。制限時間との勝負になります。穴埋めならではの飛ばし方も練習しましょう。

文系はIIの微積がほぼ必須で、図形と式の知識を絡めた図形問題が割と多めですので、重点的に練習しましょう。IAは相対的に出にくいですが、確率は必ずです。

量をこなす演習:じっくり演習=10:0でOK。入試基礎演習レベルまでやれば、過去問はなんとか手がつきます。安定させたければ入試標準演習までやりましょう。

 

以上です^^

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■関連する拙著シリーズ■


★ 数学A 集合と場合の数 (第1問(1))

★ 数学A 確率 (第1問(2))

★ 数学II 三角関数 (第2問)

★ 数学II 微分 (第3問)

★ 数学II 積分 (第3問、第4問)

★  数学B ベクトル (第2問、第5問)

 

 

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