立教大学 文系数学(2/6) 講評|2022年度大学入試数学

   

●MARCHの数学シリーズです。今回は立教大学・文系(2月6日)(2022年)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。今年度はMARCHシリーズを追加していこうと思います。

MARCHレベルの大学入試は基礎的な原則を習得する上で非常に良く、それでいて適度にひねられているため入試基礎演習としても適切です。原則習得+入試基礎演習を兼ねた問題の講評を行っていきたいと思います。


MARCHシリーズ

立教大学(文系・2/6)です。

問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。





知らなかった場合は、言葉を覚えるだけでなく、必ず教科書や問題集等で該当する類題を数題見つけ、演習することで定着させてください。自分で探して自分で解く。これが一番身に付きます。

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立教大学(文系・2/6)
(60分、3問、ハイブリッド型)

※ハイブリッド型・・・穴埋め型と記述式の混合

1.全体傾向~いかにミスせずに高得点を取れるか~

大問3問構成で、第1問は小問集合、第2問と第3問は記述です。全体的に入試基礎レベルで誘導も丁寧です。その分、少し問題数は多めで、時間内にいかにミスせずに高得点を取れるかがカギになります。

小問集合で方針が立たずにぐだってしまうと、あっという間に時間を持っていかれる可能性もあるので、油断はできないセットです。

解答時間は74分【60分】(←穴埋め考慮)

 

2.各問の難易度

本文にある緑字(この色)は、大学入試数学を解く上で必要な原則を表しています。

第1問(1)…【数と式】式の値(A、4分【2分】、Lv.1)

対称式に関する条件式を用いて値を計算します。

条件式が2つとも対称式です。対称式は和と積を出しておくのが原則。求める値|x-y|は2乗すれば対称式となりますね。

 

拙著シリーズの数学の参考書 Principle Piece 数学I 数と式をお持ちの方は、p.37~p.41で原則などを復習しておきましょう。

 

 

第1問(2)…【数と式】絶対値付き方程式(AB、6分【4分】、Lv.1)

絶対値付き方程式の解を求める問題。絶対値が2つついているので、落ち着いて外しましょう。

絶対値が式全体についているので、外の絶対値ははずしてx-|x-2|=±1として解くのがラクだったと思います。

あとは絶対値の中身=0で場合分けです。x>2のときは左辺は2で一定になり、不適だと分かるのでその分ラクです。

 

拙著シリーズの数学の参考書 Principle Piece 数学I 数と式をお持ちの方は、p.46~p.48、p.59~p.61で原則などを復習しておきましょう。

 

 

☆第1問(3)…【複素数と方程式】整式で割った余り(AB、6分【4分】、Lv.2)

3次式を2次式で割った余りに関する問題。パターンからは少しひねられていますが、実際に割ってみれば商もあまりも比較的簡単に出ます。

余りに関する問題では、A=BQ+Rの形で書くことが原則。今回は割られる式が具体的に与えられていますので、実際に割り算しようという発想に行きついてほしいところ。

割ると商は決まりますし、余りも簡単に出ますので、それがx-1かx-2になればOKですね。

 

 

☆第1問(4)…【確率】表が連続して出ない確率(B、9分【6分】、Lv.2)

5回硬貨を投げて、表が連続しない確率を求めます。当てはまる場合をコツコツ調査する力が求められます。

表が0回、1回の場合は連続しないので簡単に1通り、5通りと分かりますし、4回、5回の場合はダメです。3回の場合は交互に出るしかありません。

あとは2回のときです。表2回、裏3回で10通りしか並べ替えがないので、全部書き出して調べてもいいでしょう。あるいは隣り合わないと言い換えられれば、裏の間に表を入れると考える原則が使えますね。

全部32通りなので、よく分からなければサイアク全部書き出す、という気持ちも常にもっておきたいところです。

 

第1問(5)…【数列】群数列の項(AB、9分【6分】、Lv.1)

典型的な群数列のパターン問題です。m群の初項と、2022項目を出す問題。

m群の初項はm-1群までは満タンでその1個あと、と考えます。あとは、k群に何個入っているかをkで表し、Σ計算をしましょう。奇数の和は(個数)^2という平方数になることを知っていると計算もほぼ不要でしょう。

「オ」は(m-1)個の奇数を足して(m-1)^2、その次の項なので+1でOK。「カ」は2022項目が第何群の項か分かればOK。年号がらみで、2025=45^2は意識しておいた方がいいです。しばらく使えます。45群の終わりまで足せば2025、その3個手前なら45ですね。

 

第1問(6)…【データ分析】平均と分散、データの個数(A、5分【3分】、Lv.1)

データ分析からで、総和と2乗和などの情報から、データの個数を求める問題。

分散は「平均との差の2乗の平均」と、「2乗の平均-平均の2乗」の両方の公式を覚えていたかどうかがすべてです。データは学習がおろそかになりがちなので、意外と差がついたかもですね。

26/n-(4/n)^2=3なので、nに関する2次方程式を解けばOK。

 

出来れば全部取りたいところです。最低でも8問中6問を確実にとりたいところ。

 

 

第2問…【平面ベクトル+式と証明】三角形、内積、垂直条件など(AB、15分、Lv.1)

三角形を題材にした、基本的な平面ベクトルです。途中で相加・相乗平均を利用します。小問によってかなり刻まれており、やることは一本道です。いかにミスらずに最後まで行けるかですね。

最初は指定されているベクトルはOが始点ですので、始点をOに合わせて後ろから前を引けばOK。

(2)以降は内積AN・BMの計算結果を利用しますので、(2)の計算は慎重に行いましょう。ここでミスると全滅です。平面ベクトルでは、2つの基本ベクトルの長さと内積が分かっていればなんでも出せると思っておきましょう。今回はなす角も与えられており、分かりやすいです。

(3)(4)は(2)の結果=0です。2次式/1次式となります。2次式/1次式の形は相加・相乗平均の関係の利用でしたね。今回は分母も単項式ですし、見抜きやすかったのではないかと。なお、最小値を聞いているので、必ず等号成立を確認しましょう。

(5)はθが鋭角なら0<cosθ<1なので、(3)の式が0~1にあればOKですね。

 

 

相加相乗が思い浮かばないと(4)が出来ないですが、他は出来るので最低5問中4問欲しいです。

 

 

☆第3問…【微積分総合】放物線の法線、円、面積(B、20分、Lv.2)

放物線を題材とした微積分総合問題です。法線や円などを求めさせて、最後に囲まれる部分の面積を出します。

(1)は接線の傾きを出して、それに垂直な線の傾きを出すだけです。

(2)は(1)でy=0としましょう。

(3)はQが中心で法線に接するということなので、点Qが中心で、点Pで接する円ということです。したがって半径はPQとなりますね。

(4)は面積。積分は0~√3/2の範囲だけ使って、あとは三角形としてみた方が早いと思います。

(5)はさらに円が絡みます。円弧が絡む部分は積分で出すのは(文系の範囲では)無理なので、かならず中心と交点(接点)を結んで、おうぎ形を見つけて計算しましょう。今回は非常に分かりやすいおうぎ形がありますね。中心角も、傾きから30°とすぐにわかります。(4)の答えからおうぎ形を引けば終了です。

 

 

 

順番に、丁寧にやれば最後まで行けるはず。あとは時間との兼ね合い。最低でも(3)まで、出来れば(4)まで。

 

3.対策~入試基礎レベルをとにかく正確に、そして素早く~

出題範囲は小問集合がまんべんなく、第2問と第3問はIIBからという印象です。チャート式(黄色で大丈夫です)のような網羅的問題集をこなしておき、入試基礎レベルの問題を多くこなしておきたいです。大学への数学の「入試数学の基礎徹底」などはレベル的にあっていると思います。

時間的には忙しいことと、問題の難易度からして高得点での勝負になると思われますので、答えを出すことを優先するモード(穴埋めモード)で素早く計算する練習もしておきたいですね。

 

量をこなす演習:じっくり演習=8:2ぐらいでOKです。うまく融合されている問題が多いので、過去問演習が大事。

以上です^^

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