関西学院大学 全学日程(2/1)理系 講評|2022年度大学入試数学
2022/12/18
●2022年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は関西学院大学(理系、2月1日実施)です。
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。
2月に入り、本格的に2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2022年 大学入試数学の評価を書いていきます。
2022年大学入試(私大)シリーズ
関西学院大学(全学日程理系:2/1)です。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。
したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。
本文にある緑字(この色)は、数学を受験する上で必要な原則を表しています。知らなかった場合は、言葉を覚えるだけでなく、必ず教科書や問題集等で該当する類題を数題見つけ、演習することで定着させてください。自分で探して自分で解く。これが一番身に付きます。
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関西学院大学(全学部日程:理系)(2月1日実施)
(試験時間90分、4問、ハイブリッド型)
※ハイブリッド型・・・記述式と穴埋め式が混合しているもの。
1.全体総評~こまごまとした計算が多いが、易化~
昨年に比べると少な目で、ラクな問題が多いかなという印象ですが、ミスをしやすいタイプの計算が随所にみられるので、メンドウに感じたかもしれません。分野的には第1問が小問10個、第2問が数列、第3問が確率、第4問はいつも通りの微積分総合です。第4問も普段に比べるとラク。
試験時間90分に対し、解答時間は98分【73分】(←穴埋め考慮)
2021年 解答時間は104分【83分】(←穴埋め考慮)
2020年 解答時間は97分【75分】(←穴埋め考慮)
2019年 解答時間は98分【76分】(←穴埋め考慮)
2018年 解答時間は101分【78分】(←穴埋め考慮)
2017年 解答時間は95分【69分】(←穴埋め考慮)
2016年 解答時間は89分【61分】(←穴埋め考慮)
2015年 解答時間は92分【63分】(←穴埋め考慮)
2.合格ライン~70%でも危うい~
第1問の小問は落とせない。8問以上は欲しい。
第2問の数列もかなり典型的で落とせない。こちらも8問以上は欲しいか。
第3問の確率はキー問題。最後の小問でどこまで取れるか。
第4問の微積分総合もキー問題。決して難しいわけではないが、(1)~(3)がかっちり合わないと、(4)に行けませんので、慎重にやりたい。
どれも大きくは落とせない難易度なので、今年は結構合格ラインが高そうですね。
3.各問の難易度
第1問(1)・・・【平面ベクトル】長さ、内積、最小値(AB、7分【5分】、Lv.1)
2年連続でここは平面ベクトルからの出題。条件式は長ったらしいベクトルの絶対値なので、2乗しましょう。
a→・b→(内積)と|b→|の連立と分かります。|a+tb|の最小値も、ワークにあるレベルで典型問題です。こちらも2乗しましょう。
第1問(2)・・・【整数】約数の和(A、5分【3分】、Lv.1)
整数からで、2022の約数の問題。年号がらみは素因数分解を覚えておきましょう。
2022=2・3・337です。(337は素数)337が素数かどうかの判断についてですが、19×19=361なので、19より小さい素数(2,3,・・・17)で割り切れなければ素数です。
第1問(3)・・・【対数】対数不等式(AB、5分【3分】、Lv.1)
対数不等式からで、こちらも基本的な問題です。左辺について、対数の足し算はまとめて1項にしましょう。
するとlogが外れます。aとの大小で不等式の向きが変わること、そして真数条件に注意しましょう。
第1問(4)・・・【複素数平面】n乗計算(A、6分【4分】、Lv.1)
複素数平面(数IIの複素数でも)から。ド・モアブルの定理を用いるだけの計算問題です。極形式に直してn乗しましょう。指数は大きめなので慎重に。
※KATSUYAの解答時間は計5:28です。
第2問・・・【数列+極限】漸化式、数列の和、極限、等差×等比など(AB、25分【15分】、Lv.1)
数列と極限の融合?問題です。流れがあるという感じではなく、細々としたことをたくさん聞いてきますので、落ち着いて1つ1つ計算しましょう。
最初の2つは漸化式。最初は等差型、次は4型なので特性方程式を作って等比型に帰着しましょう。
(3)は形から、部分分数分解型と分かります(この式の形はだいたい部分分数分解です)。部分分数分解して、真ん中がごっそり消えていくパターンですね。極限も楽勝です。後半は、極限でよく使う式変形である、分子の有理化ですね。これにより極限が求まる形になります。分子・分母を分母の最高次数で割りましょう。(√nは、0.5次と考えます)
(4)は等差×等比の和Sの計算なので、Sー公比Sを考えましょう。教科書にも載っているような超典型パターンですが、最後にこれを持ってこられるとちょっと面倒。出た式にn=1,2などを代入して、最初の2項(1,9)の和と比較することで検算できます。
※KATSUYAの解答時間は6:07です。
☆第3問・・・【場合の数+確率】カードの番号と大小(B、20分【14分】、Lv.1)
確率が第3問に戻ってきました。典型パターンが多いですが、最後は少し計算がメンドウ。
(1)はさくっと答えたいですね。a<b<c=dなら、3種類の数字を選んで、小さいほうからa,b,c(=d)とすればOK。
(2)もワークレベルです。最大値が4=最大値が4以下ー最大値が3以下 で計算しましょう。
(3)は入試っぽいですが、計算が若干面倒。分母が与えられている分、共通テストよりはマシな気もしますが^^;s1、s2ともに1,2,3,4となる確率が同じであることに気づけば最後まで行けますね。27×27=3^6=729ぐらいはしっていると、最後の計算も楽勝です。
本サイトでも常に訴えていますが、累乗の値は結果が4ケタになるところまでは記憶しておく価値があります。(MARCH、関関同立以上は強くおススメ)丸暗記するというよりは、知らないものは計算しながら覚えていきましょう。
※KATSUYAの解答時間は6:42です。
☆第4問・・・【微積分総合】定積分方程式、面積、回転体の体積(AB、30分、Lv.2)
最後はいつも通り微積分総合です。関数は今年は特に単純です。(解いていかないと分かりませんが)
(1)はただの部分積分です。
(2)はまず、展開しながらt、xの扱いに気をつけます。tに関する積分なのでxは積分の外に出せます。また、(1)も使えますね。(ちょっと誘導が丁寧すぎるような^^;)
(3)は、定積分を含む式ですが、両端が定数なら、定積分は定数です。=aとおきましょう。ここでこれでg(x)=sinx+3a-3/8 とおけるので、これでaを計算すれば方程式を解けます。
(4)f(x)=cosx、g(x)=sinxと超単純な関数となります。(そもそも変に定数残ると交点出ませんので、予想はつけたいところですが) 面積は交点と上下関係を把握して、積分の式を作りましょう。回転体の体積ですが、回転する領域がx軸をまたぐため、x軸より下をx軸に関して折り返しておきましょう。普段より楽な計算ですが、それでも回転体はミスりやすいので慎重に。
KATSUYAの解答時間は20:45です。(3)で計算ミスし、g(x)が変になりましたが、「交点絶対でーへんやん」となり、やり直してミスに気づきました。7分ぐらいロスったかな。
4.対策~IIB・IIIから出やすいトレンドは継続中~
出題範囲は、最初からならべるとB、A、II、III(ここまで小問)、B、A(確率)、IIIです。BIII+確率の傾向です。難関大によくある、いわゆる「ビーサン」出題が本学にも表れています。BとIIIは差がつきやすい分野が多いですからね。
IIの分野も小問で結構出ますので、怠らないようにしましょう。チャート式(黄色でOK)に加え、同じぐらいのレベルの入試問題集(関関同立過去問など)をたくさん演習しておくと万全でしょう^^
Ⅲは典型タイプが多いので、教科書だけでなく、黄色チャートの例題はマスターしつつ、有名なものは繰り返して結果(今年のグラフなどは超典型的です)もある程度頭に残しましょう^^(覚えることが優先ではありません。)
パターン問題はさっと解法が思いつくぐらい繰り返し、時間内に計算まで出来るように計算練習もしておきましょう。
量をこなす演習:じっくり演習=8:2ぐらいでOKです。
以上です^^
■関連する拙著『Principle Pieceシリーズ』(リニューアル版!)■
数学A Chapter2~確率~ (第3問)
数学A Chapter3~整数~ (第1問(2))
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