【虎の巻(1)】センター試験対策の参考書:過去問・模試編

      2016/07/14

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センター試験は、受験生のみなさんにとって(指導している教師・塾の先生のみなさんにとっても!)最も心臓に悪い、年に1回のイベントであり、毎年その対策のため過去問を初めとする参考書を購入する学生さんが殆どだと思います。

需要面では、平成26年度の本試験の受験者数は531,987人(※大学入試センターの発表)であり、どこの大学受験者数よりも桁違いに多く、そのため参考書も非常にたくさん出ています。

数学に関しては、特に数学I・Aでは「データの分析」「整数」の登場、さらには数学Aの選択制度の復活により、実際の過去問ではうまく対策が取りづらいという状況に陥ってしまっています。模試を実施している予備校側も、「データの分析」や「整数」の単元の出題内容には非常にばらつきがあり、探り探りで作成していることが伺えます。

今回は、数学I・Aおよび数学II・Bについて、センター試験対策となる参考書をできる限り全て掲載(虎の巻)、それをタイプ別に分けていき、そのメリット・デメリットを説明していきたいと思います。

→ 分野別編についてはこちらから

 

1.実際の過去問~IAは微妙、IIBは文句なし~

まず何よりも、最も多くの人が購入するのは、実際の過去問を「そのまま」収録した参考書でしょう。「そのまま」というのは、分野別に並べ替えたりしていないもののことです。このタイプの参考書のメリット、デメリットについてまとめておきます。

  • メリット・・・「そのまま」の過去問なので、時間を図って解くことで実践的な対策が可能である。難易度の傾向も、当然ながら最も本番に近い。
  • デメリット・・・偏差値や順位を出すことができない。数学I・Aについては、「データの分析」「整数」の単元の対策を取ることが出来ない。三角比と平面図形の融合も新課程では出題されないため、傾向が異なる。

先ほど述べた通り、数学I・Aは2014年までの試験と大きく異なってしまっており、データの分析や整数の単元の対策が過去問では全く取れません。「傾向が近い」という、過去問が持つべき最大のメリットを得られませんので、数学I・Aについては過去問での対策をオススメしかねます。数学II・Bについては大きな変化はありませんので、文句なくオススメできます。

 

以下、過去問タイプの参考書を挙げておきます。これらの参考書間には、特別大きな差はありません。

1.(1) 教学社の赤本シリーズ

赤本シリーズは、正式名称が「センター試験過去問研究」という名前の、教学社が出版している過去問です。

>> センター試験過去問研究:赤本シリーズ

数学の過去問については、以下のようになっています。

  • 収録年度数:25年(1992年~2016年)
  • 収録試験回数:60回(一部の年度に追試験の記載あり)
  • アマゾン売上順位:6位(カテゴリ:センター試験、2016/5/21時点)
  • 950円

掲載試験回数が最も多い過去問集であり、人気の理由の一つといえそうです。赤本は2次試験の過去問の種類も豊富です。

解説は赤、黒、白の3色カラーです。特別詳しいわけではなく、かといって簡素なわけでもありません。解き方のポイントも記載されています。

 

※「理科基礎」については「生物基礎・化学基礎」「生物基礎・地学基礎」のセットが販売されていますので、理科基礎だけが必要な学生さんにも便利です。

 

1.(2) 河合出版の黒本シリーズ

黒本シリーズは、正式名称が「大学入試センター試験過去問レビュー」という名前の、河合出版から出ている過去問です。

>> 大学入試センター試験過去問レビュー:黒本シリーズ

数学の過去問(2017年度用)については、以下のようになっています。

  • 収録年度数:●●年分(●年~●年)
  • 収録試験回数:52回(一部の年度に追試験の記載あり)
  • アマゾン売上順位:3位(カテゴリ:センター試験、2016/5/21時点)
  • 値段:950円

センター過去問系の数学の参考書では、最も人気の参考書です。河合塾の本だけあって、解説の詳しさはピカイチかと思いますので、詳しい解説が必要であるという方にはオススメです。

※「理科」については、理科・理科基礎が一緒になっていますので、理科基礎だけが必要な学生さんには不向きです。

 

1.(3) 駿台の青本シリーズ

青本シリーズは、正式名称が「大学入試センター試験過去問題集(大学入試完全対策シリーズ)」という名前の、駿台予備校が編集した過去問です。駿台文庫とは別のようですね。

>>大学入試センター試験過去問題集:青本シリーズ

※なお、後に紹介する模試タイプと見た目が似ているので、要注意。過去問は、青色と赤色がベースの本です。

 

数学の過去問(2016年度用)については、以下のようになっています。

  • 収録年度数:6年分(2010年~2015年)
  • 収録試験回数:20回(一部の年度に追試験の記載あり)
  • アマゾン売上順位:98位(カテゴリ:センター試験、2016/5/21時点)
  • 値段:1,000円

掲載回数を考えると割高な参考書ですが、「直前チェック総整理」という冊子がついていること、本試験得点別に偏差値を出すことが出来ることが、青本の大きな特徴と言えます。

※「理科基礎」だけの冊子がありますので、理科基礎だけが必要な学生さんはこちらが向いています(2016年)。

 

1.(4) 東進の緑本シリーズ

緑本シリーズは、正式名称が「センター試験過去問題集」という名前の、東進ハイスクール・東進衛星予備校が編集した過去問です。

>>センター試験過去問題集:緑本シリーズ

数学の過去問(2017年度用が6/27に出ました^^)については、以下のようになっています。

  • 収録年度数:10年分(2007年~2016年)
  • 収録試験回数:20回
  • アマゾン売上順位:95位(カテゴリ:センター試験対策、2016/5/21時点)
  • 値段:950円

こちらも掲載回数は割と少なめですが、最新年度の解説講義DVDがついていることと、設問ごとの正答率(東進集計)が掲載されている「直前チェック総整理」という冊子がついていること、本試験得点別に偏差値を出すことが出来ることが、青本の大きな特徴と言えます。

※「理科基礎」だけの冊子がありますので、理科基礎だけが必要な学生さんはこちらが向いています(2016年)。

 

1.(5) Z会のオール15、英数国シリーズ

オール15とは、過去問の全科目が1冊にまとまっているZ会の本ですが、掲載年数は3年です。

英数国の3科目が10年分掲載さているパターンのものもあります。

※なおどちらも、平成26年用が最新で、それ以降は出版されていないようです。

>>平成26年用 センター試験 過去問 オール15

>>平成26年用 センター試験 過去問 英数国

 

2.実戦系問題集~数I・Aは特に人気~

実際の過去問ではなく、センター試験の形式に合わせたマーク模試形式の問題集も、各予備校が販売しています。こちらは、数I・Aも新課程に合わせた出題内容ですので、メリットが大きいです。

2015年から始まった新課程のセンター試験ですが、その際、実戦問題集の中ででいろいろな書店から真っ先に在庫がなくなったのはこの数I・Aです。やはり人気なので、今年も早めにGETしたほうがよさそうですね。

  • メリット・・・実際の形式を模しているので、時間を図って解くことで実践的な対策が可能である。数学I・Aについては新課程に合わせた内容である。過去に行われた模試の場合は、偏差値や順位を出すことが出来るものも多い。
  • デメリット・・・実際のセンター試験ではないので、難易度が必ずしも一致しないものも多い。販売している予備校によって難易度がバラバラである。

 

2.(1) 河合出版の黒本シリーズ

黒本シリーズは、正式名称が「マーク式総合問題集」という名前の、河合出版から出ている実戦系問題集です。

>> マーク式総合問題集:黒本シリーズ

数学の過去問(2017年度用)については、以下のようになっています。

  • 収録試験回数:7回
  • 難易度(センターと比べて):やや易~同じ
  • 値段:1,080円

「マーク式総合問題集」の特徴は、新課程の過去問も巻末に掲載していることですが、数学だけは掲載がないようです。もし数学も過去問(本試験・追試験)を掲載してくれれば、本書は非常にオススメできます。

 

2.(2) 駿台の青本シリーズ

青本シリーズは、正式名称が「大学入試センター試験 実戦問題集」という名前の、駿台が編集している実戦系問題集です。

>> 大学入試センター試験 実問題集:駿台の青本シリーズ

数学の過去問(2017年度用が6月に出ました^^)については、以下のようになっています。

  • 収録試験回数:8回
  • 難易度(センターと比べて):同じ
  • 値段:1,050円

数学については、2016年度から大幅に改善され、I・Aも新課程用の形式となりました。

問題は概ね、実際の過去問と同程度と言えそうです。

 

2.(3) 代ゼミの白本シリーズ

白本シリーズは、正式名称が「大学入試センター試験実戦問題集」という名前の、代々木ライブラリーが出版している実戦系問題集です。駿台の本と名前が一緒ですが、色が違いますのですぐに分かります。

>> 大学入試センター試験実戦問題集:白本シリーズ

数学の過去問(2016年度用)については、以下のようになっています。

  • 収録試験回数:5回
  • 難易度(センターと比べて):同じ
  • 値段:880円

実戦系の問題集では、最も無難で一般的な問題集になっていると思います。代ゼミは模試を行わなくなっているので、2017年度以降の問題集がどうなるかは不明です。

問題は概ね、実際の過去問と同程度と言えそうです。

 

2.(4) Z会の緑本シリーズ

緑本シリーズは、正式名称が「センター試験実戦模試」という名前の、Z会編集部から出ている実戦系問題集です。

>> センター試験実戦模試:緑本シリーズ

数学(2017年度用)については、以下のようになっています。

  • 収録試験回数:7回(オリジナル6回+直前用1回
  • 難易度(センターと比べて):難しい
  • 値段:1,050円

実戦系の問題集の中では、難易度が高いという声が非常に多いです。数学が得意な人であれば、マーク模試間の難易度はそれほど感じないと思いますが、このZ会の実戦模試シリーズは難易度が違います。

得意な人以外は、利用するなら早めに利用するべきです。本番直前に利用して、出た点数に凹まないように注意が必要です。。。

 

2.(5) 東進の緑本シリーズ

Z会と同じ色の緑本シリーズは、正式名称が「センター試験本番レベル模試」という名前の、東進ブックスから出ている実戦系問題集です。同じ東進の過去問と配色が似ていますが、本の大きさが違いますので、わかると思います。こちらの方が大きいサイズです。

>> センター試験本番レベル模試:東進の緑本シリーズ

数学(2017年度版が7月に出ました^^)については、以下のようになっています。

  • 収録試験回数:6回(模試1年分
  • 難易度(センターと比べて):回によってばらつきがある
  • 値段:900円

東進の本の特徴として、過去問と同様、データが豊富に掲載されている点が挙げられます。

まず、各問題(小問レベルで)について模試における正答率が全て記載されています。できないとマズイ問題、できなくても仕方がない問題といった区別が自分で出来ます。

難易度表示もありますが、正答率に従っていると思われますので、人によって感じ方は違うかもしれません。

さらに、志望校別に、何月の模試で何点を取っていたのかを1年にわたり掲載し、合格者の平均点の推移が示されています。自分の目標設定もしやすいです。

1年分の模試を順番に掲載しており、第1回は高2の2月に受験する模試の過去問なので、第6回(直前プレの過去問)に比べると易しく、回ごとに難易度が変わります。本番レベルだけを解きたいなら、他の本と比較したほうがいいでしょう。

 

3.まとめ~I・Aは実戦系が使いやすい。II・Bはどちらでも~

今回はセンター試験対策用の問題集のうち、過去問および実戦形式で解くことができるものを紹介しました。ここでまとめておきます。

  • 数学I・Aは新課程になっているため、新課程の内容で作られた「実戦系」の方が良い。過去問では、追試験を含めても3回分しかない。
  • 数学II・Bは旧課程と新課程で大きな差はありませんので、どちらでも練習可能。

I・AとII・Bで同じ問題集を購入することがほとんどかと思いますので、数学では過去問より実践系の方に分があるということになりそうですね。

 

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