白チャートのレベルや使い方・勉強法 共通なら万全?(新課程版)
2024/05/02
白チャートは、チャート式シリーズの中では最も簡単な部類な網羅系の参考書です。「共通テスト対策用としてなら白」とよく言われますが、この参考書の使用方法や、どんな人に向いているのかなどについて解説していきます。
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1. 問題数、レベル、解答・解説の詳しさ
白チャートに関する基本的なデータについて説明していきます。まず、白チャートの参考書のタイプは、「基礎学習」まはた「原則習得」です。
→ 参考書を選ぶ前に、自分が今買うべき参考書の「タイプ」を必ず確認しましょう。
1.(1) 白チャートの問題数
白チャートに収録されている問題数は、以下のようになっています。(すべて新課程版の情報です)。
白チャートIA・・・・例題279題、トレーニング279題、EXERCISESなどの章末問題152題
白チャートIIB・・・・例題277題、トレーニング277題、EXERCISESなどの章末問題190題
白チャートIII・・・例題158題、トレーニング158題、EXERCISESなどの章末問題95題
白チャートC・・・例題126題、トレーニング126題、EXERCISESなどの章末問題52題
1.(2) 白チャートのレベル
白チャートに収録されている問題のカバー範囲は、日常学習、共通テストレベル、中堅大レベルまでです。難関大・超難関大レベルの問題はほぼ無しと考えていいでしょう。
分量的には青チャートや黄色チャートより少なめです。例題とトレーニングは、非常に細かく項目が分かれている代わりに、範囲が日常学習および共通テストレベル(7割ぐらい)となります。その意味で、白チャートは「日常学習」タイプの参考書になります。
EXERCISESなどの章末問題になると、教科書にはないパターンも出てきますので、ここまで取り組むことで、「原則習得」タイプの参考書として利用したことになります。
1.(3) 白チャートの解説の詳しさ
白チャートは、チャート式シリーズの中でも、特に解説が詳しいシリーズと言えます。答案としての解説の他に、【CHART&GUIDE】、【Lecture】という項目が各ページにあり、解答の手順や変形の仕方、何の公式を使って変形しているかなどが記載されています。数学が苦手な方や、独学で進める方でも十分に理解できる詳しさです。
逆に言えば、数学が得意な人からすると、「そんなこと分かっている」というような内容も多くありますので、物足りなさを感じる人もいるでしょう。
2.白チャートはどんな人に向いているのか?
これまでの情報をもとに、白チャートがどんな人に向いているのかをまとめてみます。黄色チャートや青チャートに比べると配布されている学校は少ない印象がありますので、自分で購入を検討していることを前提にします。
2.(1) 数学の授業をあまり理解で来ていない、4STEPなどのワークの解説では分からない人
学校の授業では理解が追い付かず、傍用問題集の解説でもよく分からない人は、日常学習タイプである白チャートは解説が詳しめなので、おススメ出来ます。
あるいは、社会字の方で、もう一度数学を勉強しなおしたいが、すっかり内容が抜けてしまっている人にも、最初の段階の参考書としておススメです。
2.(2)日東駒専レベル志望で受験勉強を始めたい
日東駒専レベル志望の場合は、本書をきちんとやれば合格点には届くと思います。ただしその場合は、例題だけでなく、章末のExerciseもこなしましょう。
Exerciseまでやると問題数は増えますが、入試期間までに本書と過去問だけで済ますなら、かなり少ない方です。白チャートだけで終わらせたいなら、かならずExerciseもやりましょう。
2.(3) MARCH以上レベル志望で受験勉強を始めたいが、これまでの内容が抜けまくっている
MARCH以上レベル志望なら出来れば青チャートや黄チャートがいいですが、受験勉強を始めようとしたら、これまでに習った内容が殆ど身についていない場合は、実質(1)の人と大差がないので、本書のレベルから手を付けた方がいいと思います。
程度にもよりますが、「青チャートや黄チャートのコンパス2あたりでも解答を見ないと解けない」ぐらいの人であれば、かなり抜けているため、無理に青や黄色で進めず、本書のレベルに戻るべきです。
出来るだけ早く本書をこなし、すぐに青チャートや黄色チャートに戻ります。その際には、白チャートにも載っているような簡単なものは飛ばしてもOK。
「チャートを2つもやるの?」と言われそうですが、そうです。受験勉強前に身にいているはずの日常学習内容がまるまる抜けているんですから、それは仕方ありません。
※なお、指導者の下で取り組む場合は青チャートや黄チャートでも可能。ただし、丁寧に解説してくれる、1週目ではコンパス4,5は飛ばすなど適切な指示が出ることが前提。
3.共通テスト対策としての白チャート
「共通テストなら白チャート」という話をよく聞きますし、高校生の頃の私もそんなイメージを持っていました。実際、レベル的にも共通テストであればカバー出来ていますし、余計な難問を演習しなくて済むという点では、イメージ通りといっていいでしょう。
しかし、万全かというと議論の余地があります。共通テストに対応しているのは問題の「レベル」であって、形式があっているわけではありません。共通テストでのみ数学が必要であったとしても、白チャートに加えて、過去問を解くなどの最低限の演習は引き続き行わなければいけません。
同じ数研出版から「緑チャート」なるものが発刊されていますので、白チャートの後にこちらに移行する必要があると思われます。
→ 緑チャートの特徴
まとめ~白チャートは日常学習レベル寄り~
白チャートは、「基礎学習」タイプと「原則習得」タイプの両方の性格を持った参考書ですが、数学が得意な人や、難関以上の大学を目指す人には物足りないでしょう。
また、共通テストのみで数学が必要な人も、白チャートに加えて、共通テスト形式の参考書の併用で形式慣れをする必要があります。
学校で指定配布されたワーク(4STEPなど)の解説がわかりにくい、という人はほぼ同レベルの問題が白チャートであればかなり詳しく解説されていますので、こういった人は「基礎学習」タイプの参考書として買うといいですね。
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