イチから鍛える数学演習の難易度、レベルは?使い方や勉強法など

   

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「イチから鍛える数学演習」シリーズは、学研出版の本で、2017年の夏頃に発売されました。問題を解くのに必要な時間で入試問題を3つのグループに分け、それぞれ「10min」「20min」「30min」と3つの本に分けられているのが特徴です。

英語長文でも、いくつかこのシリーズでいくつか出ていますね。

 

今回は、この「イチから鍛える数学演習」について、難易度などを見ていきたいと思います。

 

1.イチから鍛える数学演習 はどんな参考書?

「イチから鍛える数学演習」は、以下のような参考書です。背表紙の10min、20min、30minの部分が光っているので、意外と目立つ参考書で、目にしたこともあるのではないかと思います。

 

 

 

表紙を見る限りはゆるそうな難易度に見えますが(私だけ?)、立派な入試演習書です。

 

2.問題数、レベル、解説の詳しさなど

体系数学がどのような参考書であるのかを知るために、基本的なデータを見てみましょう。10min、20min、30minで全て難易度が異なります。

イチから鍛える数学演習 10minは、入試基礎演習タイプです。

イチから鍛える数学演習 20minは、入試標準演習タイプです。

イチから鍛える数学演習 30minは、仕上げタイプが半分、標準演習タイプが半分です。

→ 入試基礎演習タイプの他の問題集

→ 入試標準演習タイプの他の問題集

→ 仕上げタイプの他の問題集

 

2.(1) イチから鍛える数学演習(10min 20min 30min)の問題数

イチから鍛える数学演習の問題数は、以下のようになっています。全部で464題になります。

10min・・・166題

20min・・・181題

30min・・・117題

 

2.(2) イチから鍛える数学演習(10min 20min 30min)のレベル

本シリーズのレベルについては、以下のようになっています。

10min・・・入試基礎レベルが90%、入試標準レベルが10%

20min・・・中堅大レベルが40%、難関大レベルが60%、

30min・・・難関大レベルが50%、超難関大レベルが50%

 

解答時間で分けてはいますが、ほぼ難易度で分けてあると言ってもいいと思います。3つのシリーズでうまく接続できるようになっています。20minと30minは難易度的にかぶりもありますが、解答時間が異なるため問題がかぶることもありません。

 

2.(3) イチから鍛える数学演習の特徴~答案のポイントがチェックできる~

本シリーズの特徴としては、答案の中でどの部分が解答できるようになると、その問題に対して正しいアプローチができているかが分かるように、Checkがついています。

入試問題になれば、単純に原則を1つあてはめて終わり、という問題は少ないです。本シリーズは、どのパターンの問題かに気づいて、その問題に対する解法を、段階ごとに選べているかどうかをチェックすることができます。

「1巡目に取り組んだときは全く思いつかなかったが、2巡目では2段階目のチェックまで進めた」といった風に、自分の中で「解けた」「解けなかった」だけではなく、どこまで進歩できたかまで分かります。

 

 

2.(4) イチから鍛える数学演習 の解説

「イチから鍛える数学演習」の解説については、詳しめといえます。答案では途中の式変形の省略もほとんどないので、よほど基礎が欠落していない限りは、10minから取り組めば独学可能なはずです。先に述べたとおり、CHECKによって、答案の肝となる部分もしっかり確認できます。

答案前にはポイントもあり、問題に対する考え方も書かれています。

 

 

3.イチから鍛える数学演習 の使い方、勉強法

イチから鍛える数学演習 の使い方の前に、どのような人が使うと効果が上がるのかを見ておきましょう。

3.(1) オススメ対象(10min 20min 30min)

本シリーズの分冊のオススメは、下記に当てはまる方です。上に書いてある方が優先です。

  • イチから鍛える数学演習 10min
  1. 理系志望である。
  2. 青チャートなどで、基本例題を中心に原則を5割程度習得している。
  3. これから受験用の勉強を始めようと思っている。
  4. 模試での数学の偏差値が50~55ぐらいである。
  • イチから鍛える数学演習 20min
  1. 理系志望である。
  2. 中堅大以上の大学志望である。
  3. 青チャートなどで、基本例題を中心に原則を8割以上習得している。
  4. 同シリーズの10minに2巡取り組み、8割以上を理解している
  5. 模試での数学の偏差値が55~65ぐらいである。
  • イチから鍛える数学演習 30min
  1. 理系志望である。
  2. 難関大以上の大学志望である。
  3. 青チャートなどで、基本例題を中心に原則を8割以上習得している。
  4. 同シリーズの20minに2巡取り組み、7割以上を理解している
  5. 模試での数学の偏差値が60以上である。

同シリーズは数IIIまで入っているので、まずは理系の人に限定されます。(IIIをスルーすれば文系でも使えます)。

10minはその名のとおり、10分で解答できるようなレベルなので、単問のようなタイプもあるので、入試基礎演習を行いつつ、抜けている原則の確認にも使えます。

 

20min、30minは本格的な入試演習になるため、原則の習得は前提でないと苦しいでしょう。原則習得をある程度行ってから10minに取り組んでいれば、そこからうまく接続出来そうです。

 

 

3.(2) イチから鍛える数学演習 の使い方(勉強法)、購入時期

同シリーズの購入時期ですが、数IIIまで入っているので、基本的にはどれも1通り学習している人が対象です。ただし、高1、高2生でも、既習部分だけは10minから取り組んでおいてもいいと思います。

受験を前提で書くとすれば、新高3の春あたりから原則習得と並行して10minに取り組み、7月頃からIIIに入れる体制が欲しいです。学校で未習なら一旦飛ばします。 解説はしっかり読みましょう。

夏休み中に10minの2巡目を終え、後半辺りから20minに入っておきたいですね。これを最後に過去問に接続する場合は、1日2題~3題ぐらいとなります。やはり解説の熟読に時間をかけられるように。

難関大以上志望であれば、11月中旬ぐらいまでに20minを終え(1日4題やれば2巡可能)、11月から30minに入っていきたいところです。

 

時間的に厳しい場合は、数IIIの20min、30minはセンター試験後に集中的に取り組むという方法でもOKでしょう。それでも10minの数IIIだけはやっておいたほうがいいと思います。やらなさすぎるとナマります。

 

 

タイトルからすると時間の計画は立てやすそうですが、タイトル通りの時間ではなかなかうまくいかないかと^^; 特に記述式の答案を書く場合には、それ以上かかることもあると思って取り組んだほうがいいです。特に「20min」の収録問題を見ていると、ちょっと20分では短いのでは?と思う問題も多いです。

あくまでも難易度で分かれていると考えましょう。解答時間を多少オーバーするのは気にしないということで。

 

 

4.まとめ~うまく接続できそうな入試演習シリーズ~

イチから鍛える数学演習(10min 20min 30min) について、まとめておきます。

  • 学研出版の数学の入試演習書で、3段階の難易度(解答時間)に分かれている。
  • 3つのシリーズの難易度はバランスが取れており、このシリーズで接続して入試演習を網羅できる。
  • CHECKをしっかり確認することで、どこまで自分が進歩できたかを細かくチェックできる。

レイアウト等が気に入るならば、入試演習書はこのシリーズで通して勉強できそうですね~

 

 

 

 

 - 仕上げ・直前タイプ, 入試基礎演習タイプ, 入試標準演習タイプ