明治大学 政治経済学部 数学 講評|2022年度大学入試数学

      2022/06/04

●MARCHの数学シリーズです。今回は明治大学政治経済学部(2022年)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。今年度はMARCHシリーズを追加していこうと思います。

MARCHレベルの大学入試は基礎的な原則を習得する上で非常に良く、それでいて適度にひねられているため入試基礎演習としても適切です。原則習得+入試基礎演習を兼ねた問題の講評を行っていきたいと思います。


MARCHシリーズ

明治大学(政治経済学部)です。

問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。





知らなかった場合は、言葉を覚えるだけでなく、必ず教科書や問題集等で該当する類題を数題見つけ、演習することで定着させてください。自分で探して自分で解く。これが一番身に付きます。

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明治大学(政治経済学部)
(60分、2問、ハイブリッド型)

※ハイブリッド型・・・記述式と穴埋め式が混合しているもの。


1.全体傾向~制限時間を考えるとかなり忙しい~

第1問が穴埋め形式で小問が6つ、第2問が記述式ですが、第1問も小問というよりは中問という感じで、いくつかの問題に分かれていますので、すんなりとはいかない問題もあります。

問題のレベルも超典型パターン(いわゆる厚物参考書にそのまま掲載されているような)問題はほとんど出題されておらず、一ひねり、二ひねりぐらいされた問題が出ます。この難易度で60分という制限時間を考えると、数学の難易度は明治大の中では高めだと思います。少なくとも2022年は商学部、農学部より難しいかと思われます。

問題としてはどれも比較的うまく融合されており、入試に必要な手法を学ぶには非常に良問セットだと思います。

超難関大を志望する人たちにとっても、いい練習問題になりそうですね。

 

 

解答時間は96分【70分】(←穴埋め考慮)

 

2.各問の難易度

本文にある緑字(この色)は、数学を受験する上で必要な原則を表しています。

☆第1問(1)…【場合の数】サイコロの目の出方(AB、9分【6分】、Lv.2)

4つのサイコロの目の出方に関する問題です。典型パターンですが、経験がないと考え込む可能性もあります。

大小関係について、「<」「≦」のときでどのように処理の仕方が変わるかがポイント。①は6C4で瞬殺ですね。

②③についてですが、地道(かつ他の問題に応用が利く)な解法は「≦」を「<」と「=」に分ける方法です。②を例にとります。

a1≦a2<a3<a4の場合は以下の2つに分けるだけです。

・a1<a2<a3<a4 6C4通り

・a1=a2<a3<a4 これは3種類異なるの数字を選べばOKなので6C3

なので、結果は6C4+6C3=35となります。

 

もう一つの方法としては(知っていることが前提ですが)、強引に等号をなくす方法です。こちらも②を例にとります。

自然数であれば、a1≦a2<a3<a4はa1<a2+1<a3+1<a4+1と同値です。なので、1~7 までの中から異なる4つを選び、一番小さい数字はそのままa1に、あとは1引いてa2,a3,a4とすればOK.結果7C4となります。

確かに、6C3+6C4=7C4ですので、2つの解法は繋がりますね。

③は等号をなくす方法を知っているとかなり楽ですね。a1<a2+1<a3+1<a4+2として、1~8の中から4つ選べばOKです。

 

どちらの考え方も非常によく見ますので、知らなかった人はぜひ頭に入れておきましょう。超難関大を受験する人にとっても、いい練習問題です。

 

 

☆第1問(2)…【三角関数】三角方程式(B、12分【8分】、Lv.2)

三角関数からで、連立方程式パターンです。連立方程式は難易度が高めですが、その中ではマシな方です。

最初はy=0なのでx+z=180°です。sinの補角の公式により、sinx=sinzですから、上の式は常に成り立ちます。あとは下の式でcosx=√3sinx とすればOK.

sin、cosの1次式なので移項して合成でもいいですし、今回は両辺をcosで割ってtanxにするのもはやいですね。

後半は差がつきそう。sinz=sin(x+y)にできますので、上の式は加法定理を利用するとcosxsiny=0とできます。あとは各項が0の場合に分けて下の式を調査すれば出ます。

加法定理が出来れば解けたと思いますが、少し発想も必要でした。連立方程式のときは加法定理を使う可能性が比較的高めです。

 

 

 

☆第1問(3)…【空間ベクトル】内積、面積、長さの最小値(B、15分【10分】、Lv.2)

空間ベクトルからで、角度が一定になるように軸上を動く2点を題材にした問題です。他の分野の問題も融合されており、最後は差がつきそうです。

①は内積。成分があるので成分の方の公式にあてはめましょう。

②ですが、①の内積の値となす角から、長さの積√(1+b^2)(1+c^2)が出せます。面積公式にはその長さの積がちょうど現れますので、b、cなどを含むことなく表すことが出来ます。

③は②で関係式が出ていれば出せます。

④は正答率が低いかもしれません。(1+b^2)(1+c^2)=4のもとで、BC=√b^2+c^2の最小値を出す問題ですが、積一定で和を出すタイプの問題は相加平均・相乗平均の関係を用いるのが原則です。

一番簡単な方法は相加平均・相乗平均をそのまま利用して(1+b^2)+(1+c^2)≧2√(1+b^2)(1+c^2)=4として求める方法。もう一つはc^2=・・・式になおしてc^2を消去してb^2+c^2の式をb^2だけにします。そこで相加・相乗平均を用いる方法です。

相加・相乗平均は差が付きやすい問題なので、解ければ確実に差をつけられます。使えるパターンを網羅的に把握しておきましょう。

 

 

☆第1問(4)…【微積分】定積分を含む方程式(B、12分【8分】、Lv.2)

微積分からで、定積分を含む方程式の問題ですが、少し複雑になっています。

少し複雑になったとしても、やることは変わりません。区間にxが入っている場合は、「両辺を微分する+上端と下端が等しくなるようなxを代入する」のセットでしたね。

f(x)=px^2+qx+rとでもおいて両辺を微分した式を係数比較すると、x^2の係数だけは決まりますので、①はクリア。あとはまだ解決しませんが、文字を減らすことはできます。残りの未知数がa,q,rですが、式は2つできますので、2文字減らせて1文字だけにできます。aだけにするのがよかったでしょう。

 

それから、x=aを両辺に代入するとaの3次式になります。因数定理を用いて因数分解をしましょう。

 

微積分に3次方程式をうまく絡めてきましたね。

 

 

☆第1問(5)…【微分法】図形の面積の最大値(B、18分【12分】、Lv.2)

微分法からです。放物線上の4点で出来る台形の面積の問題。長方形ならワークとかにもありますが、直線を斜めにしてきましたので、面積計算は少しメンドウ。

①は解法次第では時間がかかるかも。y=x^2とy=x+● の交点なので、x^2ーx-●=0の解が交点のx座標です。解と係数の関係から解の和が1になることに気づけば、片方がkならもう片方は1-kとなります。

気づかなかった場合は、x^2ーx-●=0の解がkなのでkを代入して●を出し、方程式を再び因数分解するという方法となります。

②は①が出れば出来るでしょう。もともとの交点ー2よりは大きく、k<1-kを満たせばOKです。

③はちょっとメンドウ。台形なので、まず上底、下底を出しますが、線が斜めっています。斜めの線は「x軸から切り取る線分の長さ」の要領でまず出して、直角三角形を作ればOK。今回は√2倍するだけです。高さは2直線の距離なので、y=x+6上のどこでもいいので、点をとり、((0,6)がいいかと)下の直線との距離公式で出しましょう。慣れていれば、切片の差の1/√2倍と分かります。

 

面積が正確に出ればあとは微分するだけです。問題文的に最大値の存在は保証されていますので、極値をとるxで即答して大丈夫ですね。穴埋め形式のメリットを最大限に生かしましょう。

 

☆第1問(6)…【指数関数】指数関数の最小値(AB、12分【8分】、Lv.2)

指数関数からで、指数関数の最小値を求める問題です。●+1/●タイプの置き換えパターンで、本セットの中では比較的パターンにはまっています。

①t=2^x-4/2^xで置き換えるという指定もありますので、それに従うだけです。4^xの項を集めればt^2の項とつながりますね。

②は平方完成すればOK。今回はtの範囲は制限はありません。(もし2^x4/2^xなら相加・相乗平均の利用で範囲を出すこともカクニンしておきましょう)

最小となるtが出たら置き換えた式に代入します。指数方程式は2^x=Tとでも置き換えればTの2次方程式にできます。2^x、2^(-x)の両方が含まれている項は、置き換えて2次方程式になるパターンです。

 

 

☆第2問…【確率+数列+対数】確率と漸化式、常用対数(B、18分、Lv.2)

記述式の問題で、確率と漸化式から。超難関大レベルであれば典型問題ですが、本大学ではかなり丁寧に誘導があります。

確率と漸化式は、以下の原則3点セットをおさえておきましょう。

①nからn+1回目への遷移を詳しく見る。(←今回は問題文に完璧な遷移図がありますが、これをそのまま自分で描けるように)

②求める確率以外の確率も他の文字でおく。(←こちらも、cn以外のan、bnも問題文で置いてくれています)

③対称性、確率の性質(全部足すと1)を忘れずに。

(1)ですが、これがむしろ一番メンドウ。C3は一般項を出して答える方がラクです。

(2)ですが、n回目にすでにCにいれば確実にC、n回目にAかBにいれば1/4でCです。③の原則により、AかBにいる確率=1-cnと出来ればこちらの勝ち。

(3)漸化式は4型ですので、特性方程式を作って等比型に帰着させましょう。

(4)最後はただの常用対数利用ですね。

 

 

 

3.対策~典型パターンの習得+基本的な融合問題の演習~

出題範囲はIIB中心+A(場合の数・確率)という感じです。チャート式(青がいいかも)のような網羅的問題集をこなして、パターン問題が瞬時に見抜けるようにしておきましょう。

少しひねられた問題まで対応できるようにしておきたいので、入試基礎演習レベルの問題集にもあたっておきたいです。

難易度と量の割に時間は短めです。多少ひねられていても自分が察知したパターン問題の解法をあてはめて最後までやり切る力を身に着けまましょう。

 

量をこなす演習:じっくり演習=10:0でOKです。うまく融合されている問題が多いので、過去問演習が大事。

以上です^^

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