東京大学 理系 数学 | 2015年大学入試数学
2022/05/29
●2015年大学入試数学評価を書いていきます。今回は東京大学(理系)です。
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^
本日、国公立が試験を開始しました。同時開始なので、すべての大学を即日UP出来ませんが、本日からは、国公立ラッシュのエントリーになると思います^^;
2015年 大学入試数学の評価を書いていきます。
最初は東京大学(理系)です。
やっぱりここが一番最初ですね^^
問題の難易度(易A←→E難)
典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)
☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。
したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい という目安にしてください。
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Twitter始めました こちらもよろしくお願いいたします^^
Principle Pieceシリーズの販売を再開しました^^ 原則習得のための参考書です。
YouTube開設しました。 個人的に紹介したい大学入試数学を中心に解法や発想を動画にしてみようと思います。
2015年 東大 理系 数学
(試験時間150分)
全体総評・合格ライン
昨年より難化しました。「これはすぐに手がつく」という難易度の問題が少なく。相対的にましな第1、3、4問できちんと解答できたかどうか。文理ほぼ共通の確率は理系にもつらい程に難化し、その他も説明しづらい問題があるので、合格点は下がりそうです。
試験時間150分に対し、
目標解答時間合計は215分。(昨年は205分)
(速報から訂正します。第5問 35分→40分)
思考時間は昨年とあまり変わりませんが、今年はまんべんなく必要だったため、点数は出にくいでしょう。
■合格ラインですが、
第1問は全体と眺めると、なんとか抑えたいが、キー問題と踏んでいます。
第2問の確率は出来なかった人の方が多いかと。
第3問は数学Ⅲの体積関係ですが、これが最易問でしょう。計算力勝負なので、抑えたい。
第4問は数学的帰納法だと見抜ければ最後まで手がつくはず。抑えたい。
第5問の論証はきちんとかけた人はあまりいないと思われます。書けるだけ書き、部分点をもらいたい。
第6問は(1)は出来ると思います。(2)では、g’(x)=h(x)に気づければ手がつくと思われるが、、、
合格ラインは昨年より下がり、半分でも悲観するには及ばないのではないでしょうか。
☆第1問・・・通過領域、双曲線(BC、30分、Lv.2)
この大学、通過領域が大好きなようで^^; 昨年の最後の問題に引き続き、出ました。今年は、しっかりとこの原則が使えるようになっていますので、本ブログ読者はささっと手が動いたことでしょう^^
(Principle Piece 数学II 図形と式 p.62-63)
4aかけて分母払って「a」についての2次方程式が少なくとも1つの正の解を持つ条件に帰着させればOKでした。最高次の係数に定数「x」が入っていますので、上に凸、下に凸などでも場合分けが発生することに注意。
※KATSUYAの解いた感想
今年は最初に通過領域。普通に分母払って存在範囲だな。場合分けは多そうやな^^; しかし、f(0)>1という事実に助けられ、常にに条件に合うものもあり、少し答案量が減って安心^^解答時間12分。
☆第2問・・・確率、漸化式(C、40分、Lv.3)
今年も第2問が確率です。一昨年が「難」、昨年が「易」でしたが、今年は「難」で、交互に来ています。今年はまた漸化式タイプでしたが、昨年のは昨年ので、正答率が高すぎたのでしょう^^; また今年は低くなると思いますが。。。
当ブログで1、2を争う頻度で登場する3つで1つ(?)の原則です。
(Principle Piece 数学A 確率 pp.39~43)
これはさすがにやったと思います。
(Principle Piece 数学A 確率 pp.39~43)
本問の場合、これを置けなかったのではないでしょうか。Aが書かれるといっても、「AA」の右の「A」なのか左の「A」なのかで分けた上で、B,C,Dをそれ以外として設定するとうまくいったと思います。が、本番でこれを思いつくのは厳しすぎます。
(Principle Piece 数学A 確率 pp.39~43)
上の置き方ができれば、漸化式は解けます。「左A」と「B,C,D」は漸化式が同じなので、等しいとわかりますので、ラクになります。
※KATSUYAの解いた感想
難、易と来て今年は・・・(1)からつまづき、「難だ(><)」となる。そもそも、「n回投げてn個目・・・」n+1回投げてもn個目の状況は普遍だから、回数は気にせずに漸化式を立てようと思うも、立てられず。。。排反かつ全事象が「左A」「右A」「B,C,D」に気づくも、「左A」のときに、「その左はAはダメ」と勘違いし、答えがn=1、2のときと合わない。「ん?おかしいな^^;」 もう一度考え直し、別に左がAでもいいことがわかり、漸化式から立て直して終了。大幅ロスして解答時間30分。
第3問・・・2曲線が接する、回転体(B、30分、Lv.2)
2つの曲線が共有点を1つだけ持つ条件です。グラフ的には、曲線どうしが接するということなので、接点を置き、こちらの原則を用いればOKです^^
(Principle Piece 数学III 微分法の応用 pp.9-10)
今回のように聞かれた場合は、2曲線の差をh(t)とでもおき、h(t)=h’(t)=0が条件であると述べて出すといいでしょう。
(2)以降はただの積分計算です。(logx)^2の計算は、本学受験者であれば大丈夫ですよね。
(Principle Piece 数学III 積分法 p.9)
(1)が出来ないと全滅ですが、他がとりづらい以上、ここは取らないとまずいですね。
※KATSUYAの解いた感想
おー、ちょっと穏やかな問題きた^^ 確率しんどかったからなぁ。。。(1)は原則どおりに終了。(2)以降は、、、ただの積分計算なので言われたことをカリカリ計算して終了。体積、通分して整理・・・・しない! (3)が分かりやすいから、この方がいいやろ^^ 解答時間16分。
第4問・・・数列、漸化式、帰納法(B、30分、Lv.2)
少し複雑な漸化式をした数列の問題ですが、もちろん誘導なしで一般項を求める必要はありません。東大でも、そんなことはしません。ちゃんと誘導あります。
(1)は、nによらないと言っていますから、nを1つ上げて計算してみればOK。(2)は(1)を利用すればすぐに出ます。p(n+1)を漸化式で置き換えれば見えます^^
(3)は、帰納法だと気づけばどうってことはないと思います。「n」に関する証明で、結果が分かっていますからね^^
(Principle Piece 数学B 数列 pp.50-57)
q(n)、p(n)がともに3項間漸化式となりますので、オトトイ法となります。p(k)=q(2k-1)、p(k+1)=q(2k+1) と仮定し、p(k+2)=q(2k+3)が言えればOKです。 (2)の結果と、漸化式を駆使しましょう。
※KATSUYAの解いた感想
お、これも割といけそうな雰囲気^^ (1)は1つ上げて計算するだけやな。(2)は(1)を使いたいから漸化式をつかう。(3)も帰納法ですぐに出来そう。(1)は(2)のために使ったから、(2)の結果を使うと予想。予想通りですんなり終了。解答時間13分。
☆第5問-整数、論証(C、40分、Lv.3)
2項係数が偶数になる条件を題材とした問題。本学受験者であれば過去問で数回、この手の問題を見ているでしょうが、毎回難しく、今回もなかなか思うように解けなかったとお思います。
まずは、いくつか試してみましょう。数学においては、とにかく1、2、3・・・を入れてみる。これが究極原則です。特に今年は、昨年とは打って変わって、小問が一切ありませんので、最初の第1歩を踏み出すために、どこかしらに動く必要はがあります。
いくつかためすと、しばらくは奇数であることはわかるでしょう。2014と2、2012と4 など、せっかく分子に偶数や4の倍数が出ても、もれなく分母にも出てくるからです。
この悪循環(?)を断ち切れるのはいつか、を考えると、予想はついたのではないでしょうか。そもそも、悪循環がこんなに長く続くのはなぜかを考えるとわかります。2015+1=2016は、32×63と、割と2の因数を持っています。これが原因です。あとは、2016-k と k は、k=32になるまで、ずっと2の因数が等しいことを言えばOKです。
過去問に、「2のn乗ー1の2項係数はすべて奇数」という事実をもとにした問題がありました(1999年、理系第5問)ですが、この問題をよく研究していれば、上の事実にたどり着着やすかったと思います。
※KATUSYAの解いた感想
また2項係数。結構好きやな。東大。しかもなんか2のn乗のときの事実がじゃっかん使えそうな気が・・・2015+1=2016は2の因数を・・・5個ももっとる。ってことは31までは奇数で、32だと、、、1984は64の倍数やからいけるな^^ あとはこのことを説明して終了。過去問ってかなり大事だとやはり感じる。解答時間14分。
第6問-積分と不等式、極限(CD、45分、Lv.3)
最後は計算もそれなりに多く、誘導かなり飛んでいるために発想力も必要な難問。(1)は言われたとおりに不等式を作っていけば出来たと思います。中央の関数は積分できませんので(そもそもf(x)が分かってません)、積分可能な式で挟みます。g(x)はグラフから-1/n~1/nだけを積分してn倍すれば1になりますので、p、qがそのまま不等式に入るわけすね^^
問題は(2)。(1)の関数を微分すれば(2)の関数になることに、まず気づかないと解けません。また、その結果を用いて部分積分をすることで、(1)の結果が使える形になります。nがn^2になっていたり、関数h(x)は正になったり負になったりと若干(1)とは違いますが、この2つのステップによりすべて解消され、(1)の形になります。
気づけば、ささっと行くは思いますが、気づくまでに時間が残っていたかどうか、ですね^^;
※KATUSYAの解いた感想
(1)は不等式をそのまま使って終了。積分区間はー1~1やけど、1/nより外は意味ないから、そこまでにしよう。(2)は・・・なんか(1)が使えそうな形してるけど、関数違うからそのままはダメやな。nもn^2になっとるし、h(x)は負の値もとるし、、、分割して足す?いや、片方ゼロになるからたぶんダメ。もう一度(1)と見比べる。おっつg’(x)=h(x)やん^^ じゃあ部分積分すれば・・・よしよし!使えた使えた^^ 解答時間27分。
対策
毎年のことですが、付け焼刃な数学の演習ではとてもじゃないけど太刀打ちできません。
量をこなす青チャートレベルのマスターはとっとと終わらせて、早めに質の高い問題集などで「じっくり考える」演習を行うといいでしょう。
お勧めの問題集は、過去の批評を見てください。
>> 2010年の東京大学(理系)数学
>> 2011年の東京大学(理系)数学
>> 2012年の東京大学(理系)数学
>> 2013年の東京大学(理系)数学
>> 2014年の東京大学(理系)数学
最も効果的なのはもちろん過去問ですが、ここ数年はすごく難しいので、受験直前にやったほうがいいです。変に早くやると、おそらく壊滅します(汗) また、過去問の結果を気にする性格の人は、むしろとっとと解説見ながら早目に解いてしまって、身につけていってください。
今年の第5問などでもお分かりかと思いますが、東京大学でも、過去のネタを出してきますので、過去問は最低10年、理想は20年分(今年と関連のある2項係数は1999年で、16年前)です。昔のものは、早めに手に入れて早めに身につけてしまいましょう。解いていて終わるのではなく、解説や研究を超熟読してください。
以上です^^ 次回は、東京大学(文系)です。今年は理系と共通問題がほぼありませんでした。
>> 今年の年度も見てみる
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Principle Pieceシリーズの販売を再開しました^^ 原則習得のための参考書です。
YouTube開設しました。 個人的に紹介したい大学入試数学を中心に解法や発想を動画にしてみようと思います。