東京大学 文系 講評| 2022年大学入試数学

      2022/05/31

●2022年度大学入試数学評価を書いていきます。今回東京大学(文系)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2022年 大学入試数学の評価を書いていきます。


2022年大学入試(国公立)シリーズ。
東京大学(文系)です。

問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。

また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。



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YouTube開設しました。 個人的に紹介したい大学入試数学を中心に解法や発想を動画にしてみようと思います。




東京大学(文系)
(試験時間100分、4問、記述式)

1.全体総評~文理共通問題を中心に厳しい~

解答時間的には最近2年よりも短めですが、点数的にはとりにくく、難易度は変化なしとします。理系と同じく、ここ数年の難易度のまま推移しており、厳しいセットです。2020年のような捨て問級のものはありませんが、計算力重視の前半と、発想力も見る後半でくっきり分かれました。

まだチャンスのある前半も、物理のような文字計算を含む問題も随所にあるため、文系受験生にとっては非常にとりにくいセットだったと思います。

分野的には、微分法から2問、あとは整数と確率が文理類似問題です。ほぼ数Aと数IIってことですね。今年は積分法がでませんでした。



試験時間100分に対し、標準解答時間は125分

2021年:140分

2020年:140分(4番を捨てれば80分)

2019年:105分

2018年:95分

2017年:90分

2016年:100分

2015年:130分

2014年:95分

2013年:120分

2012年:100分

2011年:95分

2010年:95分

過去13年平均:110分

2.合格ライン

前半の2問がキー問題。発想はそこまで必要ありませんが、第1問は計算の仕方次第。第2問は見掛けにひるまず行けたかどうか。

第3問、第4問は理系との類似問題で厳しめ。どちらも(1)どまりか。

 

第1問、第2問はどちらかは取りたい。第3,4問は(1)を取る。前半で振るわないなら、第4問をなんとか考え抜きたい。半分いかなくても大丈夫なのではないかと。

3.各問の難易度

☆第1問 【図形と式+微分法】直交する放物線上の2接線、放物線に接する円(BC,30分、Lv.2)

放物線に直交する2接線を題材にした問題。よくあるパターンですが、a,bと文字定数が入ります。それでも、普段通りの計算を文字で遂行できたかどうかがポイント。後半はうまく計算しないと長い道のりになります。

(1)2接線が直交するタイプの問題は、以下のどちらかの方法で攻めます。

A.傾きを設定して解と係数の関係で攻める(積=ー1の利用)

B.接点を設定して接線を求め、傾きの積ー1を利用する

今回は原点を通るので、y=mxと設定しやすいですし、Aの方法の方が早いかと思います(私はBでやりましたが)。重解を持つ条件としてmの2次方程式になりますが、この解の積がー1なので、解と係数の関係に持ち込めばOKです。平方完成すると分かりますが、この放物線の頂点のy座標は1/4で、a.bに倍よらないことが分かります。(※1)

 

(2)は、この接線との接点で接するような2円を考える問題です。曲線と円が接する問題では、接点から法線を引いて考えます。そこから引いた法線と、軸との交点が中心となります。

問題は半径ですが、これをまともに2点間の距離公式で出してしまうと、かなりメンドウです。x座標の差だけを利用し、√m2^+1倍でナナメの線にできたかどうかです。

また、解mは汚いので、接点なども含めて、最後までm1とm2などで置いたままにできたかどうか。交点が汚いときはα、βを主役にすることも基本でしたね。

最初にmをa,bで表してしまうと(出来なくはないですが)、(1)のa^2-4b=1を駆使しながら、a,bの4次式を解くことになります。ルートも残っていますし、理系でも骨の折れる計算です。

 

もう一つの方法は、少し発想重視になりますが、相似の利用です。今回、接線が直交しているので、接点から軸に垂線を下ろすと相似な直角三角形が見えます。半径はどちらも斜辺なので、小さい方の縦=大きい方の横の2倍であればOK。しかも縦=1/2と非常にきれい(※2)なため、大きい方の横=1となればOKです。これなら、mをa,bで表していてもそこまでしんどくありません。

 

計算で攻めるならmのままうまく行う必要があり、相似で攻めるなら相似に気づく必要があります。差が付きそうですね。

 

※1・・・この放物線の準線が原点を含むx軸となります。理系の範囲になりますが、準線上の点から放物線に引いた2接線は直交します。文系ではこれを題材にした問題をまあまあ見かけますので、知っておいてもいいと思います(放物線の準線の公式等は適当にググれば出ると思います)。

※2・・・放物線上の点における法線を引いた場合、放物線上の点と軸の交点のy座標の差は接点によらず一定(今回は1/2)になります。厚物参考書系統なら法線の問題があると思いますので、確認してみてください。

 

※KATSUYAの解答時間は19:14です。(2)で泥沼にはまりかけてやり方を変えた内の一人です。mで置いたまま計算するという基本的な作業を怠りました。その後、相似利用に変えました。テストのつもりで解いているので、答案を消す時間もロスになりますね^^; 改めて受験生のみなさんの大変さを身に染みて感じました。

 

☆第2問 【微分法】3次関数と法線が3点で交わる条件、3次式の取りうる値の範囲(B、25分、Lv.2)

第1問に引き続き微分法で、こちらは3次関数です。法線が3点で交わる条件を求め、その条件下でいろいろ計算する問題です。問題文をみてごつそうで避けた人もいるかもですが、それより後ろはもっと厳しいので、これを確保したいところです。

(1)はとりあず接点が与えられていますので、法線の式を出しましょう。傾きはー1/3α^2ー1となりますが、分母が文字式なので、これが0の場合は条件に合わないことを、これの前にさくっと述べておきましょう。

この法線と元の式を連立し、3つの解を持てばいい事になります。法線の式がごついので連立は嫌な感じがしますが、x=αで交わることは明らかなので、(x-α)で因数分解できるはずです。最初からそう思っていれば、x^3とα^3をペアにするなど、うまくペアを作って因数分解できるでしょう。本問はここの因数分解ポイントだと思います。ここで詰まった場合は全滅に近いです。

結局2次式の方が、α以外で異なる2解をもてばいいだけなので、判別式利用でOKということです。なお、D>0のときに両辺に3α^2-1を掛けるのはマズイです。方程式ならいいですが、不等式の場合は3α^2ー1の符号次第で向きが変わります。

今回は分子が確実に負なので、分母も負となることが条件です。ここも係数的には気づきにくいところですかね。

 

(2)以降は(1)が出来れば楽勝だと思います。(1)で出した2次方程式の解と係数の関係を使うだけです。

(3)も式はごつそうですが。(2)のプロセスで分かるように、逆数をとることでαの多項式になりますので、uはただの3次関数となりますので、微分して増減表を書くだけですね。なお、最大・最小で聞いてこない理由は、端っこが含まれないからです。この手の場合は、だいたい「取りうる範囲」と聞いてきます。

 

※KATSUYAの解答時間は14:47です。これが本セットで一番ラクでした。

 

☆第3問 【整数+数列】漸化式、最大公約数(C,40分、Lv.3)

漸化式で与えられた数列について、何の倍数になるのかなどを考察する問題。理系との類似問題になっていますが、発想重視である点において難易度に大きな変化はなく、厳しい問題です。

(1)は周期性の予測をしたいところ。原則というわけではありませんが、年号がらみの問題はその数値の大きさから、周期性が絡んでいる問題が95%ぐらいを占めていると考えていいと思います。

余りの議論なので、合同式を用いてどんどん調べていってみましょう。周期6で変化することが分かります。あとはそれを一般化しますが、n絡みの証明なので、帰納法を用いましょう。

[1]a1~a6と、[2]a(6k)≡2を仮定して、a(6k+6)≡2まで言えれば、繰り返しが証明されます。6周期なので記述量が増えますね。

(2)が本セット最難問です。理系の問題の方でも聞かれた最大公約数の問題です。文字式の最大公約数を求める問題では、ユークリッドの互除法が威力を発揮します。

例えば、a(2023)=a(2022)^2+2022×20204です。これは、「a(2023)をa(2022)で割ると、商がa(2022)、余りが2022×2024」とみることができます。

なので、a(2023)とa(2022)の最大公約数はa(2022)と2022×2024の最大公約数になります。

a(2024)でも同様に考えると、求めたい最大公約数は2022×2024と2023×2025の最大公約数以下(その約数)となります。ここまで気づけば、コツコツ素因数分解すれば3しかないことが分かります。なので、答えは3か1です。(1)でa2022は3で割れないので、1ですね。

あまり普段見ない手法なので、思いつくのが難しかったかもしれません。(1)がきちんと証明できていればOKでしょう。

※年号数値の(素)因数分解について

2022は簡単に6の倍数と分かるので大丈夫でしょう。2025=45×45の平方数として比較的出やすいです。

2023=7×17×17なのはちょっとムズイですが、7で割った商が289なら平方数と気づきたい。文系は19×19=361、理系は29×29=841までは覚えておいた方がいいと思います。

2024も意外と出来ます。2000+24なので8で割って商が253。素数っぽいですが、11の倍数判定法により11で割れて11×23となります。

 

※KATSUYAの解答時間は11:40です。理系の類似問題で発想が分かってしまっているので、参考値です。

 

第4問 【確率+ベクトル】コインの裏表とベクトル、確率の最大値(C、30分、Lv.2)

最後は確率で、文理共通の題材です。問題文も長く設定の理解も難しいですし、問題も(1)から間違える可能性があり、残り時間を考えるとかなり厳しいと思われます。

回数の数値設定だけが少し文系の方が甘いですが、結局どんな式で求められるかが思いつかないと、200回だろうが98回だろうが(2)は解けません^^;

(1)5回で原点に戻ってくるには、表は0回か3回です。3回の方は、表と裏が交互に出る場合だけです。

(2)では90回の表を、8回の裏の間にどう入れるかについて、重複含み合わせの考え方が使えます。これに気づけば(2)も楽勝ですが、(1)の5回が少なすぎるので、逆に文系の問題の方が気づきにくいような気もします。

 

詳しくは理系の方のエントリーで書きましたので、そちらをご覧下さい。

 

※理系とほぼ共通なので、解答時間は測っていません。

 

4.対策

出題分野は、確率(漸化式と絡むことが多い)、図形、微積分です。4題中3題は傾向が固定されていると言えますので、比較的対策は行い易いと思います。(確率が出ませんでしたが、かなりまれ。出ると思ったほうがいいです。)

東大の問題はどれも質が非常にたかく、かつよく考えられた創作問題といえます。パターンにはまった学習だけでなく、数学を本質から理解している人ほど点数が高くなるような試験になってます。標準問題のマスターは前提で、加えて質の高い問題、かつ、さまざまな方面から解説を行っている問題集でじっくり考える演習も必要です。

原則習得段階を確実に、かつ素早く行い、入試演習になるべく早い段階で入っていきましょう。多くの問題に触れることで様々な表現に慣れていくべきです。最終段階は入試標準演習で大丈夫だと思います。

東大は文系の数学も単科で販売があります。理系同様、良問なので解法研究をこれで行うのがいいでしょう。

 

以上です^^

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