立命館大学 全学方式文系(2/2) | 2021年大学入試数学

   

●2021年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は立命館大学(全学方式文系:2/2)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2021年 大学入試数学の評価を書いていきます。

 


2021年大学入試(私大)シリーズ。

立命館大学(全学方式文系:2/2)です。


問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。

また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。

※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。

同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。




立命館大学(全学部方式文系:2/2)
(試験時間80分、3問、ハイブリッド型)

※ハイブリッド型・・・記述式と穴埋め式が混合しているもの。


1.全体総評~昨年並みで難易度は中くらい~

2019年までは「易か難か」といった感じの出題が続いていましたが、今年は昨年と同じで真ん中ぐらいです。

名物の第2問は今年も難しくないく、第1問が普段よりボリュームがある傾向も昨年同様です。

分野的には数II、数Bは数列とベクトルが両方、数Aは整数がちょろっといった感じなので、こちらもバランスは取れています。微分からの出題がありませんでした。

穴埋めを考慮すると、制限時間内にも収まりそうです。



試験時間80分に対し、標準回答時間は88分【68分】(←穴埋め考慮)

2020年は90分【67分】(←穴埋め考慮)

2019年は102分【77分】(←穴埋め考慮)

2018年は100分【74分】(←穴埋め考慮)

2017年は71分【53分】(←穴埋め考慮)

2016年は98分【66分】(←穴埋め考慮)

2015年は68分【46分】(←穴埋め考慮)

2.合格ライン~~

第1問がキー問題か。[1]のベクトルは全部欲しい。(2)はうまく組み合わせてあり、差が出る。(3)は(b)までならパターンのはず。21個中15個ぐらいあると安心。

第2問は誘導に従って数値計算カリカリやるだけ。8割以上正解したい。
第3問もキー問題か。[2]でb、dが出ないと苦しいが、全て調査出来れば勝ち。これ以降は最後まで時間があれば解けるはず。
制限時間を考えると、第3問でb、dを出す時間はあるはずなので、今年も60%では数学は借金でしょう。7割ないと不安が残りそうですね。

3.各問の難易度

緑色のコメントは、問題を解く上で必要な原則を表しています。

第1問(1)・・・【ベクトル】垂直・平行条件、長さ(A、9分【6分】、Lv.1)

平面ベクトルの基本です。ワークにある問題を組合わせたような、定期テストタイプの問題。

最初は連立して出しましょう。垂直(内積ゼロ)、平行(実数倍)条件もいいですね。最後もよくあるパターンです。長ったらしいベクトルの絶対値は2乗しないと何も分かりませんので、2乗しましょう。

 

 

☆第1問(2)・・・【指数・対数+方程式】連立方程式、3次方程式、不等式(B、10分【7分】、Lv.2)

指数方程式と対数方程式の連立で、3次方程式が絡みます。比較的練られた融合問題です。前ならセンターにありそう。(新テストにはなさそう)

とりあえず誘導に従っていきましょう。①ですが、対数の足し算、引き算は項を1つに出来ます。右辺もlog1/3(底3)にすると分かりやすい。

②はyを消去すると、3^x、3^3xなどの項が出ます。+1などのしっぽは前に出して、誘導通り置き換えましょう。3次方程式になりますが、因数定理で簡単にt=2は分かるかと。残りが虚数似なることは確認しておきましょう。

最後のkx≧6ですが、こちらも2項しかないので、logで揃えれば2^k>3^6となりますね。なお、2や3など一ケタの累乗は難関私大受験者なら文系でも知っておいた方が得です。

 

 

☆第1問(3)・・・【図形と式】実数解が満たす不等式条件と最大、最小(B、24分【16分】、Lv.2)

昨年に引き続き、領域と最大、最小のタイプです。今年は実数解条件で、領域の中ではレベルは高め。

このタイプにおいて大事なことは、明示されている不等式条件以外に、実数解条件という暗黙の条件が必要なことです。本門は誘導があるので忘れる可能性は低いと思います。「ツ」はもちろん対称式利用で解決しましょう。解と係数の関係と対称式の値は常にセットで意識しておきましょう。

(b)は不等式条件下での最大・最小なので領域図示になります。また、求めたい式=kとおいてグラフで視覚化しましょう。また、曲線が含まれている場合は、最大・最小の候補は端点か接点になります。接点を忘れないようにしましょう。

(c)はα^2>β^2が含まれていますが、これをどう処理するかです。α>0の下では、この条件がα+β>0(p>0)と同値であることに気づかないとちょっと難しいかもです。

 

 

※KATSUYAは計17分で解いています。2つ目も差が付きそうで、3つ目も(c)は少し考えた。

 

第2問・・・【座標+積分】ジニ係数の計算、面積(AB、20分【14分】、Lv.1)

立命館文系の第2問は名物、身近な数学問題です。今年はジニ係数と呼ばれるものの計算ですが、計算の仕方は丁寧に書いてありますので、今年も「易」だと思います。

まずは第1段落をきちんと読んで、意味を把握しましょう。わざと分かりにくく書いてあるように見えますが、数学的には簡潔な表現だと思います。第2段落のアイウは意味が分かっているかどうかの確認です。累積人員率=累積相対度数のようなものですね。

あとはそれを座標化し、おちついて面積を計算すればOK。台形がいっぱいですが、落ち着いてやれば小学生でも計算できます。

第4段落はどんなときにいくつに近づくかです。定性的なことがこれまでの計算で分かっていればいけるでしょう。0~1の間になるのは感覚的にもつかみたい。最後に積分計算か円の面積計算をちょろっとやらされますが、ここまでで意味をちゃんと把握していればおまけみたいなもんですね。

 

 

※KATSUYAの解答時間は7分です。今年もここはラクやったな。

☆第3問・・・【数列+対数+整数】等差×等比の和、桁数(B、25分、Lv.2)

最後は数列をメインとした問題で、整数条件等から等差数列と等比数列を決め、最後に和の桁数を聞く問題です。

(1)は具体的に数値が入っているので、おちついて計算しましょう。8項目までなので注意。

(2)がメイン。ここで詰まるとあと全滅です。まずb、dに関する条件から、(b,d)の組み合わせは知れていますので、全調査します。するとa、rに関する連立方程式が得られますが、aは簡単に消去でき、r^3-r=● という形が得られます。

ここで、整数の知識を使えるとかなり早く解決出来ます。左辺=(r-1)r(r+1)となり、連続3整数の積となりますので、6の倍数になります。従って、b,dの組み合わせのうち、●が6の倍数にならなければ即却下し、なったものだけ実際に解があることを確かめればOK。

n^3-nなどはワークなどでは見かける式ですが、自分で気づけるかどうかは演習量次第ですね。もし気づかない場合は、r^3-rを関数とみなし、微分するなりして少し細かく調査し、整数解がないことを調べるしかないです。

無事に(2)をクリアしたら(3)は等差×等比の和なので、S-公比Sを計算しましょう。計算ミスをしやすいタイプです。n=1,2あたりで検算をしましょう。

最後は桁数です。桁数といえば常用対数の整数部分です。「+2によって繰り上がりがなく、桁数が変わることはない」ことは一言断っておきたいですね。(9999+2=10001のようなことはない、ということです)

 

※KATSUYAの解答時間は14分。ここは昨年より計算量多めかな。

4.対策~第2問はとにかく過去問で対策を~

第2問の名物に関する対策は難しいですが。本格的な演習は過去問が最もいい、というか過去問しかないでしょう。別日程の分も含めれば、かなりの回数の演習が確保できるはずです。

第1問や第3問の対策はチャートのような網羅系参考書で十分です。青チャートのコンパス4ぐらいまでやりましょう。難しい問題を練習するよりも、典型レベルで表現が変えられても分かるようにしておくことが必要。

 

チャートを忘れないように復習しつつ入試基礎演習の段階まできちんとこなせば、その後は過去問に接続しても大丈夫かとは思います。

以上です^^

■他年度の、本大学の入試数学■

>> 
2010年度

>> 
2011年度

>> 
2013年度

>> 
2014年度

>> 2015年度

>> 2016年度

>> 2017年度

>> 2018年度

>> 2019年度

>> 2020年度


 - 2021年度大学入試数学 , , , , ,