立教大学 文系数学(2/9) 講評|2022年度大学入試数学

      2022/07/26

●MARCHの数学シリーズです。今回は立教大学・文系(2月9日)(2022年)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。今年度はMARCHシリーズを追加していこうと思います。

MARCHレベルの大学入試は基礎的な原則を習得する上で非常に良く、それでいて適度にひねられているため入試基礎演習としても適切です。原則習得+入試基礎演習を兼ねた問題の講評を行っていきたいと思います。


MARCHシリーズ

立教大学(2022年文系・2/9)です。

問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。





知らなかった場合は、言葉を覚えるだけでなく、必ず教科書や問題集等で該当する類題を数題見つけ、演習することで定着させてください。自分で探して自分で解く。これが一番身に付きます。

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立教大学(2022年文系・2/9)
(60分、3問、ハイブリッド型)

※ハイブリッド型・・・穴埋め型と記述式の混合

1.全体傾向~いかにミスせずに高得点を取れるか~

2/6実施と難易度、構成ともに変わりません。

大問3問構成で、第1問は小問集合、第2問と第3問は記述です。全体的に入試基礎レベルで誘導も丁寧です。その分、少し問題数は多めで、時間内にいかにミスせずに高得点を取れるかがカギになります。

小問は難しいわけではないですが問題数が多く、方針が立たずにぐだってしまうと、あっという間に時間を持っていかれる可能性もあるので、油断はできないセットです。

解答時間は83分【62分】(←穴埋め考慮)

 

2.各問の難易度

本文にある緑字(この色)は、大学入試数学を解く上で必要な原則を表しています。

第1問(1)…【複素数と方程式】複素数の計算(A、4分【2分】、Lv.1)

2乗して-4iになる複素数を求める問題です。

a+biと問題文に書かれているので、素直に左辺を2乗し、実部と虚部を比べましょう。対複素数は実部、虚部で2つ方程式が立てられます。複素数の範囲でも、2乗根は2つありますので注意。虚部の等式から1文字消去しましょう。

※理系の複素数平面の知識があれば、絶対値と偏角を利用して求める方がラクです。

 

 

第1問(2)…【数と式】絶対値付き不等式(A、5分【3分】、Lv.1)

絶対値付き不等式の解を求める問題。絶対値の中身x=0を境目に場合分けです。

x<0のときはD<0、あるいは平方完成をすることによって常に成り立つことが分かります。

 

拙著シリーズの数学の参考書 Principle Piece 数学I 数と式をお持ちの方は、p.46~p.48、p.59~p.61で原則などを復習しておきましょう。

 

 

第1問(3)…【整数】整数部分の条件(A、5分【3分】、Lv.1)

nに関する根号の入った式の整数部分からnを決定する問題。

整数部分がn+7なので、n+7以上n+8未満ということです。あとは2乗して整理すれば分かります。こちらも基本ですね。

 

 

第1問(4)…【対数】桁数(A、5分【3分】、Lv.1)

20^22の桁数を求める問題で、こちらも基本問題ですね。

桁数を聞かれたら常用対数の整数部分ですね。20=10×2なので、常用対数の値も簡単に出せます。

なお、最高位を聞かれたら小数部分を見ます。セットで覚えておきましょう。

 

 

☆第1問(5)…【場合の数】組分け(A、4分【2分】、Lv.1)

8人を組分けする問題で、こちらも典型的かつ基本的です。

組分けの問題では、同じ人数のグループに注意するのが原則です。2人グループが3つあるので3!で、1人グループが2つあるのでさらに2!で割ることを忘れないように。

 

 

☆第1問(6)…【データ分析】連続する整数の分散(AB、10分【6分】、Lv.1)

連続する2n+1個の整数の分散を求める問題。小問の中では難しい方です。

分散は、すべての数字を同じだけずらしても変わらないことを利用すると、結局1~2n+1で分散を出せばいいと分かります。等差数列なので平均は最初と最後の平均n+1などとして計算をさぼっていくと時短になります。

分散は平均の差の2乗の平均ですが、平均の差も対称に-n~nであることを利用すると和も簡単にわかります。

 

 

第1問(7)…【平面ベクトル】垂線のベクトル(A、5分【3分】、Lv.1)

三角形の頂点から対辺に下した垂線のベクトルを求める問題。

垂線なので、内積OD→・AB→=0です。ODも式が与えられていますし、方針に詰まることはないと思います。2辺と間の角が与えられていますので、内積OA→・OB→も出せます。

平面ベクトルでは、OA、OBと内積OA→・OB→の3種が分かれば基本的に何でも出せると思っておきましょう。

 

 

出来れば全部取りたいところです。分散は落とすかもですが、それ以外は欲しい。7問中6問をとりたいところ。

 

 

第2問…【三角比・三角関数】三角関数と図形、親子三角形(B、20分、Lv.2)

最初にネタバレしますが36°、72°、72°の親子の三角形を題材にして、cos36°を求める問題。

あまり見ない誘導方法ですが、小問に刻まれていて非常に丁寧な誘導なので、そんなに難しくないと思います。

(1)(2)は、角の二等分線から面積を2通りに表すという原則を用いればできます。(1)で面積を求めていますし、分かりやすいですね。

(3)は2乗も入ってますし、それ以外の2辺とその間の角は与えられていますので、余弦定理が思いつくと思います。

(4)ばBC=1であることから、ABCも二等辺三角形となり、∠ACD=2θとなります。それから、ADCの2等辺三角形に着目すれば5θ=180°となります。ここで、例の親子三角形(相似な三角形が自身の中に入っている)だと分かりますね。

(5)は、親子の三角形だと気づけばAC=AD以外に、BDも等しいとすぐにわかります、なので、a=bということです。あとは(2)(3)を利用すればcosθが出ますね。

※私大受験者であればcos36°などの値は知っておきたいところです。穴埋めで答えるところで出てくるかもしれないので。

 

(5)はa=bに気づけるかどうか。それ以外の(4)までは欲しい。

 

 

☆第3問…【微積分総合+式と証明】3次関数の極値、面積の最小値(AB、20分、Lv.2)

3次関数を題材とした微積分総合問題です。最後に、相加平均・相乗平均を用いて最小値を求める問題があります。

(1)はすなおに展開して微分でもいいですし、積の微分ぐらいなら文系でも用いても大丈夫でしょう。使わなくても、積の微分の公式を知っているだけでも、(x-3a)が因数に残ることが分かるので、見通しはいいです。

(2)は極大値x=aで4a^2を取るということです。

(3)面積を求めるには交点と上下関係が必要なので、グラフは書きます。(2)で増減表は書いていると思いますので、グラフもそんなにしんどくはないかと。

(4)は面積の最小値。(3)が正しく求められていれば相加平均・相乗平均を利用する形だと分かると思います。a+●/aのような形は、相加・相乗利用でも見抜きやすいですね。

 

 

計算さえミスらなければ最後まで行けるはず。あとは時間との兼ね合い。(ii)まででミスると全滅するので差はついたか。

 

3.対策~入試基礎レベルをとにかく正確に、そして素早く~

出題範囲は小問集合がまんべんなく、第2問と第3問はIIBからという印象です。チャート式(黄色で大丈夫です)のような網羅的問題集をこなしておき、入試基礎レベルの問題を多くこなしておきたいです。大学への数学の「入試数学の基礎徹底」などはレベル的にあっていると思います。

時間的には忙しいことと、問題の難易度からして高得点での勝負になると思われますので、答えを出すことを優先するモード(穴埋めモード)で素早く計算する練習もしておきたいですね。

 

量をこなす演習:じっくり演習=8:2ぐらいでOKです。うまく融合されている問題が多いので、過去問演習が大事。

以上です^^

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