入試問題集2018(数研出版)のレベル・難易度や勉強法は?

      2018/07/21

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数研出版の「入試問題集」は、最新年度の入試問題を収録した問題集で、毎年更新されます。物理や化学などでも発刊されており、重要問題集と並んで根強い人気の問題集です。

本エントリーでは、そんな「入試問題集」の最新版、2018年の入試問題集について、難易度(掲載問題のレベル)や勉強法などについて紹介します。さらに、同じ数研出版から出ている「重要問題集」との比較も行っていきます。

 

1.入試問題集2018 数学はどんな参考書?

数研出版の「入試問題集2018 数学」は、以下のような参考書です。毎年少しづつデザインが違いますが、おおまかには白が基調で、直線図形のアクセントが加わっています。今年は青と紫が基調のようです。

 

 

 

 

入試問題集は、1・2・A・Bにも文理系用と理系用に分かれていますので、農学部や薬学部等、数学3を使用しない理系の学生さんも、迷わずに理系用の1・2・A・Bを選ぶことができます。

 

2.問題数、レベル、解説の詳しさなど

入試問題集2018がどのような参考書であるのかを知るために、基本的なデータを見てみましょう。本書のタイプは、入試標準演習タイプです。

→ 参考書のタイプは、自分の今の実力と同じ位、参考書選びの際には重要です。

 

2.(1) 入試問題集2018 数学の問題数

入試問題集2018 数学の問題数は以下のようになっています。(18/07/21 2018年度版に更新済み)

  • 1A2B(理系用)の問題数・・・282
  • 数学3の問題数・・・212題
  • 1A2B(文系用)問題数・・・284題

理系用は数学IIIまで合わせると約500題、文系用が300題弱です。

特に理系は、入試標準演習タイプとしてはかなり多めです。発刊時期が毎年7月頃になるのはしょうがないと思いますが、11月までに全て演習しようと思うと、早めに取り掛からなければなりません。

数研出版ではお馴染みの「✽印」もあるので、それだけでも演習していくという方法が最も一般的かと思われます。

 

2.(2) 入試問題集2018 数学のレベル

本書のレベルは、中堅大レベルが2割、難関大レベルが6割、超難関大レベルが2割程度です。各単元とも、易~難へ配置されています。

重要問題に比べると、超難関大レベルの問題が多めという印象です。東大や京大などの有名大学の問題は全て配置されていると言っていいでしょう。

難しい問題には◇、超難問には◆のマークがありますので、意欲的な人がチャレンジする目安となります。

 

2.(3) 入試問題集2018 数学の解説

「入試問題集2018 数学」の解説については、普通です。解答冊子はかなり分厚く、1問1問の答案はかなりきっちりまとめられています。途中の式省略もありません。「これで減点されることはない」というぐらいきちんと書いてあります。

ただし、白黒刷りで視覚的なアクセントはほぼなく、無機的な印象を受けるかもしれません。別解やそれにまつわる背景の解説などもあまりありません。

答案としてはほぼ完ペキで、それ以上でも以下でもない、という印象ですね。

 

3.入試問題集2018 数学の使い方(勉強法)など

「入試問題集2018 数学」の使い方の前に、どのような人が使うと効果が上がるのか、オススメ対象を見ていきましょう。

3.(1) オススメ対象

入試問題集 数学のオススメ対象については、下記にあてはまる方です。上に書いてあるほうが優先です。

  1. 難関大以上の大学志望である。
  2. チャート式などで原則を7割以上習得済みである。
  3. 入試基礎レベルを6割以上習得済みである。
  4. 過去の数学の模試の偏差値が60以上である。

入試問題集は、最初から入試問題が並びます。従って、日常学習レベルでの基礎事項の確認などは出来ませんので、そのレベルに達している必要があります。

また、入試問題集の多くは、難関大レベル以上です。従って、日常学習レベルで一通り終えた程度の段階では、難しすぎて手がつきにくい可能性があります。中堅大志望の場合は、もう少しレベルをおさえた問題集が適しています。(チョイスチェック&リピートなど)

東大・東工大・京大などの超難関大レベルを目指す人でも、数学で8割、9割を目指す人でない限りは、本書を最後の演習書としても問題ないでしょう。

→ 超難関大の数学でぶっちぎりたい人は、さらに仕上げ・直前タイプの参考書へ行きましょう 

 

3.(2) 入試問題集2018 数学の使い方(勉強法)、購入時期

本書は例題等はなく、ひたすら問題が並ぶ問題集型の構造ですので、基本的には頭から順番に取り組みましょう。

おなじみですが、問題集型の参考書は、奇数番号→偶数番号のように解いていくことで、どの分野もまんべんなく記憶にとどめておくことが可能です。

量が多いので、必ずしも全て解く必要はありません。志望する大学のレベル、または演習可能量に合わせて、基本問題は端折る、◇印・◆印の問題はやらない、✽印だけを演習するなどの選別をしましょう。

理系用は500題ありますので、全てやるのであれば11月までとして、1日4題ぐらいです。文系用なら1日2題です。

 

4.入試問題集と重要問題集はどちらがよい?

数研出版には、入試問題集の他に重要問題集というものもあります。どちらも数研出版の市販の問題集の中で、最も受験生に人気の問題集で、双璧をなすといってもいいでしょう。

→ 重要問題集(数研出版)数学についてのエントリーはこちら^^

かと言って、両方やるにはあまりにもタイプがかぶりすぎていますし、量的にもかなりしんどいです。ほとんどの受験生は、どちらか一方に絞るでしょう。

 

 

その比較について個人的な見解を述べておきます。入試問題集は、あくまで最新年度の入試問題集を集めたものです。「良くも悪くも、その年に出なかったタイプは載らない」という縛りがありますので、数研側が想定している重要問題が全て集まっているとは限りません。

一方で重要問題集は名前の通りで、最新年度に出題されていなくても、重要パターンは一通り網羅されていることになります。

最新の傾向を知る上では入試問題集の方も良いと思いますが、重要問題集もまだ発刊されたばかりなので、割と最新です。従って、現段階では重要問題集は「最新かつ重要な問題」と言えますので、個人的にはこちらに軍配を上げたいと思います。

ただし、重要問題集は難易度が入試問題集よりわずかに高いです。入試問題集にはわずかですが、各単元の基本問題(○印)が最初にあります。数学にかなり自信があるなら重要問題集に軍配を、そうでない場合は入試問題集の方がいいかもしれません。

 

また、重要問題集は数年間内容が変わらない可能性がありますので、時間がさらに経過したときに問題が少しづつリニューアルされていくかどうかが、今後のポイントになりそうです。

 

5.まとめ~量が多いので、自力で選別する力も必要~

入試問題集2018 数学について、まとめておきます。

  • 重要問題集と双璧をなす、数研出版が毎年発刊する最新の入試問題集。
  • 1A2Bは理系用と文理系用に分かれており、300題弱を収録。数学3も合わせると500題と、かなり多め。
  • 解説は普通。答案としては満点で、式変形の省略は少ない。別解、背景などはほとんどない。
  • 難関大・超難関大志望でも、本書を最後の演習書としてOK。レベルに合わせて選別して取り組むと良い。

 

 

 

 

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