数学の良問問題集300(旺文社)の難易度、レベルや使い方は?
2016/09/22
旺文社の「良問問題集」は、今年の7月に発刊された入試演習用の参考書で、新刊です。数学の他に化学および生物で発刊されています。
本エントリーでは、「良問問題集」の数学についてどのような参考書なのか見ていきたいと思います。
1.良問問題集 数学はどんな参考書?
「良問問題集 数学」は、以下のような参考書です。オレンジと白が基調の、比較的シンプルなデザインです。
数学でのアマゾンランキングが13位なので、かなり人気と思われます。良問集という響きも相まっているようです。
※アマゾンランキングは2016年7月17日時点です。
なお、本書の良問は、問題のラインナップを見ている限り、「じっくり考える価値のある問題」という意味ではないようです。出題頻度が高いパターン問題という意味に近いです。
そもそも、前者の意味での良問が300問もあったら時間が足りませんので、後者の意味でしょう。
2.問題数、レベル、解説の詳しさなど
良問問題集 数学がどのような参考書であるのかを知るために、基本的なデータを見てみましょう。本書のタイプは、入試標準演習タイプです。
→ 参考書のタイプは、自分の今の実力と同じ位、参考書選びの際には重要です。
2.(1) 良問問題集 数学の問題数
良問問題集 数学の問題数は、表紙に書かれている通り300題です。数学3まで含まれており、入試標準演習タイプとしては充実していると言えます。
レベル別に「確認問題」「必須問題」「レベルアップ問題」の3段階に分かれています。確認問題では基本事項の確認のようなものも含まれています。
2.(2) 良問問題集 数学のレベル
本書のレベルは、中堅大レベルが4割、難関大レベルが5割強、超難関大レベルが1割弱程度です。
類書には数研出版の重要問題集、入試問題集などがありますが、その中では比較的難易度の低い問題も含まれている入試問題集といえます。
また、「必ず解いた方がいい100問」として、100問が選別されています。
本書の最大の特徴は、学習ナビゲーターです。問題のテーマについての索引が存在するため、自分が解きたい問題を効率よく探すことができますし、今後過去問を解いた際にも、こちらに戻ることで類題の復習が可能です。
2.(3) 良問問題集 数学の解説
「入試問題集2016 数学」の解説については、普通です。問題数300題について、解答が272ページですので、そこまで詳しく書かれているわけではありません。
同じ旺文社の基礎問題精講、標準問題精講の例題の詳しさと比較すると、少々劣ります。
3.良問問題集 数学の使い方(勉強法)など
「良問問題集2016 数学」の使い方の前に、どのような人が使うと効果が上がるのか、オススメ対象を見ていきましょう。
3.(1) オススメ対象
良問問題集 数学のオススメ対象については、下記にあてはまる方です。上に書いてあるほうが優先です。
- 中堅大以上の大学志望である。
- 数学1A2B3の学習を一通り終えており、チャート式などで原則を5割以上習得済みである。
- 入試の基本レベルを一通り学習済みである。
- 過去の数学の模試の偏差値が55以上である。
良問問題集は、確認問題が比較的穏やかなので、苦手な分野についてはここから始めることで、基礎の確認から入ることが出来ます。従って、入試基礎レベルの習得に自信がなければ、本書で確認問題から取り組むといいでしょう。
自信のある単元では、確認問題を飛ばして必須問題から取り組めばOKです。
超難関大レベルを目指す人の場合は本書の次にもう一段階問題集が必要でしょう。これ1冊では、少し足りないと思います。
3.(2) 良問問題集 数学の使い方(勉強法)、購入時期
本書は例題等はなく、ひたすら問題が並ぶ問題集型の構造ですので、基本的には頭から順番に取り組みましょう。
おなじみですが、問題集型の参考書は、奇数番号→偶数番号のように解いていくことで、どの分野もまんべんなく記憶にとどめておくことが可能です。
理系用は300題ありますので、夏~9月までに終わらせたければ1日4題、11月までに終わらせたければ2題ちょっとぐらいです。超難関大志望者は前者のペースで、それ以外であれば後者のペースで行きましょう。
4.まとめ~基礎も入った入試演習書~
良問問題集 数学について、まとめておきます。
- 数研出版の重要問題集や入試問題集と同じ位置づけで発刊された旺文社の新刊。
- 数学3まで含めて300題で、レベルは3段階に分かれており、基本事項の確認から可能。
- 学習ナビゲーター付きで、問題のテーマの索引がある。後の参考書学習の際にも役に立つ。
- 超難関大志望ならあと1冊、それ以外ならが最後の演習書でOK。