早稲田大学 人間科学部(理系) | 2019年大学入試数学
2020/02/23
●2019年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は早稲田大学(人間科学部B:理系)です。
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^
早慶も折り返し地点を過ぎてきました。慶応医学部という大物がまだ残っていますが^^;
2019年 大学入試数学の評価を書いていきます。
2018年大学入試(私大)シリーズ。
早稲田大学(人間科学部B:理系)です。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。
したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。
早稲田大学(人間科学部B:理系)
(試験時間60分、5問、穴埋め型)
1.全体総評~理系専用問題の計算量が増加し、やや難化~
今年は理系専用問題の計算量が増加しましたので、全体的に難化したと言えます。例年そこまで時間のかからない問題が出ていましたが、今年はレベルも高めです。計算が途中で詰まってしまうと、制限時間内に終わらない可能性もあります。
試験時間60分に対し、
標準回答時間は89分【57分】(←穴埋め考慮)
2018年:63分【42分】(←穴埋め考慮)
2017年:91分【56分】
2016年:82分【51分】
2015年:100分【59分】
2.合格ライン
(科目全体平均は55%~58%)
第1問、第2問は理系なら欲しい。第3問の後半は理系でも詰まる人は出るか。
理系専用の第4問はキー問題。教科書にもある軌跡の問題だが、2問ある上に、数値も単純ではないので計算量は多め。
第5問は実は積分のタイプ自体は昨年にかなり類似していますが、レベルはUP。図形が把握できないと体積を出せない。見かけないものではないが、本学部理系としては難しめ。
第3問の後半,第4,5問でどこまで稼げるか。全部落とすのはキツイ。やはり第4問でなんとか確保したいところ。60%前後でしょうか。
3.各問の難易度
第1問[共]、第2問[共] 第3問[共]
文系と共通なので、割愛いたします。詳しくは、1つ前のエントリーをご覧下さい。
第4問[理]・・・【複素数平面】軌跡(B、22分【15分】、Lv.2)
3年連続で第4問は複素数平面からの出題ですが、今年は計算量が多めの軌跡の問題です。題材的には教科書レベルですが、2回も軌跡を求める上に、回転作業も入っているため、数値も単純ではないです。
最初は、まずγをαで表すことになります。原点ではない点を中心としているので、「平行移動→回転→平行移動」の考え方で計算しましょう。公式として覚えているならそれでもOK。(Principle Piece III-98 数学III 複素数平面 p.18-20)
γの軌跡を出すには、γ=・・・の式をα=・・・に書き変えて条件式に入れます。これも軌跡ではお決まりのパターンですね。(Principle Piece III-114 数学III 複素数平面 p.55-56)
後半も同じです。w=1/γ からγ=1/wの式にして、γが満たす式に代入しましょう。こちらは2乗して計算していくタイプで、まあまあメンドウです。
※KATSUYAの感想:9分で終了。文系の5番の後に解いたので、余計に「なんで同じことを2回もさせるん^^;」と思ってしまいました。
第5問[理]・・・【積分法の応用】回転体(軸をまたぐ円の一部)(B、20分【13分】、Lv.2)
昨年は軸にかぶっていない楕円を、y軸回転する問題でした。
今年も実はネタとしては酷似しており、軸にかぶる円の一部をx軸回転させる問題です。使う原則は同じです。(昨年のままなので下に残します)
(拙著シリーズ(白) 数学III 積分法の応用 p.36)
ただ、表現が遠まわしなため、軸にかぶる円の一部だと気づけることが第一関門です。気づけば、その求め方が昨年と同じ原則であることには気づけると思います。ただ、下の方は円の一部のため、計算が複雑化しています。その計算を合わせられれば御の字ですね^^
※KATSUYAの感想:9分で終了。またこのパターン。この計算結構メンドウなんよな^^;とりあえず形にあったからよしとする。ちょっと前にどこかで見た気がするな。理工かな?九大とかやったかな?忘れた。
4.対策
IAIIBは、文系と同様の対策でOK。内容的には、1歩進んだ典型パターンが多めです。青チャートのコンパス3~5ぐらいが解けるようにしておけば大丈夫でしょう。制限時間との勝負になります。穴埋めならではの飛ばし方も練習しましょう。
理系の第4問、第5問は微積(積分寄り)と、新課程の複素数平面が多い印象です。(今のところ3年連続)。穴埋めなので最後の1行でも計算ミスすると0点ですから、正確に計算できるように訓練しておきましょう。
量をこなす演習:じっくり演習=10:0でOK。60分でじっくり考えないといけない問題は、捨てて問題ないでしょう。
以上です^^
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■関連する拙著シリーズ■
★ 数学A 確率 (第1問)
★ 数学I 三角比 (第3問)
★ 数学II 指数関数・対数関数 (第2問)
★ 数学III 積分法の応用 (第5問)
★ 数学III 複素数平面 (第4問)