関西学院大学 全学日程(2/1)理系 |2020年度大学入試数学

   

●2020年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は関西学院大学(理系、2月1日実施)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。

2月に入り、本格的に2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。2020年 大学入試数学の評価を書いていきます。


2020年大学入試(私大)シリーズ

関西学院大学(全学日程理系:2/1)です。





問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。


また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。


同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。






関西学院大学(全学部日程:理系)(2月1日実施)
(試験時間90分、4問、ハイブリッド型)

※ハイブリッド型・・・記述式と穴埋め式が混合しているもの。


1.全体総評~質量ともにここ数年並み~

2016年から増加傾向にありましたが、ここ数年は質、量ともに安定しています。今年は第3問でほぼ固定傾向にあった確率が出ず、数列と極限からの出題です。第1問で数IIIが姿を消した代わりに、ここに数IIIが来た感じですね。第4問はいつも通りの微積分総合です。

試験時間90分に対し、解答時間は97分【75分】(←穴埋め考慮)

2019年 解答時間は98分【76分】(←穴埋め考慮)

2018年 解答時間は101分【78分】(←穴埋め考慮)

2017年 解答時間は95分【69分】(←穴埋め考慮)

2016年 解答時間は89分【61分】(←穴埋め考慮)

2015年 解答時間は92分【63分】(←穴埋め考慮)

 

2.合格ライン~70%ないと不安は残る~


第1問は小問なので基本が多い。落ち着いて8個は欲しい。
第2問はキー問題。落ち着いて計算を行えば「キ」までは行けるはず。勘でも行けそうだが、最後まで行ければここで貯金。
第3問もキー問題。数列だが、こちらも落ち着いて計算すれば「ク」までは行けるはず。途中で計算ミスすると「コ」が出せないと気づくと思うので、なんとか気づいて正解したい。
第4問は前半はパターン問題。後半は計算。残り時間でどこまで出来るか。(3)までは行きたい。(4)まで出来れば余裕の貯金でしょう。

第2問、第3問の穴埋めの出来が合否を分けそうです。70%弱ぐらいでしょうか。

 

3.各問の難易度

第1問(1)・・・【整数】2020の約数の個数、和など(A、6分【4分】、Lv.1)

整数からの出題で、年号問題出ました。いろいろ聞いてきます。ここまで聞いてくるなら、個数を計算で出した上で全部書いた方が早いでしょう。

101が素数であることを「ア」で保証してくれているのが親切。

 

第1問(2)・・・【指数・対数】対数方程式(A、6分【4分】、Lv.1)

基本的な対数方程式。典型的な2パターンを聞いてきましたね。

最初は、logの足し算なのでまとめて1つにしましょう。後半は、log×logがあるので、置き換えパターンですね。

(↑緑字は数学を解く上で必要な原則を表します。独学の際に意識して勉強しましょう。)

第1問(3)・・・【三角比】三角形の面積、sinの比、垂線(A、8分【5分】、Lv.1)

三角比からの出題。最後の外分は平面図形?

最初はいいでしょう。「しちごさん」三角形は最大角120°です。このように穴埋め式のテストでは、知っていて損はありません。社会の暗記のように覚えるというよりは、何回も演習して出会っているうちに自然に覚えるぐらいの方がいいでしょう。

まともにやるなら、「sinの比=辺の比」です。正弦定理は、そもそもそういう意味の定理で、比例定数kが2Rといっているだけです。

辺の長さは決まりませんが、(「決まりませんので」の方が正しい)「ケ」や「コ」のように比を聞いていますので、長さも7,5,3として問題はありません。

 

 

※KATSUYAの解答時間は計4分です。

 

 

☆第2問・・・【ベクトル】内積、長さ、角度の取りうる範囲(B、25分【17分】、Lv.2)

今年もここは平面ベクトルで、ひとひねりからふたひねりぐらいあるのもいつも通り。

前半では、途中で1-αをβとおきます。「ア」から置かせてくれよって感じですが。これにより、長さや内積などが比較的すっきりとした式になるという流れです。

「ウ」は、αβ=α(1-α)なので、ただの2次関数です。平方完成で出しましょう。

後半では、α+β=1、αβ=t を用いて、対称式になる式を表すタイプ。式計算だけなら数Iです。の対称式は和α+β、積αβだけで表せますね。

なす角については。直接角度を関数にするのは無理なので、cosで内積の式を見るか、tanの加法定理で攻めるかです。今回は流れからみても明らかに内積でしょう。

内積の式はルート付きで分数関数です。微分したくなりますが、分子分母を「t」で割れば分母が1/tの2次関数になりますので、これに気づけば計算が早い。分子が単項式のときはこの変形がうまくいきやすいですね^^

なお、60°~90°なら勘でも当たりそうです。60°のときは、P,Qともに辺のど真ん中にあるとき。また、PがAぎりぎり、QがBぎりぎりなら90°ぎりぎりですね。

 

 

 

 

※KATSUYAの解答時間は10分です。「ク」「ケ」は60、90と予想。まともに計算した結果からもそうなったので、安心。

 

☆第3問・・・【数列+極限】等比数列、和、和と一般項、項や級数の極限(B、25分【18分】、Lv.2)

今年はここが場合の数や確率ではなく、極限に。第1問に数III全然なかったんですが、ここに移動です。

最初はいいでしょう。等比数列の和の公式は言葉で覚えておいた方がミス減りますよ!

和が分かっていれば、Sn-Sn-1=anの公式(公式というか意味が分かれば覚える必要もない)を利用して、「オ」=an・bn・cnとなりますので、anbnで割れば「カ」です。

cnは変な式で、無理やり極限出させてます^^; 「ク」は見え見えの部分分数分解です。

最後の「ケ」「コ」ですが、cn自体も級数が出せるということは、和の計算が可能ということです。一見可能そうに見えませんが、「ケ」を計算すると、部分分数分解のときのように1つずらしになることが分かります。n≧2以上でないとダメなことだけ注意しましょう。

和の計算は①シグマ公式、②等比公式、等差×等比、③1つずらしのどれかです。①②でなければ基本は③だと思っておきましょう。

※KATSUYAの解答時間は11分です。流れに従って計算するだけ。cnが無駄に汚いと思ったものの、「ケ」を見て「うまく問題作ったなぁ」と思いました。

☆第4問・・・【微積分総合】接線の直交、面積、回転体の体積(B、27分、Lv.2)

最後はいつも通り微積分総合です。関数は比較的純ですが、いろいろ聞かれまるのもいつも通り。

(1)は微分するだけ。

(2)ですが、問題文が比較的親切です。「Aにおいて交わる」ので、f(1)=g(1)です。「接線が直交する」ことで、f’(1)・g’(1)=-1も成り立ちます。 式2つですが文字3つなので、1つは残ります。cを残せということです。

※問題文の表現が、「2つの曲線がx座標が1である点Aにおいて直交する」だと、後者はやると思いますが前者を見落としがちです。気を付けましょう。

(3)はもうひとつの面積条件からcも出すことになります。面積の式を見る限りは、√c-1をaで表しておく方がすっきりしそうですけど^^;  aの式にすると、3次方程式になります。因数定理なりで解きましょう。

(4)最後は回転体の体積です。回転体の方が整式だけになるので、積分自体は数IIの積分になります。係数等が比較的煩雑なので、慎重に計算しないと最後まで合わないでしょう。

 

 

KATSUYAの解答時間は15分です。体積大きいな^^; と感じるが、面積がそもそも大きいので、自分が感じているスケールよりも大きいってことかな。cをもっと右側に書けばよかったような気がしました。

 

4.対策~IIB・IIIから出やすいトレンドは継続中~

もともとIIB、IIIからの出題がかなり多めな中で確率の③番が消えました

第2問以降はBとIIIという、一定レベル以上の難関大になるとほぼ表れる傾向、いわゆる「ビーサン」出題の傾向です。

IIの分野は今年はあまり出ませんでしたが、小問で結構出ますので、怠らないようにしましょう。チャート式(黄色でOK)に加え、同じぐらいのレベルの入試問題集(関関同立過去問など)をたくさん演習しておくと万全でしょう^^

Ⅲは典型タイプが多いので、教科書だけでなく、黄色チャートの例題はマスターしつつ、有名なものは繰り返して結果(今年のグラフなどは典型的です)もある程度頭に残しましょう^^(覚えることが優先ではありません。)

確率は今年は消えましたが、数Aからは整数が出ています。決して難しくはないですが、数Aも手を抜かない方がいいでしょう。

量をこなす演習:じっくり演習=8:2ぐらいでOKです。

以上です^^

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