大阪公立大学 文系数学 講評| 2024年度大学入試数学
2024/04/28
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●2024年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は大阪公立大学(文系)です。
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2024年 大学入試数学の評価を書いていきます。
2024年大学入試(国公立)シリーズ。
大阪公立大学(文系)です。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。
したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。
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大阪公立大学 文系
(全4問、90分、記述式)
1.全体総評~昨年よりは穏やかに~
やや易化です。大阪公立大学になってから2年、文系にしては厳しめのセットが続きましたが、今年は見てすぐに手が付きそう打と思える問題が増えました。それでも場合分けが必要だったり記述量が必要な問題が多く、なかなかきっちり合わせにくいセット。
分野的には確率と整数、ベクトル、微積分からで、バランスはいいですね。
試験時間90分に対し、標準回答時間は105分。
2023年:115分
2.合格ライン
第1問の微積分は比較的手が付けやすそうだが、aの値で場合分けが必要であることに気づけるかで差がつく。
第2問は文理の類似問題で最後以外は取りたい。最後は文系なら捨ててもOKかと。
第3問の確率は差がつきそう。前半は計算の仕方次第で答案量が変わり、後半は試行して規則がつかめるかどうか。
第4問は(1)で意外と悩むかもだが、あとはただの文字計算問題なので正解したい。
第1問は場合分けに気づければ勝ち。第2問は最後以外を確保。さらに第4問も確保すればほぼOKでしょう。今年は65%強ぐらいでしょうか。
3.各問の難易度
☆第1問【微積分法】絶対値付き2次関数、面積の最小値(B,30分、Lv.2)
絶対値を含む2次関数のグラフと直線で囲まれる部分の面積の最大値です。同じ年の、同じ大阪の阪大文系1番でも絶対値付きの2次関数のグラフと直線で囲まれる部分の面積が出ましたが、こちらの方が手ごわいです。
(1)はグラフを書くだけです。1を境目に場合分けしましょう。2x^2-3x+1=(2x-1)(x-1)で、(x-1)を因数に持つことに気づけるとグラフを書くのはかなりラク。なお、グラフを書けばどちらにしろ分かります。
(2)は面積を求めますので、まずこちらの原則に従います。
(詳細は拙著シリーズ 数学Ⅱ 積分法 p. 28参照)
上下関係は(1)でも書いたグラフから分かりそうなので、交点です。直線の式もa(x-1)となり、こちらも(1,0)を通るので、(x-1)でくくれるにことにこの時点で気づけるはず。場合分けをして交点を求めると、x=1の他にa-1、1+a/3が出ます。ここで、a-1は0<a<2のときにしか存在しないことに注意。
場合分けに気づければ、0<a<2では6分の公式で求まる部分が2つ、a≧2では1つだけ出てくることが分かります。aを適当に変えて直線を引くことで、場合分けには気づきたいところ。
面積は今書いたように、6分の公式が使える形をしています。結構たくさんありますので、きちんと確認しておきましょう。
(すべての詳細は割愛。拙著シリーズ 数学Ⅱ 積分法 p.30、p.32 参照)
(3)は(2)が出来れば微分して増減表を書いて終わりですね。場合分けがありますが、増減表はつなげて一気に書くといいでしょう。
(詳細は拙著シリーズ 数学Ⅱ 積分法 p.51 参照)
※KATSUYAの解答時間は15:11です。やることは1本道だが、場合分けが多いので時間は持ってかれる。
第2問【整数】整数、倍数であることの証明(BC、25分、Lv.2)
理系第4問とほぼ問題です。理系は最後に難しい問題がありましたが、文系はないのでマシ。
(1)は文系のみ。真ん中からqを消去し、a=2を代入し、上に代入すればOK。p,qともに0でないので、1つに決まります。
(2)、(3)の1.と2.は、理系の(1)、(2)の1.と2.と同じ。理系の方を参照のこと。
☆第3問【確率】カードの数字の最高点、合計点(B、30分、Lv.2)
確率の問題です。AとBが交互にカードを取り。取り終えた後の合計点や最高点についての確率を求めます。
(1)(2)はケース1について。うまく数えないと結構メンドウかも。
(1)はAが5を取る確率ですが、くじ引きで5番だけ当たりと考えると、1番目、3番目、5番目の人があたりを引く確率なので3/5と瞬殺出来ます。くじ引きは順番に並べて左から取ると考えるとラクなんでしたね。
(詳細は拙著シリーズ 数学A 確率 p.29 参照)
(2)は合計点が8以上ならいいですが、ちょっと試してみると、8以上の事の方がほとんどです。このようなときは余事象を考える方がいいですね。
(詳細は拙著シリーズ 数学A 集合と場合の数 p.13 参照)
3枚で7点以下になる組み合わせは1,2,3か1,2,4のみです。これもまともに数えるとメンドウなので、うまくかぞえたい。Aが取る3枚の数字の組み合わせは順番を区別しないと5C3の10通りで、これらはすべて同様に確からしいことを利用するとすぐ求められます。
(3)(4)は0が入り、カードを入れ替えるという作業が入ります。ちょっとややこしいですが、頭で悩ますことなく、手を動かして試してみると規則がすぐにわかります。0がいつとられようと、0以外の数字はAが2枚、Bが3枚とります。ケース1の場合で、AとBの立場を逆転させただけです。
これに気づけば(3)(4)はともに(1)(2)の答えを1から引けばいいと分かります。
「手を動かして実験する」ことの有効性が分かるいい問題だと思います。ちょっと問題文が長いですが^^;
※KATSUAの解答時間は13:52です。ただ実験するだけやな。文章が長いだけで見掛け倒し感が強い。
第4問【ベクトル+三角関数】直線と平面の交点(B、20分、Lv.2)
空間における直線と平面の交点に関する問題です。最初はん?となるかもですが、(2)は最初とあんまり関係なく解けます。
(1)はPQ上の点を1文字設定して表します。こちらの原則ですね。
(詳細は拙著シリーズ 数学B・C 空間ベクトル p.35,37など 参照)
zx平面なのでy座標が0になるようなtを求めます。tに関する1次方程式になりますが、こちらに注意出来ますか?という問題です。
(詳細は拙著シリーズ 数学Ⅰ 数と式 p.56など 参照)
(1)は結局、「tの係数が0にならないようにしてくれ」といっているだけです。sinθ-cosθ=0を解き、それ以外ということですね。合成するか、cosθで割ってtanθ=1とするかです。
(2)はtの係数が0でない範囲で、実際に交点を求めるだけです。2.はθが消えるハズなので、分子にも(cosθ-sinθ)^2のようなものが出るはずだと予想が付きます。これと、1-2cosθsinθを見れば変形には気づけるでしょう。
理系の範囲ですが、(2)2.により、交点はzx平面上で双曲線を描きます。
※KATSUYAの解答時間9:22。(1)は見た瞬間は「?」ってなった。線分?いや直線やろ?絶対交わるやろ?とりあえず解いてみて、tの係数0でないときを出す。図的には、、、PとQのy座標が同じときってことね。スッキリしたところで(2)(3)もサクッと終了。
4.対策
レベル的には7帝大レベルに近く。同じ大阪の阪大文系と比べても大きく劣らないと思います(年によっては阪大の方が簡単)。分野は数IIが中心ですが、ⅠAの手法も当然使います。小問で刻まれてはいるものの、つながりがなかったりもするので、やりにくさもあります。式変形をしながら、前問とは独立しているのか、どこかで使えそうな式が見えるか、常に意識する必要があります。計算量も文系としてはしんどいものがありますので、計算は怠らずに行いましょう。
原則習得タイプの問題集で早めに手法を一通りマスターし、次の入試基礎演習の段階まで終えたら、融合問題を多く解く演習をしましょう。医学部なら、仕上げレベルまでやったほうがいいかもしれません。
なお、拙著『Principle Piece』シリーズであれば「原則習得」「入試基礎演習」の両方の段階を兼ねていますので、この後にもう入試標準演習の問題集に接続可能です^^
量をこなす演習:じっくり演習=7:3でOK。
以上です^^
■関連する拙著『Principle Pieceシリーズ』(リニューアル版!)■
数学A Chapter1~確率~ (第3問)
数学A Chapter3~整数~ (第2問)
数学II Chapter4~三角関数~ (第4問)
数学II Chapter7~積分法~ (第1問)
数学B・C Chapter3B~空間ベクトル~ (第4問)
すでに原則系の参考書を持っている方にはこちらがおススメ!!
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