【新課程版】基礎問題精講(数学)のレベルは?使い方(勉強法)は?
2024/05/06
旺文社の精講シリーズは英語で最も名を馳せている問題集ですが、数学には、精講シリーズが「入門」「基礎」「標準」「上級」と4段階もあります。今回はそのうち「基礎問題精講 数学」について見ていきたいと思います。
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・YouTube チャンネルを開設しました 大学入試数学を中心に個人的に紹介したいと思った問題の解法や思考プロセスを動画にしてみようと思います。
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・Principle Pieceシリーズの販売を再開しました^^ KATSUYA自身が販売している原則習得のための参考書です。
1.基礎問題精講とはどんな参考書?
基礎問題精講とは、以下のような黄緑色を基調とした参考書です。
2.問題数、レベル、解説の詳しさなど
基礎問題精講がどのような参考書であるのかを知るために、基本的なデータを見てみましょう。基礎問題精講のタイプは、原則習得タイプ(数学IIIは入試基礎演習タイプ)です。
→ 参考書のタイプを知らないと、納得のいく参考書選びが出来ません。
> 青チャートや基礎問題精講に代表されるような「原則習得」タイプと、その後に演習する1対1対応に代表されるような「入試基礎演習」タイプを合わせたような参考書もあります
2.(1) 基礎問題精講の問題数
基礎問題精講の問題数は、以下のようになっています。(新課程版の最新情報です)
基礎問IAの問題数・・・例題(基礎問)154題、演習154題
基礎問IIB(ベクトル含む)の問題数・・・例題(基礎問)183題、演習183題
基礎問IIICの問題数・・・例題(基礎問)136題、演習125題(練習はベクトルがない)
原則習得タイプの問題集にしては、割と少なめです。例題と練習を全て合わせても、青チャートの例題数以下なので、項目をある程度絞って編集していると言えます。
また、チャート式なら複数の例題で取り上げている問題も、本書では一つの例題にしている場合がありますので、少なく見えるという側面もあります。
2.(2) 基礎問題精講のレベル
基礎問題精講のレベルですが、センターレベル、中堅大入試レベルといったところです。日常学習レベルの掲載が少ない分、青チャートに比べて問題数が少ないものと思われます。従って、初めて習ったときのワークのように用いるのは難しいでしょう。
2.(3) 基礎問題精講の解説
基礎問題精講は、基礎問(青チャートなどでは例題の位置づけ)の解説が非常に詳しいです。答案はもちろん、関連する事項なども説明が豊富なので、この部分の熟読が、「基礎問」の活用法のコツとなるでしょう。
なお、演習の解説は「答案だけ」なので、少し淡白と言えそうです。その際に、同じ項目の基礎問の部分をきちんと読み直すことが出来る人は、本書で効果的に実力UPが出来ると思います。
3.基礎問題精講はどんな人にオススメか
これまでの情報を踏まえて、基礎問題精講がどんな人にオススメなのかを見てみます。
YouTubeによって一気に人気度が上がっているがゆえに、脳死で手を出すのは危険です。注意してください。
3.(1) 教科書に書いてある最低限の公式・内容は理解できている
2.(2)で述べた通り、日常学習で演習するような、公式を適用するだけの基本問題などは結構省かれています。そういった部分はすでに理解している人が対象になります。
巷(特にあるYouTubeのチャンネル)でものすごく推されている参考書の1つです。それ以来爆発的人気を誇る参考書ですが、次のような理由で購入しようとしていませんか?
数学が苦手であまり時間をかけたくないから、効率的に学習したい
はい、この理由はNGです。基礎問に手をつけるべきではありません。
例えば、青チャートの網羅度がLv.1~100だとすれば、基礎問の網羅度はLv.20~70ぐらいです。上の方のレベルも削られていますが、下の方のレベルも削られています。苦手な人がなぜLv20からの問題集に手をつけるのは全くお勧めできません。
そもそも、理由として「苦手な科目に対して時間をかけたくない」は個人的には「ふざけている」としか思えません。ごくごく当たり前なのですが、苦手なものこそ時間をかけなければ出来るようにはなりませんよ。
数学を受験で使う以上、数学はある程度時間をかける必要がある科目であると覚悟して臨む必要があります。決して上記のような理由で購入しないように。もし苦手なら、例えば同じ精講シリーズの「入門問題精講」などから始めてください。それから基礎問に行きましょう。
結果として青チャートに近い問題数をこなすことになります。苦手なら、問題数がかさむことから逃げてはいけません。
「受験までにどうしても時間が無いので効率的に」という人もいるかもですが、それでも最低限のことは習得済みの人に限ります。
3.(2) 日東駒専レベル志望である(内容精査中:信用度80%)
志望大学が日東駒専レベルである場合は、青チャートや黄色チャートの例題をすべてこなすのは、少しオーバーワークです。(もちろん、余裕を持ったレベルまで到達はします)
従って、上の(1)にあてはまっていて、かつこのレベルを志望するのであれば、基礎問までで対応できる入試問題が多い(割合精査中)なので、基礎問題精講をやり込めば対応可能でしょう。
ただし、これだけではさすがに演習量が少ないので、、例題も演習問題もきちんとこなし、過去問も多めに行うようにしましょう。
MARCH以上レベルの大学を志望する場合は、出来れば本書ではなく、より網羅性の高い青チャートや黄色チャートできちんと原則習得を行う方がいいと思いますが、(1)に当てはまっていればこちらでもOKです。ただしその場合も、やはり演習問題はやること。
3.(3) 青チャートや黄色チャートでは進めにくい
精講シリーズの1例題1ページという制約は特にないので、解説がかなり詳しいです。なので、「青チャートや黄色チャートの解説でも分からない、疑問点が多く出てきてしまい進めにくい」という人は、こちらの基礎問題精講の方がストレスなく進められるでしょう。
ストレスなく進められることは、勉強をするうえで意外と結構大きな要因となります。
4.例題(基礎問)だけでいい?
基礎問は例題(基礎問)だけでは危ないです。類題の演習題もやっておくことをお勧めします。
基礎問では、例題(基礎問)と演習題では手法自体が異なるパターン(チャートなどであれば別の例題にしてあるもの)であることが随所にあります。ちゃんとした指導者の下で指導を受けながら使っているなら選別可能ですが、学習者目線で(独学で)見分けるのは困難です。
従って、こなすべき問題数はほぼ倍になります。決してチャートよりもコンパクトなわけではないことに注意。
チャートなどの超有名な参考書の多くが、例題だけで次の段階に進んで大丈夫とよく言われます。そのため、どの参考書にもあてはまると思いがちですが、物も違えば出版社も違うわけで、「例題だけでいい」という部分が同じだと考える方がおかしいわけです。
人気がゆえの嫉妬から(かどうかは分かりませんが(笑))基礎問はXなどで必要以上に、そして特に指導者からピーピー言われています。しかし、演習題をやらないことが前提の批判が多く、指導者としてのレベルの低さが露呈しています。
指導者からの批判があてにならないというのは、こちらの動画でもお話しした通りです。要注意です。
5.まとめ~日常学習レベルに自信があるなら是非~
今回見てきた基礎問題精講(数学)についてまとめます。
- 基礎問題精講は、チャート式(青または黄)から超基本レベルを排除した、原則適用タイプの参考書である。
- そのため問題数は少ないが、少ないからといって数学が苦手な人が購入するのはNG。
- 基礎の反復については不要という自信のある方は、チャート式よりも効率的に原則習得可能だが、レベルの高い原則は収録されていない。
- 日東駒専レベル志望の人にとっては過不足のない感じ。それ以上なら青チャートや黄色チャートの方が無難。
- 青チャートなどとは異なり、例題も演習題もやらないと抜け大きい。
- 必要以上に批判している指導者は人気に嫉妬しているだけの三流指導者。話を真に受けない方がいい。
と言えそうですね。
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