共通テスト 数学II・B【2021年】の難易度、傾向は?

   

 

このエントリーでは、2021年(R3年)に行われた共通テストの数学II・BをKATSUYAが解き、その感想や各問題の難易度などをアップしていきます。

 

評価指標

1.難易度 A(易)~E(難)

2.パターンレベル 
 Lv.1(習得していて当たり前)
 Lv.2(習得していないと、差をつけられる可能性がある)
Lv.3(習得していなくてもしょうがない)

3.解答するまでの標準的な時間

です。これら3点から、各問題ごとにコメントしていきたいと思います。

 

 

共通テスト 数学Ⅱ・B(60分)

 


1.全体評価(難易度)~試行調査の特徴は計算量の少なさだけ~

易化です。試行調査を見る限りは、領域などの分野もしっかり出題され、もっと考察が必要なものも出るかと思われましたが、大問構成からみても、かなりセンター試験よりの印象でした。

試行調査から引き継がれたのは、第3問に統計が来たこと(苦笑)、そして計算量の減少だけの印象です。

共通試験への変更については、「知識だけでなく考察力も」というのが最も大きな意向のはずですが、このテストだと必要な知識(テクニカル)は大幅減少、考察力はほんの少しだけ必要、と言う感じですね。

 

第1問の三角関数は、個人的にはあまりいい印象を受けません。前半は結局合成の知識を聞いているだけだし、後半も数IIIを学習している場合は極方程式で扱う変形です。数IIBまでの学習者にとっては考察の余地があるのかもしれませんが、数III組にとっては考察もくそもありません。知識の有無だけで差が出るような問題は共通テストの主旨には反していると思います。これまでのセンターの方がましです。

第1問の指数・対数は、以前のようなテクニカルに変形していくものではなくなりました。後半は共通テストっぽいと思います、加法定理的なものが成り立つかどうかの考察ですね。

第2問の微積も計算量は減少しています。共通点の考察などはセンターにはないものでしたが、大した考察は不要です。唯一の面積計算も、接線がらみなのでテクニックで出来ます。

第4問の数列は、センター試験のときのように複雑な漸化式というわけではななくなりました。共通テストの主旨を反映させたかったのかもしれませんが、結果的には計算量が減少しただけだと思います。

第5問の空間ベクトルは正12面体から。唯一、計算量、考察量ともにまともだったかなと思います。(全大問でこんな感じだと大幅難化ですが)知識は内積の計算やベクトル式の変形など最低限で、最終結果を得るために計算をある程度させています。

※例年通り、統計(今年は第3問)については省略しています。

 

※KATSUYA個人の見解に基づくものです。予備校の見解にひっぱられないように、ブログ掲載時点では予備校の見解を見ておりません。

■目標解答時間・・・72分 【51分】←穴埋め形式なら
(昨年解答時間・・・77分 【52分】←穴埋め形式なら)

全体的にほぼ昨年と同じぐらいかと思われます。題材的には今年の方が少しラク。計算が無駄に多いところがちょこちょこあります^^;

 

 

KATSUYAは昨年同様、35分で終了しています(第4問まで)。今年の方がラクやとおもったけど、微積の後半と数列でちょっとロスしたかな^^;

 

2.各大問の難易度

※緑色の表記は、数学を解く上で必要な原則を表しています。

※青色の表記は、数学を解く上で必要な、超基本の心構えを表しています。(どうしようもなくなったら、ここまで戻ってください、ってことです)

第1問[1] (三角関数:合成、最大値、例年比やや易、AB、8分【5分】)

8割難易度・・・やや易  満点難易度・・・普通

今年の三角は合成です。後半はcosでの合成をさせて考察という主旨でしょう。

前半は簡単な合成の計算です。(2)(i)までは教科書レベルです。合成と書かれてなくても、[1]sin、cosがある [2]角度が同じである  [3]1次式である この3つの条件がそろったら迷わず合成しましょう。

後半はcosでの合成を聞いてきますが、落ち着いて考えれば「サ」までは埋まるハズ。√p^2+1は変わらずで、1、pの係数がsinの合成のときと変わるだけですね。

III既習者の場合は、極方程式の部分で行う式変形で、公式に近いものです。結局知識の有無で差が出てしまいますので、このような問題は、主旨を考えると「共通テスト」としてはどうかと思います。(「センター」としてなら全然OKです)

p<0のときは合成するまでもありません。0≦θ≦π/2なら、sinθは増加、pcosθもp<0なら増加なので、π/2のときに決まってます。cosの合成があるせいで、余計に難しく考えてしまいそうですが、不要です。

 

 
KATSUYAの感想

合成簡単すぎるやろ。後半はcosで合成。うーん、IIIやってると習うから考察力を問う問題にはならんよな^^; αが満たす条件のところだけ注意。最後は、、、いや、合成せんでも単調増加やん。なんでcos合成させたん、これ?

 

第1問[2] (指数・対数関数:指数関数の値、最小値、方程式、例年比やや易、AB、8分【5分】)

8割難易度・・・やや易  満点難易度・・・やや易

指数・対数は三角に比べると共通テストっぽくなりましたが、考察のために計算をコツコツやる感じです。

前半の値の計算はいいでしょう。2^x+2-^xの形を見たら相加相乗を用いるのもおきまりです。方程式も、3項あるなら2^x=tで置き換えるパターンのはずです。両辺に2^xかければOK。

(2)は偶関数、奇関数のことを聞かれ、後半は計算です。ようは、f(x)ってコサインっぽい性質持ってて、g(x)ってサインっぽい性質持ってるよね?ね? って感じの流れです。③はsin^2x+cos^2x=1、④はsin2x=2sinxcosxに対応しているのでしょう。

なので、三角関数の「加法定理」なりたつんちゃうの?と太郎さんが考えたってことです。A~Dをすべてまともに計算するのは大変なので、会話の花子さんのセリフ「βに何か具体的な値を代入して」をヒントにして、β=0を入れてダメなやつを消すと、B以外は残らないと分かります。

全てにおいて成り立つなら、「何か簡単な値を入れても成り立つ」はずだ、という考え方は非常に大切です。

 

 

KATSUYAの感想

最初は計算。これもテクニカルな式なくなったな。(2)は何がしたい?三角っぽいっていいたいのかな。会話を見て確信。加法定理的な式の成立の確認ってことね。β=0でやってB以外アウトで終了。

 

第2問(微積分:共通接線、面積、グラフの概形、3次関数の最大値、例年比並、B、18分【12分】)

8割難易度・・・やや易  満点難易度・・・やや易

共通テスト初の微積は、放物線や3次関数に共通の性質を見ぬきながら、微積計算をしていきます。センターに比べると計算量は減っています。こちらも考察的な部分が含まれていますが、普段から多くの問題に触れていれば比較的簡単だと思われます。

最初は2つの放物線の共通点。数式的には、x=0のときy=3、y’=2ということです。これが見ぬければ、1次の部分が「2x+3」にさえなっていれば良いと分かりますし、この流れで「コ」まで行けます。

面積は接線がらみですが、x=0が接点ですし、まともに計算してもたいしたことはありません。x=aで接する場合には、(x-a)^2の不定積分が(x-a)^3/3になることを利用しましょう。面積が合えば、落ち着けば「セ」はとれるはず。

後半は3次関数の共通点。前半で見ぬけていれば瞬殺です。「ト」まではいけますね。それ以降も、実際に引き算すればx=0で重解、x=-b/aで交わります。これで概形も答えられます。最後の最大値も計算はほとんど不要ですね。

 

 

 

KATSUYAの感想

共通テストの特徴はあるけど、計算の少なさだけ。これならもう少し難しいことを考察させてもよかったのでは?

 

第4問 (数列:等比数列の和、部分分数分解型、複雑な漸化式、階差型漸化式、例年比やや易、B、15分【10分】)

8割難易度・・・やや易  満点難易度・・・やや易

数列に関しては、等差数列や等比数列とその性質と、和のちょっとした計算があるぐらいです。センター試験のようなテクニカルな雰囲気は全くなくなりましたが、考察するようなこともなく、計算だけ減りました。

 

前半は考察もくそもなく、ただただ誘導に従って計算するだけです。聞かれる公式も、等差数列、等比数列の一般項だけ。

後半は簡単な和の計算。等比数列の和は、シグマ表記だとミスしやすいので、かならず初項、公比、項数をメモって等比数列の和の公式をちゃんと使いましょう。

(3)も見た目はごつそうですが、誘導に従うだけ。an+3=a(n+1) に気づけば、等比と分かります。(4)も殆ど同じです。bnは公比2の等比数列なので、b(n+1)/bn=2に気づけばOK。

 

 

 

KATSUYAの感想

数列はかなりしょぼくなったかな。複雑な漸化式のテクニカルな変形はなくなったものの、考察がそこまで必要なものではないので、結局計算だけが減った感じ。

 

 

第5問(空間ベクトル:正12面体、ベクトルの計算、長さの計算、内積、B、例年比並、20分【14分】)

8割難易度・・・普通  満点難易度・・・普通

正12面体が題材の空間ベクトルです。本セットの中では、共通テストっぽい感じがしました。計算量は例年に比べると少しだけ少ない分、正12面体に存在する性質を誘導で出していく流れです。

最初はベクトルの式変形を行うだけ。平行や一直線上なら実数倍など、基本的な式変形です。aの値はなんと与えられています^^;

(2)は内積や長さを計算していきます。最初はただのaの2乗の計算です。次の内積は差がつきそうです。3辺が分かれば内積は出せるという認識持っていれば戸惑うことはないでしょう。今回は、すぐ上の式を展開するだけでも気づけるはず。

3ページ目の内積は計算量が多め。OB2=OA3+a・OA2など、上に書いてある式を存分に使って内積を出していきます。特にOB1・OB2は計算が多めですが、ここで正解すればほぼ満点確定ですね。

 

KATSUYAの感想

お、正12面体。ってことは五角形ネタか。なんかaの値書いてある^^;まいいや。とりあえず誘導通りにカリカリ計算。2ページ目は長さ計算と内積計算。3辺から内積も余裕。最後は内積を選ぶ問題か。選択肢多いと探すのに時間書かんねんけど^^; 最後の性質は知っていたので、「ス」は計算せず終了。 これは知ってる人の方が少ないと思われるので、考察させる題材としてはいいですね。

3年連続空間てめずらしいかな。

関連リンク

> 共通テスト 2021年 本試IA 難易度評価

 

3.対策~教科書の基礎事項にも目を配る~

※新テストになるため、記述式の有無や傾向、試験時間等の最新の動向は常に各自でチェックしてください。(文科省、予備校のHPなど)

今年に限って言えば、センター試験の形式に寄っている感じもしますが、共通テストの主旨から考えると「知識だけで解ける問題」よりも「知識を使って考察する問題」が主になってきます。

そ教科書レベルの問題を基本からしっかり理解し、入試基本レベルの問題まではしっかり演習量を確保する必要があります。そこから先は、簡単な問題でも一般化するとどうなるんだろう?などの考察をするのがいいでしょう。

一般的な考察をする際には、独学だと正解が分からないことも多いと思いますが、正解たどり着けるかどうかではなく、いろいろと自分で計算してみることに価値があります。1つの解法だけでなく、いろいろなアプローチで計算してみると、辿りつかなかったとしても考察力はついています。

→ 分野別の共通テスト用参考書はこちらから

→ 過去問・模試の共通テスト用参考書はこちらから

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