入試数学の掌握の難易度、レベルは?使い方や勉強法など

   

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「入試数学の掌握」は、2011年~2012年に発売された入試演習書です。3部構成になっており、その難易度などから超難関大受験者の間では注目の参考書のようです。

 

今回は、この「入試数学の掌握」について、難易度などを見ていきたいと思います。

 

1.入試数学の掌握 はどんな参考書?

「入試数学の掌握」は、以下のような参考書です。赤、青、緑の3色の3部構成です。比較的シンプルな表紙です。

 

 

 

 

2.問題数、レベル、解説の詳しさなど

入試数学の掌握がどのような参考書であるのかを知るために、基本的なデータを見てみましょう。本書のタイプは、仕上げタイプです。

→ 仕上げタイプの他の問題集

 

2.(1) 入試数学の掌握の問題数

入試数学の掌握の問題数は、以下のようになっています。なお3部構成ですが、練磨編、実践編は総論編からの続きで、問題番号などが通し番号になっています。

入試数学の掌握(総論編)・・・例題19題、チェック25題 (213ページ)

入試数学の掌握(各論練磨編)・・・例題15題、チェック22題 (275ページ)

入試数学の掌握(各論実戦編)・・・例題17題、チェック28題 (275ページ)

 

2.(2) 入試数学の掌握のレベル

本書のレベルは、超難関大がほぼ10割と考えていいでしょう。ここまでがっつりと超難関大のみを収録した参考書もめずらしいです。

同じ仕上げタイプの問題集である上級問題精講よりも割合的には難しいものが多く、ハイレベル数学完全攻略と比較しても、ほぼ同レベルかそれを凌駕する難易度です。

 

ただし本書は、他の参考書とは少し流れが違います。例題やチェック自体はかなりレベルの高い問題が多いですが、その理解をスムーズにするための問題がいくつか用意されているのが特徴です。

 

 

2.(3) 入試数学の掌握 の解説

「入試数学の掌握」の解説についてですが、「文句なし最強」というのが私の個人的な見解です。

用意されている問題はどれも非常にレベルの高いものですが、それ以上にその紐解きが非常に詳しいです。まずは問題そのものの答えに触れるのではなく、「こういう問題ならどうでしょう」という形で、ものすごく単純なパターンを問いかけてきます。

この「ものすごく単純で様子がつかみやすいパターン問題」を、敢えて深く掘り下げることで、本題のレベルの問題に対しても同様にアプローチ出来るということを示してくれます。

解説部分のおおまかな流れは、「単純なパターン問題、その解答や別解、詳しい背景」の後に「本題の答案や別解」があり、さらに「注意事項やポイント」となります。

ページ数と問題数からも分かるように、「本題の答えはどこにある」と思うぐらいに1題の解説が長いですが、発想の手順などが非常に自然でスムーズです。

 

3.入試数学の掌握の使い方、勉強法

入試数学の掌握の使い方の前に、どのような人が使うと効果が上がるのかを見ておきましょう。

3.(1) オススメ対象

入試数学の掌握 のオススメ対象については、下記にあてはまる方です。上に書いてあるほうが優先です。

  1. 超難関大理系志望であり、かつ数学では合格点以上の水準を目指している。
  2. 青チャートなどで原則を9割以上習得している。
  3. 模試での数学の偏差値が60代後半以上である。
  4. 詳しい解説を熟読する(根気よく、理解しながら読み進める)ことに抵抗がない。

 

取り上げている問題のレベルは東大、京大、阪大などで殆どを占めます。また、これらの入試でも差がつきやすいタイプのものを選んでいる(押さえて当然のレベルではない)ため、超難関大志望でかつ数学で余裕を持ちたい人に限ってもいいと思います。そこそこでいいなら、超難関大でも不要でしょう。

 

また、原則の習得は前提です。「習得している原則が、こんな場面でもこんな風に使える」という流れが多く、レベルも比較的高い原則のため、そもそも原則を知らないとスーっと頭に入ってこないと思います。

 

難易度から考えると、偏差値75ぐらい要るのでは?と思いたくなります。しかし、解説が非常に詳しいので、そのステップを踏んでいくことで掲載されているレベルの問題は最終的には理解できます。そのための偏差値と考えると、60台後半でも大丈夫です。

 

 

3.(2) 入試数学の掌握 の使い方(勉強法)、購入時期

入試数学の掌握は問題集型の構造をとっていますが、これまで述べた通り解説が豊富なため、他の問題集とは違った、以下のような使い方が考えられます。

問題はかなり難しいことは分かりきっているので、あまり時間を気にせずにしっかり考えてみましょう。1時間~2時間を目安にしてもいいぐらいでしょう。その際、「この方針なら進めそう」と思ったら、必ず手を動かしてください。やり方として間違えたと思っても、消さずに残しておいたほうがいいです。解説に書いてあるかもしれません。

逆に、まったく方針も思いつく気がしない(手を動かそうにも動かせない)場合は、解説(本題の答案よりも前)を少しづつ読んでいきましょう。解説部分をヒントとして利用するということです。なお、この場合は20分程度でギブしてもいいでしょう。(20分以上手を動かせないのは、数学なら時間のムダに近いです)

解説を読んでいき、見えてきたらもう一度考えてみましょう。本題の答案に至るまで思いつかなかったら、そのときは潔く答えまで読めばOKです。

 

本題がしっかり解けた場合は、まず本題の答案を確認すればいいと思いますが、もし正解していても、導入部分も含めて解説は全て読むことをおすすめします。新しく得られる考え方や見方があるはずです。

 

例題だけだとわずか50題、チェックを入れても120題ぐらいですが、上記のように勉強することをおすすめしますので、1日にあまり多くは出来ないと思います。1日1題~2題、じっくり考えて取り組むのがいいと思います。センター後でもいいと思いますが、出来れば年内には手に入れて少しずつ進めましょう。

 

また、解かずに解説を読み進めるだけでも、かなり理解の深まる問題も多くあります。そういった使い方をする場合は現在使っている問題集と併用可能なので、今すぐ買って読んでいけばいいでしょう。

 

4.まとめ~「問題レベル」も「解説」も最強~

入試数学の掌握 について、まとめておきます。

  • 仕上げレベルの問題集の中でも最も難易度が高い問題集である。
  • 超難関大志望者でも、数学でぶっちぎるつもりがない人でない限りは不要なレベル。
  • 難易度も高いが、それ以上に紐解きが詳しい。背景を理解しやすくするための問題まで用意されている。
  • 解説を途中まで読んでからヒントを得て考えたり出来る構造である。

問題のレベルだけでなく、解説も最強な問題集ということですね。

 

 

 

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