順天堂大学医学部 | 2015年度大学入試数学

      2017/01/21

●2015年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は順天堂大学(医学部)です。

 

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。KATSUYAです^^

いよいよやってまいりましたね。この季節。今年もやっていきます。
2015年 大学入試数学の評価を書いていきます。

 

2015大学入試シリーズ第1弾。

私大シリーズ、第1弾。

順天堂大学(医学部)です。

 

問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、

典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また、☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。

 

また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。

※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

 

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。

 

同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい という目安にしてください。

 

 

順天堂大学 医学部

 (試験時間70分(穴埋め+記述)、3問)

 

 

 

1.全体総評~昨年と同程度、形式は相変わらず独特~

昨年と同程度の難易度です。数学C(行列、2次曲線)からの出題がお気に入りでしたが、新課程では行列がなくったせいなのか、第1問の小問が1つ減りました。2次曲線は出ています。

また、第2問は誘導に乗れれば、機械的に解けますが、ある程度意味を掴まないと何をすればよいのか不明の可能性もあり。

第3問は例年通り文字計算を強いられ、各小問のつながりの見えにくく、戸惑った可能性もあります。

 

試験時間70分に対し、

目標解答時間合計は115分。【84分】←穴埋め部分を考慮すると

穴埋めを考慮しても、時間オーバーです。やはり通常の計算スピードでは終わる可能性は低いでしょう。75度型の三角比の値など、穴埋めならではの公式を利用して、省略できるところはどんどん省略し、出来るところから埋めていくべきです。第1問の楕円で考え込んで時間を取られたりすると、アウト。

KATSUYAは、54分で解いています。1問減った分、昨年より少しはやめ。

 

2.合格ライン

第1問の小問で(1)、(3)、(4)を確保。(2)は途中まででしょうか。

第2問はキー問題になると思われます。意味がわかれば最後までとれますし、意味が分からないと全滅するかもしれません。

第3問は、最後の(4)を残して全部解けるかと思われますが、時間が残っているかどうか。第1問で費やしすぎると、、、

時間的にかなり厳しいので、60%強ぐらいでしょうか。ですね。

3.各問の難易度

 

第1問(1)(図形と式、2点を通る放物線、3点を通る3次曲線の一般式、B、10分【7分】、Lv.2)

 

2点を通る2次関数の一般形と、3点を通る3次関数の一般形を求める問題で、誘導の意味がわかりやすく、これは落とせません。

2点(1、f(1))と(3、f(3))を通る直線
恒等的にg(1)=g(3)=0になる放物線
を合わせて、
2点(1、f(1))と(3、f(3))を通る放物線

にしているわけです。また、その結果を利用し、3次曲線も同様にしています^^

 


☆第1問(2)・・・楕円、円錐の切り口の方程式、体積(BC、20分【13分】、Lv.3)

楕円を傾けたときに残る水の体積を求める問題です。こちらは少し誘導が少なく、後半から難しくなります。図があるので、まだましですが^^;

図からわかるように、座標の設定は、傾ける前に戻していることに注意です。そうでないと、円錐の方程式は問題文のような単純な形にはなりません。

書いてある図形は、すべてxz平面上にあることを利用すれば、座標計算ゴリ押しすればA、Cの座標はでます。OA=OBを利用すれば、三角比の利用なども使えるかもしれません。なおその場合、Cを出すためにOCを出すので、先にうしろの「ネノハ」が出ます。

楕円E上の点が満たす点ですが、問題文の点はあくまで必要条件で、正確には楕円Eを含む平面の方程式となります。作業としては、ACを通る直線の方程式です。

 

長軸は、ACの距離です。問題は短軸。ACの中点を通って、ACに垂直な直線と円錐との交点となります。従って、中点の座標を最初の円錐の式に代入すればOKです^^

短軸が出れば面積が出ますので、最後の体積まで出せるでしょう。



☆第1問(3)・・・軌跡、線分の通過領域(アステロイド型)、微分(B、20分【12分】、Lv.2)

アステロイドの軌跡となるパターンの問題です。本学受験者であれば確実に抑えたいレベルの問題。結果は全て表示させて、係数を全て埋めさせるパターンですが、実質計算は全てやらなければいけません。

直線の式からy=(x、tの)に直しますが、これを「t」の式とみなすことで、最大値がy=M(x)になります。xの位置に応じて、0≦y≦M(x)を動くということなので、M(x)が領域の境目となります^^



第1問(4)・・・平面ベクトル、内積、長さ、角度(三角比)(B、20分【12分】、Lv.2)

平面ベクトルの標準的な問題です。問題は標準的な分、sAB+tAC とおいたときの連立に√が入っていますので、計算は面倒。さらに長さまでもっていかなければいけません。

解けるはずの題材で、計算に負けてしまう可能性のある数値です。

実は、DはABCの外心となります。これに気づいた人は、かなり素早くとけたかもしれません。それは、内積を図形的にとらえることで、DからABに垂直に下ろすとABの中点とぶつかり、ACに垂直に下ろすとACの中点とぶつかることからわかります。

従って、ADは、外接円の半径です。ですので、BCの長さ(2重根号)とベクトルの公式でcosA →sinA の手順で出せます。また、A=75°は本学受験者であれば値を見ればわかりますので、BCD=15°とわかり、sinも出せますね^^

 

 

※KATSUYAの解いた感想

今年は1問へったか。誘導は相変わらずのややこしさ。(1)はまだましか。常に通る点を利用しているな。(2)の楕円は短軸で少し詰まる。y軸に平行だから、、、あ、中点代入か^^ (3)はアステロイドで有名題材なため、途中経過含めて係数等はほぼ一瞬で終了。(4)は連立がいやだったので、内積の意味を考えて外心。ラッキー^^ ん?どちらにしてもそれなりに計算はいるのか^^;

解答時間、3+10+7+5=25分。


☆第2問・・・微分、3次関数と囲まれる部分の面積、関数の拡大、平行移動(BC、25分【20分】、Lv.2)

相変わらずの分野不明問題です。面積の話が題材になっていますが、微分しかつかいません^^; 求めることができない値をαと置いておき、それを利用していろいろな値を出していけ、ということでしょう。

変曲点を中心にx軸方向に●倍に拡大した場合は、x=●α で交わるような直線y=▲ で切れば状況は変わらず、2:1が保てるということです。従って、●が大事です。最後は変曲点を原点に平行移動させてから拡大させればOKです。これも、x軸方向が大事。

 

 

※KATSUYAの解いた感想

 問題文ながいわ^^; αはもとまらないから置いてあるということね。
で、、、いろんな関数について2:1にわけるような直線を考えると。全てαで表せる、ということを言いたい問題と理解し、あとはさくっと計算。解答時間13分。理解する方が時間とられる^^;

 

第3問・・・軌跡、相似拡大、共通接線(B、20分、Lv.2)

こちらは記述式です。いつもどおり、(1)はどこまで述べればよいのか分からない問題で、単に「原点を中心にt倍に相似拡大したもの」でいいのかどうか。

(2)は、軌跡をおけば簡単にできます。P上の点を(p、p^2+1)とおくと、Q上の点は(tp、tp^2+t) となります。媒介変数は「p」なので、pを消去すれば得られますね^^

(3)は(4)とのつながりが見えるような見えないような問題ですが、前半の式ではまともに解いて交点を出しておくしかないでしょう。交点がないかもしれませんので、きちんと場合分けを。

後半は(2)がヒントになっています。x=TX、y=TY とおいて変形すれば、前半の式となじになるので、交点は前半のt倍です。

(4)は単独で解いた方が早いかもしれません。
y=x^2+1上の接点のx座標を t で表し、接線の式
→ y=a(x-b)^2+c と接する条件でD=0
→ D=0を満たすtが一つなので、また D=0

でできますね^^ なお、結局条件は、2つの放物線が接する条件と一致しています。図形的に見ても、明らかですね。

※KATSUYAの解いた感想

(1)は、、、答えだけでいいよな、さすがに。(2)は媒介変数利用でできる。(3)は、、、後半の式は怪しい。t倍の相似拡大が見えるから、片方だけ解けばいいな。(4)は、(3)がどう使えるか考えるも、考えているぐらいなら単独ですすめた方が早いと判断。解答時間16分。

4.対策

 なによりもまず、計算力が必要です。70分という短い時間で、すばやく計算する練習をしましょう。また、穴埋め形式独特のサボり方も覚えていくといいでしょう。

量をこなす演習は、青チャートレベルでOKでしょう。意味を考えながら、解法ごと頭に入れてしまってください。


質を高める場合は、過去問、あるいは河合塾の「やさしい理系」「ハイレベル理系などで行うといいでしょう。このときは、分からない問題にあたっても十分に時間をかけることです。

普段勉強するときから、本気のスピードで計算し、100%正解する気持ちで取り組みましょう^^

 

以上です^^ 



 

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■関連する拙著シリーズ■

★   数学Ⅲ 微分

★ 数学Ⅱ 微分

★ 数学ⅢC 原則のみ (以上、第1問、第2問)

★ 計算0.9 (計算練習帳です^^)

 

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