金沢大学 文系| 2018年度大学入試数学

      2018/03/26

●2018年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は金沢大学(文系)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2018年 大学入試数学の評価を書いていきます。


2018年大学入試(国公立)シリーズ。
金沢大学(文系)です。

問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。





また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。

※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。


同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。





金沢大学(文系)
(全3問、記述式、90分)

1.全体総評~考え込む問題はなく標準レベルのセット~

難易度は昨年とほぼ同じです。分野はII・Bに偏った出題ですが、全体的には標準問題の並ぶセットで、詰まるような部分はほとんどないでしょう。時間的にも余裕があるので、途中で変なミスをしなければ満点を狙えるセットです。

制限時間90分に対し、目標解答時間は60分。

2017年:65分
2016年:70分

2015年:65分



2.合格ライン

 

どれの問題も取れます。時間的にも余裕はあるので、じっくり解ききりたい。70%は欲しい。

 

 

3.各問の難易度

第1問・・・【ベクトル+三角関数】外心と垂心の関係、長さの最大値、最小値(B,20分、Lv.1)

チャートなどでもよくある問題で、外心と垂心の問題です。問題のHが垂心を表すことは、(2)からも明らかです。

(1)は、直角三角形の外心は斜辺BCの中点にありますから、ほぼ明らかでしょう。

(2)は、AHとBCの内積をとります。外心Oを起点とした計算をすることになりますが、|OA(→)|=|OB(→)|=|OC(→)| を忘れないように。これが外心の条件ですね。

 

(3)実際に成分が与えられえいるので、GH(→)=OH(→)-OG(→)として、ひたすら長さを計算するだけですね。なお、聞いているのは2乗のままです。 (ルートが入っていますが、2重根号は外せます)

 

原則を使うまでもない問題でしたね。

 

※KATSUYAの解答時間7分。ちょっと骨がないなぁと思いました。

 

☆第2問・・・【指数対数】対数方程式・不等式を満たす整数の組み(B、20分、Lv.2)

対数方程式・不等式に関する問題で、こちらは多少骨がありそうですが、同じようなことを何回もやらされます^^;

(1)~(3)全体で共通するのは、対数方程式・不等式の解き方の原則です。2つ使うことになります。

底が違う対数だと公式が全然使えないので、まずは底を変換しましょう。

Principle Piece II-84

 対数公式は底を合わせないと使えない

(拙著シリーズ(白) 数学II 指数関数・対数関数 p.15)

底を合わせると、logが分母に出てきますので、それを払うと(不等式の場合は払う前がいいですが)、(logba)^2のような、log全体の2乗になりますので、この場合は対数自体を置き換えましょう。

Principle Piece II-89

 対数方程式2 対数×対数 のときは対数=Xで置き換える

(拙著シリーズ(白) 数学II 指数関数・対数関数 p.20-22)

(1)はこれで行けます。「a」を真数に置いておいたほうが見やすいでしょう。

(2)は不等式なので、分母を払うときに不等号の向きが変わる可能性がありますので、分母の2乗をかけてしまえば、場合分けもなくて済みます。

Principle Piece III-2

 分数式の不等式 → (分母)^2 を両辺にかける

(拙著シリーズ(白) 数学III 関数 p.8)

(3)では、a>1,b>1のもとでは、置き換えた「log_b a>0」が言えるので、(それに気づかなくても)不等式で分母を払うだけで答えは得られます。もちろん、断りを入れないと減点されるでしょう。

(4)は(3)の条件を用いるだけです。「すべて求めよ」とありますし、コツコツ全調査ですね。

※KATSUYAの解答時間8分。(2)(3)あたりの不等式で分母を払うところでは差がつきそうですね。

第3問・・・【積分法+2次関数】定積分を含む等式、解の個数(B、20分、Lv.2)

最後は積分と2次関数からです。定積分を含む方程式ですが、問題文にあるとおり定積分の部分を「a」とおきます。

Principle Piece II-114

 定積分は定数 → aとおいて再び a=・・・を解く

(拙著シリーズ(白) 数学II 積分法 p.15-16)

 

(1)は意図がよくわかりませんが、x=2を代入するだけです。

(2)は定積分を「a」とおくと、f(x)=|x-1|+ax と形が決まります。f(t)の積分区間0~2では、絶対値の中身の符号が変わりますので、分けて積分ましょう。

 

Principle Piece II-115

 絶対値付き定積分  中身=0 と両端の大小で場合分け

(拙著シリーズ(白) 数学II 積分法 p.17-21)

 

(3)はお助け問題でしょうか。kを分離するのは原則なので当然として、そのように移項するとaが消えてしまいますので、(2)までが出来なくても解けます。

 

Principle Piece I-34

 文字定数入りの解の個数は定数分離で視覚化

(拙著シリーズ(白) 数学I 2次関数 p.48)

 

※KATSUYAの解答時間12分。最後まであまり骨がないセットの印象でした。満点取れそうですね。

 

4.対策

金沢大は、文系でも割と計算量が多い問題がありますが、やることは極めて典型的なパターンが多いです。

チャートは、または黄色でいいでしょう。ある程度習得できたと感じた段階で、入試基礎レベルの問題集へ以降しましょう。標準レベルまでは無理にやらなくてもいいと思います。

また、理系の問題が多いので無駄になるかもしれませんが、過去問の単科長年タイプのもので早めに少しづつ始めてしまってもいいかもしれません。

量をこなす演習:じっくり演習=10:0でOK。

以上です^^

■他年度の、本大学の入試数学■

>> 2015年度

>> 2016年度

>> 2017年度

 


■関連する拙著シリーズ■

★ 数学I 2次関数 (第3問)

★ 数学II 指数関数・対数関数 (第2問)

★ 数学II 積分 (第3問)

★ 数学B ベクトル (第1問)

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