関西学院大学 文系(全学日程2/1) | 2019年大学入試数学
●2019年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は関西学院大学(全学日程文系:2/1)です。
いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2019年 大学入試数学の評価を書いていきます。
2019年大学入試(私大)シリーズ
関西学院大学(全学日程文系:2/1)です。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。
したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。
関西学院大学(全学部日程:文系)(2月1日実施)
(試験時間60分、3問、ハイブリッド型)
※ハイブリッド型・・・記述式と穴埋め式が混合しているもの。
1.全体総評~分野が5年連続でほぼ固定。例年よりはラクか~
全体的な構成が5年連続でほぼ一致です。第1問は2次関数と確率、第2問は数学II(微積以外)と数B(今年は空間ベ)、第3問が微積です。
量的には昨年とあまり変わりません。昨年一気に量が減ったので反動があるかと思いましたが、むしろさらに少し減った感じです。
試験時間60分に対し、
標準回答時間は72分【56分】(穴埋め考慮)
2018年は77分【60分】(穴埋め考慮)
2017年は94分【74分】(←穴埋め考慮)
2016年は88分【67分】(←穴埋め考慮)
2015年は82分【59分】(←穴埋め考慮)
2.合格ライン~第3問は対策済みでむしろ差がつかないか~
第1問はキー問題。2次関数後半と確率で意外と差が付くと思われます。7つ中5つは欲しい。
第2問もキー問題。前半は置き換えのパターンに気づけるか。後半の空間も垂線のパターンで計算はメンドウ。半分切るようなら、第3問で全部とりたい。
第3問はいつも通りの微積なので、対策済みならしっかり確保したい。それまでで落としているならなおさら。
65%~70%ぐらいでしょうか。
3.各問の難易度
第1問(1)・・・【2次関数】絶対値付き2次関数と直線、共有点の個数(AB、12分【8分】、Lv1)
5年連続、2次関数からの出題。昨年同様に絶対値付きです。
(拙著シリーズ(白) 数学I 数と式 p.12-13)
x<1でグラフがもとのからひっくり返ります。共有点は(x+1)(x-1)のときと、-(x+1)(x-1)のときで連立すればOK。これは簡単でしょう。後半は視覚化が有効。x軸に1だけ平行移動したグラフと、もとのグラフの1<x<2の部分だけ書けば、あとは縦にどれだけずらせるか、ですね^^
(拙著シリーズ(白) 数学I 2次関数 p.48)
☆第1問(2)・・・【確率】カードの数字の和、条件付き確率(AB、10分【6分】、Lv.1)
こちらも、4年連続でここに確率。今年はサイコロではありませんでしたね。Aから取る2枚は同じ数字にならないことに注意。10以上は(2,4,4)(3,4,3)(3,4,4)です。最初の2枚がA、うしろがBです。
積が0になる=「すくなくとも1つが0」と言い変えられます。余事象がいいでしょう。(Principle Piece A-31 数学A 確率 p14-15)
条件付き確率は、分母と分子がどんな確率かを確実に押さえましょう。(Principle Piece A-39 数学A 確率 p14-15)
分母は「カ」の確率です。分子は「Y=0かつBの袋から1以上」です。いいかえると、「Aの袋から0とそれ以外、Bの袋から1,2,3,4のどれか」となります。
※KATSUYAは計7分で終了しています。相変わらず2次関数はひとひねり(半ひねりぐらい)いれてきます。うまい。
☆第2問(1)・・・【対数・微分】対数関数の最大値(AB、15分【9分】、Lv.1)
条件付きの最大値です。logを含む式の場合は、それが足し算(引き算含む)か掛け算(割り算含む)かで方針が決まります。(Principle Piece II-88,89 数学II 指数関数・対数関数 p20-22)
今回は掛け算なので、logx=X、logy=Yとでも置き換え、条件式を2X+Y=6, X≧1、Y≧1とすればこちらの勝ち^^
Xの範囲を聞いているので、Y消去です。消去するなら条件にも代入です。 Y=2X-6、X≧1、2X-6≧1です。最後忘れないように。
求める式はX^3Yですから、4次関数になります。微分して増減で終了です。X=9/4をそのまま「イ」にかかないように。
☆第2問(2)・・・【空間ベクトル】平面に垂直なベクトル(B、12分【8分】、Lv.2)
この位置には数Bが固定のようで、ベクトルの方が若干多めです。今年は空間ベクトル。典型的な平面への垂線が題材ですが、先に垂直なベクトルを出させています。このベクトルに平行になるように下ろす、という考えかたです。
垂線Hを、「平面ABC上にあること」かつ「DHがpベクトルと平行であること」で決めようということです。
AH=sAB+tACと置けることが、そのまま前半の条件です。後半はDH=kpベクトル です。s、t、kの3文字、成分ごとに方程式が出来るので式も3つ。あとは連立ですね^^
ここで、「普段通りの出し方も併せて復習する」といったことが自然とできるかどうかが、勉強の質の差になります。必ず確認しておきましょう。(Principle Piece B-56, 数学B ベクトル p75)
※KATSUYAは計7分で解いています。ベクトルの連立はいつまでたっても慣れない。。。
☆第3問・・・【微積分】3次関数の極値、接線、面積(B、25分、Lv.2)
最後は5年連続で微積分の分野から出題。内容もほぼいつもどおりです。
(1)は教科書みたいですね。こんな例題ありますよね。接線の傾きの式=f’(t)ですから、不定積分としてf(x)を出し、+Cの不定部分を通る点で決めましょう。
(2)は定数分離かと思いきや、なんと定数項が消えるので、高次方程式にあるタイプです。意外と差がつくかも?(Principle Piece II-28 数学II 複素数と方程式)
x=0は解になります。残りの2次方程式が、「0でない重解をもつ」か「0とそれ以外と持つ」かですね。
(3)は昨年同様の積分計算です。連立した式はx(x+2)^2となります。上下関係だけ注意し、積分するときは、x(x+2)^2=(x+2-2)(x+2)^2=(x+2)^3-2(x+2)^2 とみなして積分するといいです。結果も出来れば暗記しておきたいですね。
KATSUYAは8分で終了しています。最後の計算はラクさせてもらっています。
4.対策~固定化された分野を重点的に~
まずは、出題分野がここ3年固定です。2次関数、確率、ベクトルor数列、微積(3次関数、面積)+数学IIのどれか、という感じです。これらの分野を重点的に行いましょう。
難易度的には、センター試験に少し毛が生えた程度だと言っていいと思います。特別な難問を演習する必要はなく、レベル的には黄色チャートを繰り返すことでも十分対応できるでしょう。青チャートだと逆にお釣りがもらえますね^^
穴埋め問題に対応できるために、最低限の答案量で計算する練習もしておくことも重要です。
量をこなす演習:じっくり演習=9:1ぐらいですね^^
以上です。
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■関連する拙著シリーズ■
★ 数学Ⅰ 2次関数 (第1問(1))
★ 数学A 確率 (第1問(2))
★ 数学II 指数関数・対数関数 (第2問(1))
★ 数学II 複素数と方程式 (第3問(2))
★ 数学II 微分 (第3問)
★ 数学II 積分 (第3問)
★ 計算0.9 【IAIIB】 (計算サボり練習帳です^^)