立命館大学 全学方式文系(2/2) | 2020年大学入試数学
●2020年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は立命館大学(全学方式文系:2/2)です。
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2020年 大学入試数学の評価を書いていきます。
※入試シーズン中はコメントの返信が大幅に遅れることがあります。ご了承ください。
2020年大学入試(私大)シリーズ。
立命館大学(全学方式文系:2/2)です。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。
したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。
立命館大学(全学部方式文系:2/2)
(試験時間80分、3問、ハイブリッド型)
※ハイブリッド型・・・記述式と穴埋め式が混合しているもの。
1.全体総評~今年は2番が易しめで難易度は中くらい~
易か難か、といった感じの出題が続いていましたが、今年は真ん中ぐらいです。名物の第2問は今年は易しめ。第1問普段よりボリュームがありますが、後ろが取り組みやすいので、バランスが取れた出題にも見えます。
分野的にも微積、微積以外のII、数Bの数列、数Aの確率といった感じなので、こちらもバランスは取れています。複数分野にまたがる問題は今年はあまり出ませんでした。
穴埋めを考慮すると、制限時間内にも収まりそうです。
試験時間80分に対し、
標準回答時間は90分【67分】(←穴埋め考慮)
2019年は102分【77分】(←穴埋め考慮)
2018年は100分【74分】(←穴埋め考慮)
2017年は71分【53分】(←穴埋め考慮)
2016年は98分【66分】(←穴埋め考慮)
2015年は68分【46分】(←穴埋め考慮)
2.合格ライン~~
第1問がキー問題か。[1]の領域も意外とミスりやすい。[3]は知識量で時間差は出る。[2]の確率も差がつきやすい分野。17個ある穴埋めのうち何個確保出来るか。
第2問は今年は誘導に従って数値計算カリカリやるだけ。なんとか正解したい。
第3問も誘導が丁寧なので、そこまで迷うことなく完答出来るのでは?
昨年は60%なくても悲観には及ばないですが、今年は60%では数学は借金でしょう。7割ないと不安が残りそうですね。
3.各問の難易度
☆第1問(1)・・・【図形と式】不等式と最大・最小(B、20分【14分】、Lv.2)
領域内における最大、最小です。典型的なパターンですが、Dの形を間違えると全滅。
領域を表す不等式には絶対値が付いていますが、y軸対称であることに気づけば折り返しで済みます。x≧0では中心(ー1、0)、半径2の円を描きますので、それをくるっと折り返しましょう。Dが分かれば面積はいいですね。
最大・最小の問題は原則通り「=k」とおいて、グラフ上でkが何を表すかを考えましょう。
x+y=kならkはy切片で視覚化。曲線が絡む時は、端点のほかに接点が最大・最小の候補になります。注意しましょう。
後半も同様。後半は距離として現れますので、円同士が接するのかどうかがポイントになります。
☆第1問(2)・・・【確率】サイコロ3個、目の最大値と最小値(AB、12分【8分】、Lv.1)
サイコロ3個を投げたときの目の最大値と最小値に関する確率です。よく見るパターンですね。
最初は原則通りです。最小5以上ー最小6以上とすればOK。
次は「m≦4かつM≧」4ですが、(4,4,4)でもいいし、(4,4,5)とかでもいいですので、結構しんどいです。ここで、余事象が思い浮かぶとラク。計算しやすい方を計算するのが大原則です。余事象は「m≧5またはM≦3」ですが、両者は排反なので、足すだけです。
(c)の方が考え方はラクです。(2,2,6)と(2,6,6)のときだけ注意。あとは目がみんな違います。
(d)はほぼこの考え方をそのまま使うだけですので、(c)が出来れば出来ます。
☆第1問(3)・・・【微積分II】直交する放物線の2接線、面積(AB、18分【12分】、Lv.2)
もっと簡単な大学なら余裕で大問になる題材です。小問に押し込んでくるのね^^;
最初は放物線の外から引いた接線ですから、接点を置いて接線を作ってから通る条件を用います。原則ですね。次の直交する直線は傾きから接点もすぐに出ます。
後半は面積ですが、交点のBすら不要です。放物線と2接線についての面積比の関係などをしっかり押さえていれば、どちらも準公式で済みます。「チ」は「12分の」公式、その3倍で△ABCが出ます。長方形はそのさらに2倍です。2次の係数が1/4なので、そこだけ気をつけましょう。
まともに計算するにしても、接線がらみの積分は原則に従い、(x-2)^2 → (x-2)^3/3 などの積分を存分に利用しましょう。
※KATSUYAは計17分で解いています。今年は第1問がかなり重いな。配点はいつも通りなんかな?
第2問・・・【方程式・不等式】ルート付きの方程式、不等式(AB、25分【18分】、Lv.1)
立命館文系の第2問は名物、身近な数学問題です。今年は明らかに「易」だと思います。
給料と雇いたい人の数、給料と働きたい人の数という、個人的には興味深い関係式ですが、やることはただの方程式と不等式の計算です。数値計算をカリカリやるだけですね。
1つ1つ説明する必要もないと思いますので、ルートの外し方についてテクニックを確認することにしましょう。あ、文系の人でも、数学を受験で使うなら、最低限20まで、理想は30まで平方数を覚えておきましょう。
20×1280=25600=256×100 → 「ア」は16×10です。
50×450=22500=225×100 → 「イ」は15×10です。
「オ」~「ケ」も不等式をカリカリ計算します。最後の部分は、均衡点を破れば、給料を上げようが下げようが、実際に働く人の人数は減るということです。無理関数の交点などを考えれば分かります。
均衡点から増やした場合はAの方が減るハズなので、「コ」はAを計算すればOK。「サ」は逆。こちらも計算テクを。どちらも同じ値になりますね。
20×1620=32400=324×100
50×648=100×324
※KATSUYAの解答時間は9分です。第1問でかかったけど、ここはいつもよりかなりラク。昨年きつかったからやさしくしたかな?
☆第3問・・・【数列】漸化式(B、15分、Lv.2)
最後は漸化式からの出題。第3問は2年連続で漸化式が絡みました。
特殊な形の漸化式ですが、過去にも様々な大学で出題のあるパターンなので、経験済みであることが望ましいです。誘導に従って丁寧にいきましょう。
[1]は取りあえずやってあげてください(笑) 一応[4]の検算には使えます。
[2]がメインでしょう。b(n+1)=b(n)×a(n+1)で、条件の漸化式を使えばうまくb(n)、b(n-1)が出ます。
[3] 隣接3項間なので、2次方程式の特性方程式を作ります。解の1つが「1」であることから、階差に持ち込もうという流れです。
[4]は階差から元の数列へ。[5]はa(n)=b(n)/b(n-1) とします。[3]が出れば最後まで出せますね。
※KATSUYAの解答時間は6分。こちらも簡単になったな。確率と漸化式は厳しかったかな。
4.対策~第2問はとにかく過去問で対策を~
今年は第2問がまた毛色の異なる問題でした。本格的な演習は過去問が最もいい、というか過去問しかないでしょう。別日程の分も含めれば、かなりの回数の演習が確保できるはずです。
第1問や第3問の対策はチャートのような網羅系参考書で十分です。青チャートのコンパス4ぐらいまでやりましょう。難しい問題を練習するよりも、典型レベルで表現が変えられても分かるようにしておくことが必要。
チャートを忘れないように復習しつつ入試基礎演習の段階まできちんとこなせば、その後は過去問に接続しても大丈夫かとは思います。
以上です^^
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