関西大学 理系(2月7日実施) | 2020年大学入試数学

   

●2020年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は関西大学(理系、2月7日実施)です。

※入試シーズン中はコメントの返信が大幅に遅れることがあります。ご了承ください。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2020年 大学入試数学の評価を書いていきます。


2020年大学入試(私大)シリーズ。

関西大学(理系、2月7日実施)です。



問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。


解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。


同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。





関西大学(理系、2月7日実施)
(試験時間100分、4問、ハイブリッド型)
※ハイブリッド型とは、穴埋め型と記述式の混合型のことです。

1.全体総評~数IIIの割合は少ないままだが処理量は戻る~

昨年、数IIIの割合が減りましたが、今年もその傾向が踏襲されています。今年は大問3のみが数III。ただし処理量は昨年よりは多く、小問も意外とすんなりとはいかないものがあり、油断すると落としかねない問題セットです。数Bの空間ベクトルは今年も出題されました。


試験時間100分に対し、

標準回答時間は109分【87分】(←穴埋め考慮)

2019年は97分【78分】(←穴埋め考慮) 

2018年は123分【97分】(←穴埋め考慮)

2017年は104分【86分】(←穴埋め考慮)

2016年は128分【102分】(←穴埋め考慮)

2015年は122分【88分】(←穴埋め考慮)

2.合格ライン

第1問は2年連続で空間ベクトルですが、誘導通りに計算すれば出来るはず。
第2問はパターン問題だが、演習量で差が出る可能性があり、慣れていないと時間を持っていかれるキー問題

第3問は微積総合問題で、普段に比べると細かい部分に気を配る必要がありそうでキー問題
第4問は今年は(3)(4)(5)などは差がつくかと。(2)も意外と出来ない人いそう?



第1問を押さえ、第2問と第3問はどちらかを完答。第4問は残り時間で半数以上を答えたい。70%ぐらいがボーダーでしょうか。


3.各問の難易度

第1問・・・【空間ベクトル】四面体上の2点の長さの最小値(B、20分、Lv.1)

昨年に引き続き空間ベクトルからの出題ですが、小問通りに従えばただの計算問題化と思います。落ち着いて正解したいです。

空間ベクトルでは(基本ベクトルを3つおきます。始点はOにし、Oに合わせて差の形にするのが原則ですね。

また、なす角が設定されているなら、基本ベクトルの長さ3つと内積3つの計6種を用意しておきましょう。

これで(1)(2)はただの計算になます。(3)も2cosθ=s+tに置き換えれば、CP、CQともに同じ式となります。

(4)もPQベクトル=OPベクトル-OQベクトルとして2乗の式を立てればOK。問題文からtを消せばいいので、t=2cosθーsを代入すればsの2次関数になりますね。

 

※KATSUYAは10分で解答しています。ここはかっちり合わせたいところ。

 

☆第2問・・・【2次関数など】方程式の解の個数(B、20分【14分】、Lv.2)

x+1/x の置き換えによる方程式の解の個数で、比較的見かけるパターンです。

x+1/xの形なので相加・相乗の関係式が見えます。正のときは2以上、負のときはー2以下です。分母を払ってx^2-ax+1=0として判別式でも分かりやすいでしょう。

後半はx+1/x=tとしたときの2次関数t^2-2t-2-b=0の解になります。tとしては1を真ん中にして対称な解となりますので、先に2にぶつかります。

t=2(xとしては重解x=1)が解になるのは、b=-2のときです。(他方はt=0なのでxとしては解なし)。

さらに対称に広がり、t=-2(xとしては重解x=-1)が解になるのがb=6のときです(他方はt=4でxとしては解2つ)。

b>6ならばtの解として大きい方は2より大きく、小さい方はー2より小さいので、xは合計4つの実数解をもちますね。

 

 

※KATSUYAは7分で終了しています。典型パターンなので上記のやり方で終了。1で対称なので分かりやすいな。

☆第3問・・・【微積分総合】導関数、極大値、面積と極限(B、25分、Lv.2)

微積分総合問題です。誘導がある程度丁寧なので流れには乗れると思いますが、(3)あたりで少し細かい議論が出てくることになりますので、ここで差がつきそうです。

(1)はそのまま微分すればOK。(2)は実際にf(x)を微分してみると分かりますが、合成が出来る形になります(合成が出来る形とは、sin、cosが両方ある、1次である、角度が同じ の3条件が満たされていることです) cosの合成なので符号等に気をつけましょう。

(3)は極大となる部分なので、f'(x)の符号が正から負に変わるタイミングになります。f’(x)=0となる角度は1周につき2つありますが、これを満たすとなると1周につき1つです。ここがポイントですね。

(4)は(3)が分かれば落ち着いて計算するだけです。f(x)の積分はlogx、1/xがあるので、置換積分でうまくいきます。面積なので、正負に気を付けましょう。符号が一定の区間であれば、∫|f(x)|dx=|∫f(x)dx| (積分計算をし終わった結果に絶対値を付ければOK)であることを利用するときれいにまとまります。

結果はnの1次式という非常に単純なものなので、極限はおまけですね。

※KATSUYAは13分で解答しています。(3)(4)あたりは本格的な微積総合問題かな。普段よりは差がつきやすいパターンな気がする。

 

第4問(1)・・・【確率】くじ引きと確率(AB、8分【5分】、Lv.2)

まともにぶつかると意外と手こずりそうな確率です。

まともに解くとすれば、ともに当たる場合とともに外れる場合を素直に式にし、不等式を解くことになりますが、3次不等式になりますので、因数定理やらなんやらで計算は少し時間がかかります。

単純に考えれば、ハズレが当たりより多ければいいわけなので、2×2n<n^2 ならOKでしょう。

☆第4問(2)・・・【三角関数】条件下での最大・最小(AB、8分【5分】、Lv.2)

条件式は楕円条件ですが、結局はcosθ、sinθだけになりますので、実質はただの数IIの三角関数です。入試用の問題集にならそのままありそうなタイプの問題ですね。

s^4+c^4=(s^2+c^2)^2-2s^2c^2=1-2(sc)^2 なので倍角で1/2×sin2θとでもすれば範囲はすぐに出ますね。

 

☆第4問(3)・・・【指数関数・対数関数】対数方程式(AB、12分【8分】、Lv.2)

こちらも意外と手こずりそうな対数方程式です。log×logの式があるときは置き換えるのが原則です。しかしこの置き換えが意外と思いつきにくいかと思われます。 e^2x-1=(e^x-1)(e^x+1) とし、log(e^x+1)=X、log(e^x-1)=Y と置くと見えましたね。

 

☆第4問(4)・・・【数列】一般項が満たす漸化式の作成(AB、8分【5分】、Lv.2)

先に一般項が与えられており、それが満たす漸化式を求めるもの。こちらも演習経験がないと意外と手こずるかと思います。1-2i=α、1+2i=β とでも置くと見やすいと思います。帰納法(パターン的にはオトトイ法)などでよく見かける変形を行うことになりますね。

なお、式の形から、特性方程式の解が1±2iとなりますので、和2、積5が入ることはほぼ明らかです。

☆第4問(5)・・・【整数】商と余り(AB、8分【5分】、Lv.1)

こちらもひっかかりかねないタイプの割り算。あまり舐めてかかると足元見られます。

整式として割り算すると商n、余り-n^2+n-1となります。しかし、整数の割り算として考えると、余りは0以上割る数未満でないといけません。

余りは割る数より小さいので、商を1つ減らして、として余りにn^2-2n+2を足します。商n-1、余り-n+1です。まだ余りがマイナスなのでダメです。

そこでもう一度同じ操作をします。商n-2、余りはn^2-3n+3となります。これで余りは0以上割る数未満になりましたね。

※KATSUYAは計12分で終了しています。見かけよりは油断できない問題多い。

4.対策~第4問の穴埋めまでまんべんなく~

今年は大問がIIIとB(数列もベクトルも)、穴埋めでIIとAという印象。題材自体はそんなに難しいものではありませんので、変に難しいものをやるのではなく、チャート式の典型問題や基礎的な入試問題で演習量を積んでおきましょう。

また、第4問の小問は今年は特に感じましたが、癖のある小問です。過去問を長年分手に入れて、しっかり練習しましょう。

IAIIBは穴埋め形式での出題が多いです。奇問はそこまでありませんが、傍用問題集の単問に比べるとひねりや融合がありますので、いろんな表現になれるために量をこなしておきましょう。チャートは黄色、どちらでもいいと思います^^

レベル的には、入試基礎演習のレベルの参考書を最後に、過去問に接続しても大丈夫だと思われます。

以上です^^

 

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