早稲田大学 教育学部 | 2020年大学入試数学
2020/02/24
●2020年度大学入試数学評価を書いていきます。今回早稲田大学(教育学部)です。
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2020年 大学入試数学の評価を書いていきます。
2020年大学入試(私大)シリーズ。
早稲田大学(教育学部:理系)です。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。
したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。
早稲田大学(教育学部:理系)
(試験時間120分、4問、記述式、一部答えのみ)
1.全体総評~大問が手をつけやすいものが多い~
今年は昨年とほぼ同程度かと思います。第1問はあいかわらず油断できない小問で、今年も(2)(4)あたりが苦戦しそうです。ただ第2問以降の大問が比較的方針が立ちやすい問題が多かったように思います。論証がなかったので、計算力である程度押し切れる部分もありそう。
試験時間120分に対し、
標準回答時間は152分【128分】(←答えのみを考慮)
2019年:148分【134分】
2018年:174分【142分】
2017年:152分【131分】
2016年:128分【117分】
2015年:127分【107分】(答えのみを考慮)
2014年:165分
2.合格ライン
第1問は(1)(3)を押さえたい。(2)は時間がかかり、(4)は発想力重視でキー問題。
第2問はできれば押さえたい。(1)が出来ればそのまま(2)も出来るはず。
第3問はキー問題。(1)はなんとか取りたい。(2)が出来ればかなり有利。
第4問もキー問題。場合分けが3通りあることに気づけば、あとは時間との勝負。(1)の方がメインかと。
第1問(1)(3)、第2問、第3問(1)を押さえ、残り時間で手がつけやすいものから手を付けたい。60%程度でしょうか。
3.各問の難易度
第1問(1) 【確率】非復元抽出(B,12分【8分】、Lv.2)
くじ引きの問題です。
くじ引きは順番が関係ないことを利用すれば、何番目に引いても同じ確率であることを利用すればすぐに出来るはずです。
あるいは、赤と白を1列に並べて左から順番に取っていくと考えても、赤が奇数番目にある確率として取られられます。
☆第1問(2) 【空間ベクトル】球面での反射(BC,25分【16分】、Lv.2)
球面での反射先の点を求める問題で、ありそうでなかった問題です。
問題文にあるように、反射はOAB内で行われ、入射角と反射角が等しくなるよう進みます。
BCはOAB上のベクトルで表せること、および角が等しいことから、内積の「cosθ=・・・」の公式にあてはめましょう。これでBCベクトルが文字1つで表せます。あとはOCベクトルが球面上にあることを式にし、文字を決定すればOK。
計算は結構ありますね。。。後回しが正解かと。
第1問(3) 【微積総合】接線、回転体の体積(AB,10分【7分】、Lv.2)
原点を通る接線を求め、さらに回転体の体積を求めます。基本的な微積分総合問題です。
まず、曲線外から引いた接線を出すには、最初に接点を置きます。接線の式を出し、原点を通ることを式にしましょう。
後半は回転体です。三角錐からlogxの回転体部分を引きましょう。(logx)^2の積分ですので、部分積分が2回必要です。1=(x)'とみなして部分積分ですね。
logxの不定積分がxlogx-xとなることは知っておいて損はないでしょう。
第1問(4) 【積分法】積分値が一定になるような関数の決定(BC,20分【12分】、Lv.2)
積分値の値がaによらず一定になるような関数を決める問題で、教育学部の小問らしい問題。
関数方程式なので、aやbに適当な値を入れてみることがポイントです。a=1は第2項が0になることからも、試すべき数値だと思います。
aの値によらないということなので、aについて微分すれば0になるということです。ここで、a=1、b=xなどとすることでf(x)の正体が見えてきますね。
きちんとした答案にするには、f(x)を出した後、今一度aによらないことを確認する必要がありますが、穴埋めなので出れば勝ちです。
※KATSUYAの感想:計30分で解答。(1)はほぼノー計算で終了。(2)は方針は立つものの計算がキツイ。(3)は計算するだけ。(4)はaで微分した式をじっと眺めて、a=1とする。あ、b=xにすればいいのか、と気づき、答えが出た時点で終了。
第2問・・・【微分法の応用】半径1の円に外接する三角形の辺の最小値(B、25分、Lv.2)
タイトル通りで、半径1の円に外接する二等辺三角形について、等しい辺がいつ最小になるかを求める問題です。
(1)ですが、表し方はいろいろありそうな気がしますが、θの三角関数ということであれば1通りになりそうです。(私と、Yさん、Kさんは答えは一致してはいました) 内接円と二等辺三角形なので、相似を見つけて解くのがはやいと思います。たしか、体系数学2の教科書(幾何編)の例題にも載っているやり方で、基本操作と言えます。
(2)はそのまま微分していけば、sinθだけの式にできます。0<sinθ<1となるθは1つしかありませんが、その前後で微分したものが負から正になることを言えばOKです。
特にひねられているところはないので、取りたいですね。
※KATSUYAの感想:解答時間12分。(1)は上記の通りに計算。(2)はこれを微分するだけやんな?オレなんかひっかかってる?sinθの式にもなるし、かなり簡単な気がする。普段なら値も聞いてきそうやけど。
☆第3問・・・【2次曲線+極限】楕円の中心、面積和(BC、30分、Lv.2)
楕円を一定の規則に従って次々に書いていき、その和集合の面積を求める問題です。うまく設定されており、良問だと思います。
図形を一定の規則で書いていく問題は、最初と2個目の関係性が、そのままn個目とn+1個目になることがほとんどですので、最初にいくつか書いてみて、その図を(こそっと?)n個目とn+1個目の図に書きかえればOKです^^
(1)n個目の楕円C(n-1)と、次の楕円C(n)を書きます。楕円の長軸、短軸がどんどん半分になることから、C(n-1)の式は中心a(n-1)とすれば書けます。
y座標が頂点の半分になるには、x座標がa(n-1)からどれだけ進めばいいかを求めれば、これが{a(n)}の階差数列となりますね。a(0)=0から始まっているので、添え字のずれに注意。
(2)は差がでそうです。相似な図形を書いていっていることから、面積和も無限等比級数になるはずです。あとは、どの形の相似を利用するかです。C0はまともに足して、あとは三日月型の相似を利用するか、C0を左半分だけ足して、あとは台形のような形の部分の相似を利用するかです。
面積は楕円なので、積分で出してもいいですし、拡大して円にすれば積分も不要です。楕円絡みの面積は拡大して円に直すのが有効なことが多いですね。(積分で出せるなら、この方法でも出せますし、積分で無理ならこの方法でも無理)
※KATSUYAの感想:解答時間22分。最初、楕円の書き方の規則がつかめず。これだけで場所決まる?あ、短軸は前の楕円の弦なのね。だからC(n-1)から切り取ったところに書くのか。理解。(1)は等比の和と判断してさくっと図で述べて終了。(2)は、、、左半分たして台形っぽい部分の等比で行くか。面積は円の拡大でいく。楕円系で積分するのは個人的にいやなので。
☆第4問・・・【微分法の応用】曲線上の点と原点との距離の最大値など(BC、30分、Lv.2)
最後は再び微分法です。今回も関数は単純で、原点との距離という設定も単純ですが、(2)で必要となる最小値を含めると場合分けが4つ必要で、こちらもうまく設定された良問だと思います。
(1)は式はすぐに出ると思います。微分すると気づくのが、まずkと1の大小でx=0のみが解になるかどうかが分かれます。k>1でやっていると、新たに出る解√(k-1) が1を超えるか超えないかで(k=2を境目に)場合分けです。この場合、さらに最大値は両端のどちらかになりますが、これがどちらになるかが、さらに√2を境目に分かれます。
まとめると、0~1、1~√2、√2~2、2~の4つに分かれます。(1)の段階で最大値・最小値の両方をやっておけば、(2)はほぼ作業です。
(2)は本学受験者なら初見の人はいないと思いますが、念のため、ドーナツ型になるのは分かると思います。最大距離半径の円と最小距離半径の円の間の面積になりますね。
※KATSUYAの感想:解答時間20分。(1)は式を出して微分するだけやろ。ん?k=1で場合分けか。なんか理工学部で似たようなことやったな。進めていくと、k=2でも分ける必要があることに気づく。なるほどな。さらに、√2でも分ける必要があることも分かる。1~2の中で2つにさくっと分ければいいか。「最大値・最小値を出せ」にしとけば、(2)いらん気がするけど。
4.対策
第1問の基本を落とさないために、青チャートレベルをしっかり定着させておきましょう。スピードも必要です。
第1志望でない人は、他の2次の対策をしておけばOKでしょう。理工学部と難易度は似ています。数学IIIまで早めに1ラウンド終わらせて、夏までには入試演習に入り、入試標準演習レベルまでは最低やってから過去問に入りたいところです。数学で得点したいなら、仕上げ段階までやってもいいでしょう。論証は完璧な答案を仕上げる対策はコスパが悪いと思います。まずは試したりゴリ押しする力を養う方がいいでしょう。
第1志望の人は、なるべく長年分の過去問を入手しましょう。第1問の小問や論証は癖が強いです。
なお、今年は出ませんでしたが、複素数平面は頻出なので、要注意分野と思っておいたほうがいいでしょう。
量をこなす演習:じっくり演習=7:3ぐらいでしょう。
以上です^^
数学ONLYで長年分の過去問もあります。2017年までなので、最新の赤本となら被りも少ないでしょう。
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