同志社大学 全学部文系 | 2021年大学入試数学
2022/02/01
●2021年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は同志社大学(全学部文系)です。
2021年大学入試(私大)シリーズ。
同志社大学(全学部文系)です。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。
したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。
同志社大学(全学部文系)
(試験時間75分、3問、ハイブリッド型)
※ハイブリッド型とは、穴埋め型と記述式の混合型のことです。
1.全体総評~穏やかな昨年と同じぐらい~
2020年はかなり穏やかでしたが、それと同等か少し簡単ぐらいです。最終問題は計算量も多めですが、それ以外はそこまで計算量はありません。第1問の小問が3つに増えましたが、その分1つ1つは軽くなり、結果的にかなり計算量は減ってると思います。点取らせ問題に変えた?
試験時間75分に対し、
標準解答時間は74分【67分】(←穴埋め考慮)
2020年は80分【64分】(←穴埋め考慮)
2019年は90分【75分】(←穴埋め考慮)
2018年は103分【90分】(←穴埋め考慮)
2017年は113分【98分】(←穴埋め考慮)
2016年は110分【91分】(←穴埋め考慮)
2015年は101分【85分】(←穴埋め考慮)
2.合格ライン
第1問は小問ですが、どれも教科書応用~章末レベル。これは本学受験者ならしっかり確保したい。
第2問も難しめのパターンの漸化式だが、本学受験者なら演習済のはず。ここも落としたくない。
第3問がキー問題。昨年のような典型的なパターンの面積ではないことと、そこにいたるまでの文字計算が文系にとっては骨がある。それまでが順調なら(2)まででもOKか。、、、
第1問、第2問を確保し、第3問を(2)まで。ミスさえなければこれで余裕でしょう。70%は欲しいところ。
3.各問の難易度
緑色の部分は、数学の問題を解く上での原則を示しています。
第1問(1)・・・【方程式】解から係数決定(AB、8分【5分】、Lv.2)
3次方程式の虚数解から係数を決定する問題。教科書の応用例題にも普通に掲載されている問題で、落とせません。
実数係数の方程式なので、共役複素数も解になることを利用します。あとは残りの解をkとおいて、解と係数の関係式を利用すれば行けます。解に関する情報がある時は、解と係数の関係は有効です。係数もkも全部出ます。
第1問(2)・・・【数と式】対称式の値(A、6分【4分】、Lv.1)
数Iの最初の単元の問題で、a、a/2に関する対称式です。足して2√5、かけて2になります。(1ではないので注意)。
あとは対称式利用ですね。6乗の値は、2乗の3乗とみなすのがいいでしょう。
第1問(3)・・・【三角比】内接四角形(4辺型)(AB、10分【8分】、Lv.1)
こちらも数Iから。4辺が分かっている内接四角形のパターンで、典型的です。
この場合は、対角線に関する余弦定理の式を2つ作って、ACとcosBの連立にするんでしたね。その際、内角の和が180°になることを忘れずに。この2つが出ればあとは正弦定理やら面積公式やらを使うだけです。
※KATSUYAは合計5分で解いています。第1問が大分簡単になったような気がするな。同志社は文系でももう少し難しかったような^^;
☆第2問・・・【数列+対数】漸化式、桁数(B、20分、Lv.2)
数列の漸化式~の主題で、一般項を求めた後は大きな数字の桁数的なものを聞いています。
漸化式は分数型その2と呼ばれるパターンで、特性方程式が重解になりますが、この場合は(1)にあるような置き換えでうまくいきます。bn+1を表し、その中のan+1を与えられた漸化式で変形していきましょう。bnが見えてくるはずです。
(2)、(3)は(1)が出れば出来るはず。(3)の桁数はもちろん常用対数をとります。きわどいですが、n=21ならぎりぎりOKです。20.92・・・と20.96・・・ぐらいで出るはずです。
※KATSUYAの解答時間は8分です。典型的な漸化式のパターン。置き換えも支持されているので止まることなく終了。最後の割り算が結構きわどいので、慎重に計算。
第3問・・・【微積分総合】円周上の点から放物線に引いた2接線と面積の最大値(B、25分、Lv.2)
2つの放物線に接線が絡んだ問題。放物線と接線が絡むのはこれで4年連続です。ですので、本問のレベルでも同志社文系受験者は対策済みを期待したいところです。
(1)は簡単です。2次関数なので適当にy=-x^2+ax+bとでもおき、通る2点を代入して、a,bの連立方程式を解きましょう。
(2)は、Bで接線が一致する(f(x)とg(x)が接するということ)がポイント。2曲線が接する場合、f(p)=g(p)、f'(p)=g'(p)の両方が成り立ちます。これを利用して、こちらも係数を適当に置いて、式を2つたてて連立です。
(2)まで出れば、あとはコツコツ計算できるかどうかですが、計算が意外とメンドウ。(3)はまずCの座標が欲しいですが、x座標が思ったより汚いので、ここでMPを持ってかれます。比なので、√2-1などの因数を見つけてうまく割っていけばまあまあラクにはなりますが、pの値が出せたかどうか。
(4)はさらにめんどうですが、∫(接線L-f(x))dx (区間0~点C)と、∫(g(x)-f(x))dx (区間点C~p)の和で計算すると、毎年使っている原則が使えました。
4年連続のままなので、掲載しておきます^^
今年はpの値が汚いこと、この原則をうまく用いるために、積分の仕方をうまく考えないといけなかったので、質・量ともにレベルアップしてます。
※KATSUYAの解答時間は17分です。(2)までは原則通りにさくっと。(3)のCの座標が汚く、嫌な予感。一度(2)までを見直すが、特に問題なさそう。これで面積計算するんか。いややなぁと思いつつカリカリ計算。√2-1が見えるので括っておく。これが功を奏し、pの値が出る。(4)は面積。交点も汚いし、まあまあ大変か。接線多いので、原則使えるようにしたい。上記のように区間を分けて計算終了。pのままの方がマシな気がした^^;
4.対策~微積+数学Bを中心にまんべんなく対策を~
分野はまんべんなく、幅広くです。あまり絞らないほうがいいでしょう。微積を筆頭に、数B、確率(場合の数が多い?)は割と出ます。問題のレベルは標準~応用といったところですが、文系だからといって舐めていると痛い目に合うタイプの問題です。パターン問題が単問で解けるレベルでは少し足りません。融合された模試タイプの問題に対応できるようになっておきましょう。
文系ですが、きちんと点数を確保したいのであれば、入試標準演習の段階までやったほうがいいでしょう。入試問題を通して、難しいタイプのものを、誘導できざんで解いていく練習をする必要があります。
量をこなす演習:じっくり演習=8:2ぐらいですね。
以上です^^
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