立命館大学 薬学方式(2/2) |2021年大学入試数学

   

●2021年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は立命館大学(薬学方式:2/2)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2021年 大学入試数学の評価を書いていきます。


2021年大学入試(私大)シリーズ。

立命館大学(薬学方式:2/2)です。



問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。

また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。


同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。



立命館大学(薬学方式:2/2)
(試験時間100分、4問、穴埋め型)

1.全体総評~後半を中心に量が多い~

ここ数年は難易度が戻りつつあり、今年も2015年ごろの難易度に近いです。

第1問の小問集合こそ穏やかな問題が多いですが、第2問以降はやることが多いので、かなり時間を持って行かれます。できるところまでやったら次へ行かないと、粘ると時間だけ持ってかれるセット。


試験時間100分に対し、

標準解答時間は126分【85分】(←穴埋め考慮)

2020年は125分【84分】(←穴埋め考慮)

2019年は110分【74分】(←穴埋め考慮)

2018年は101分【71分】(←穴埋め考慮)

2017年は112分【76分】(←穴埋め考慮)

2016年は125分【83分】(←穴埋め考慮)

2015年は150分【104分】(←穴埋め考慮)

2.合格ライン~基本でとにかく落とさないこと~

第1問は今年も相対的に難易度が低いです。14個ありますが、ここで8割以上(11個以上)確保しておきたい。
第2問はキー問題。前半、後半ともにパターン問題ですが、計算量の多さから、ここが正確にできたかどうかが分かれ目でしょう。
第3問もはパターン問題ではないです。誘導に従ってどこまで取れるか。[1][3]ぐらいは最低埋めたい。
第4問の確率もキー問題。やることは典型的な計算だが、文字計算が多いので苦戦するか。

第1問は8割以上で正解。第2、3、4問でかき集めて1完半ぐらいは欲しい。65%ぐらいでしょうか。

 

3.各問の難易度

第1問(1)・・・【整数】N!の0の個数など(A 6分【4分】、Lv.1)

N!が何回2で割れるか、そして末尾の0何個あるかで、基本かつパターン問題です。

最初は2で割りまくりましょう。後半は、10は合成数ですので、2×5に分けて、2と5で何回割れるかを求め、少ない方です。当然5ですね。125!だと31個なので、ここから5ずつ増やせば見えます。150のときに2個増えるので注意。

 

 

☆第1問(2)・・・【対数関数】対数条件式と最大・最小(AB、10分【6分】、Lv.2)

対数の条件式の下で、式の最大・最小を求める問題です。誘導があるので難易度は下がっています。

まず条件式は、対数×対数の形がありますので、対数を置き換えます。誘導がないなら、logx=X、logy=Yとでもするといいでしょう。条件式はX^2+Y^2=2 となります。

このとき、z=xyも対数を取ると、logz=X+Yとなります。これの最大・最小を求めればOK。条件式が2次式で求めたい式が1次式なら、実数解条件に持ち込むとうまくいきます^^ これも誘導通り。指定された文字に気を付けて代入しましょう。

これでlogzの範囲が出ますので、zの範囲も出ますね。

 

 

第1問(3)・・・【図形と式】不等式条件を満たす半径の最大・最小(AB、10分【7分】、Lv.2)

領域で視覚化して不等式条件下での最大・最小を求める問題で、こちらも典型パターン。

最初はただのひし形の面積。次は、不等式条件では、領域を図示して求めたいものを視覚化しましょう。rは円の半径になりますので、(b)は一番近いひし形の辺に接するとき、(c)は最も遠い点(-4,0)を通る時ですね。

 

※KATSUYAは計6分で解いています。全部パターン問題で解くにつまるところなし。[2]などは一度は経験しておきたいですね。

 

☆第2問・・・【微積分II】絶対値付き積分の最大・最小、3次関数と接線の面積(B、30分【20分】、Lv.2)

今年も第2問は微積分ですが、題材はパターン問題でした。ただし重めのパターンが2つなので、時間はかなり持ってかれます。

[1]は絶対値付き定積分の問題。絶対値付き定積分は=0の解と積分区間の大小で場合分けです。f(x)=0を解くことになりますが、xでくくれますので、あとは(x-a)(x-1)に因数分解です。これに気づかないと前半は全滅。解はx=0,1,aになります。区間は0~1ですので、aと0,1の大小で場合分けすると分かります。

「エ」の計算は慎重に。端っこの値a=0,1などを入れて、「イ」や「カ」とつながる(グラフ的に連続である)ことを確かめるといいでしょう。あとは区間ごとに最小値を出しているようですが、端っこの2つは単調性がありますので、そのままa=0,1のときを代入すればOK。真ん中だけ微分しましょう。a=1/2で極値を取ります。真ん中になるときが最小だと予想が付けば、因数定理を使うまでもなく因数分解できるかと。

[2]は3次関数と接線です。まず、接線以外の交点を求めますが、これは解と係数の関係で計算をサボれます。f(x)=接線 の方程式は、移項してもx^2の係数は-(a+1)のままです。3解は0,0(重解)、?ですから、?=a+1だとすぐに分かります。また、面積も「12分の4乗」公式になります。私大なので、必ず覚えておきたい面積公式です。

後半も全く同じことをさせているだけです。x^2の係数は-(a+1)、解が「a,a,?」なので、?=1-aと分かります。面積も全く同じ公式が使えます。

 

同じことをさせている分、知っているか知らないかで時間もかかるし、身する可能性もあります。知っていると、ミスもなし、ロスもなしのタイプ。

※KATSUYAは12分で解いています。どちらも典型パターンやけど、特に前半は重め。特に真ん中は慎重に。連続を確認して検算もしておく。後半は、、、ただ原則使うだけ。文字あるけど原則知っていれば楽勝のはず。

☆第3問・・・【平面ベクトル+三角関数】正7角形の対角線の長さ(BC、35分【24分】、Lv.3)

正7角形を題材とした問題で、典型パターンとは言い難く、骨があります。共通テストでも12面体と正5角形を題材にしていました。正n角形タイプはどこかで体系的に学習しておきたいですね。

(以下、a,b、ABなどはベクトルです)

[1]はなんとか正解したいです。AC,AEともに片方の係数が分かっているのでマシですが、不明だと意外と難しいと思います。ACはbの係数が1なので、AC=AG+GC とすれば、GCをaで表せばOK。また、AE=AC+CEとすれば、ACの「ア」の係数が使えます。CEはbだけで表せます。

次のAMですが、AM=1/2(AD+AE)とするのがいいでしょう。対称性から、ADとAEはa,bの係数が逆のはずです。これに気づけば、AEの係数全部足して2で割るだけで早いです。次のAFとACも係数が逆のはずなので、こんどは係数を引けばOK。後ろ、b-aになっているので注意。あとは誘導に当てはまれば、「オ」も出ます。

※なお、「オ」は有名な性質で、ここだけならトレミーの定理をABCFとかに用いるだけで導けます。

[2]からは正答率が下がりそうです。まず、すべてのベクトル和についてですが、O基点でOA+・・・・+OG=0似なることを利用し、A基点に書きなおすとうまくいったと思います。「キクケ」は、先ほどの対称性を利用すれば、AB+AC+ADだけ計算し、係数が逆のものがAG+AF+AEとなりますね。

[3]は意外と角度が難しいのでは。ACFは二等辺三角形ですが、頂角が3θ、底角が2θとなります。また、正7角形の内角の和は5πなので、1つは5θです。これで「サ」も出ます。「シ」は、7θ=πになることから、cos5θ=cos2θとして「コ」の式の利用ですね。

[4]も難しめですが、誘導があるので従います。[2]の式は、O基点の方がむしろ分かりやすいです。

OA+(OB+OC+OD)+(OE+OF+OF)=0 です。しかし、OAのx成分はーRで、前の( )と後ろの( )はx成分は等しいはずですので、R/2ずつということになります。よって「ス」は1/2です。最後はただの余弦定理です。2θ、4θ、6θと出ると思いますが、7θから引くことでば「ス」が使えます。うまく設定されていますね^^

※KATSUYAは19分で解いています。正7角形もベクトルで来たか。結構メンドそう。最初は誘導通り。「オ」は有名性質やな。「カ」はとりあえずO基点で7を出しておく。後ろの係数の計算がメンドウやな。1辺1にしといてくれんかな。[3]は角度をある程度出さないとアカンか。底角2θを出した後はそんなに大したことは言ってない。[4]のスは有名なので1/2を入れておく。符号だけ確認。最後は2乗入ってるから余弦かな。上の式も使えたので合ってるでしょう。[3]は問題数稼ぎ?^^;

☆第4問・・・【確率】2人、3人を選ぶ方法と確率(BC、35分【24分】、Lv.2)

今年も最後は確率でした。[1][2][3]は独立しており、小問3題構成といえます。立命館薬の確率はこのタイプが多いので、分からなかったら小問を移るのも手です。

[1]は教科書にもありそうな計算ですが、文字ばっかりなのでちょっとメンドウ。慎重に計算しましょう。9番目ですが、m≧4なので、m=100です。81と答えないように! でも、こんな性質あるんですね。

[2]は慎重にやらないとメンドウ。Pk+1とPkで何が違うかだけを考えれば、Rk+1は比較的すぐに分かります。k週目まで1人ずつ選ばれているので、男子n-k、女子m-n-kです。ここから、さらに男女1人ずつ選ぶってことです。分子に2を忘れないように!

「カ」は差ですから、男子を少ないとして考えて大丈夫(一般性を失わない)でしょう。Rk+1=0なので、男子がk人いたということになります。n=kです。これを代入しながら、Rkも求めます。分子の左はk-(k-1)=1、右はm-k-(k-1)=m-2k+1です。分母の左はm-2(k-1)=m-2k+2、右はm-2(k-1)-1=m-2k+1です。分子、分母ともにm-2k+1がありますので、約分出来ることに気づけば、本問は合格点でしょう。なお、差はm-2kですので、これが出ればOK。

[3]最後は確率と漸化式です。確率と漸化式では、n回目とn+1回目を詳しく見ることが原則です。また、求める確率以外も考えることになります。合計が奇数の確率がQkなら、偶数の確率が1-Qkになる、などです。確率は全部で1になることも忘れてはいけません。

漸化式はぱっと見汚そうですが、ただの4型ですので、特性方程式を作って等比型にしましょう。奇数か偶数かなら、極限的には1/2のはずです。この1/2が特性方程式の解になるはずだと信じて解きましょう。

最後は、感覚的にはm=2nなのでしょうが、どうやら他の解があるみたいです。相当余裕がないとそこまでは答えないとは思いますが、対応は全員得点加算なので、そこまで考えた人にとっては時間のロスになってしまいそうです。

 

 

 

※KATSUYAは20分で解いています。[2]のRk+1でkちょっとずれたので、「カ」が出ず、途中でやり直していたので、ロスしています。最後の「コ」は、感覚的に迷わず2と書きました。私も他の解の存在まで考えてはなかったですね。

 

4.対策~確率と漸化式、文字計算の対策を~

今年はまた確率と漸化式が復活。です。出る可能性は相変わらず高いですので、引き続き確率と漸化式の対策は怠らないように。

第1問の小問集合を利用(?)して、その他の分野もまんべんなく出題してきます(後述の、関連する拙著シリーズ参照)。真ん中の第2問、第3問は数II、数Bの傾向が強いですが、両方数IIのときもあります。

時間的には決して余裕があるとはいえませんので、典型的な解法がスピーディに思いついて、すぐに手が動くようにチャートなどで繰り返し練習しましょう。

量をこなす演習:じっくり演習=8:2ぐらいでよさそうです。

以上です^^

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