関西学院大学 全学日程(2/1)理系 |2021年度大学入試数学

   

●2021年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は関西学院大学(理系、2月1日実施)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。

2月に入り、本格的に2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。2021年 大学入試数学の評価を書いていきます。


2021年大学入試(私大)シリーズ

関西学院大学(全学日程理系:2/1)です。


問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。

また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。


本文にある緑字(この色)は、数学を受験する上で必要な原則を表しています。知らなかった場合は、言葉を覚えるだけでなく、必ず教科書や問題集等で該当する類題を数題見つけ、演習することで定着させてください。自分で探して自分で解く。これが一番身に付きます。



関西学院大学(全学部日程:理系)(2月1日実施)
(試験時間90分、4問、ハイブリッド型)

※ハイブリッド型・・・記述式と穴埋め式が混合しているもの。


1.全体総評~計算量が若干多めか~

ここ数年の中では、量が少し多かった印象です。分野的には第1問が小問10個、第2問が確率、第3問は図形と式でした。確率は第2問になって戻ってきました。第4問はいつも通りの微積分総合です。

試験時間90分に対し、解答時間は104分【83分】(←穴埋め考慮)

2020年 解答時間は97分【75分】(←穴埋め考慮)

2019年 解答時間は98分【76分】(←穴埋め考慮)

2018年 解答時間は101分【78分】(←穴埋め考慮)

2017年 解答時間は95分【69分】(←穴埋め考慮)

2016年 解答時間は89分【61分】(←穴埋め考慮)

2015年 解答時間は92分【63分】(←穴埋め考慮)

 

2.合格ライン~65%でいいかと~


第1問は小問。(2)(3)は超典型なので落とせない。(1)は差がつく?8問が目安。

第2問の確率はキー問題。(2)までの結果を(3)にうまく使えるか。使えないと5問止まり。使えれば9問は正解可能。

第3問は聞いてくることは多いが、つながりはないので、取れるところを取る。ただしつながってないので、計算は多め。時間さえあれば「コ」以外は取れるのでは。

第4問はキー問題。(1)が出来ないと(2)しか取れない。(1)の接する条件を式に出来たか。

第2問、第4問で両方つまづくとキツイ。65%ぐらいでしょうか。

 

3.各問の難易度

※今年はコロナ渦ということもあり、体調・健康維持の観点から適度に休憩を入れながらやっております。私の解答時間はいつもより正確ではありません。

第1問(1)・・・【平面ベクトル】三角形、重心、内積、面積(B、10分【7分】、Lv.2)

ベクトルからの出題です。三角形ABCですが、Oを基点にしてあるので、少し落ち着いて考える必要ありです。

最初の角度は内積の公式からです。ベクトルで角度を聞かれたら、内積の公式利用です。

OCを出すためには、Oが重心であることから、OA→+OB→+OC→=3OG→=3OO→=0ベクトル であることに気づく必要があります。これに気づかないと「イ」は厳しい。

最後は、重心はOAB、OBC,OCAを3等分しますので、OABを3倍すればOK。

第1問(2)・・・【数列】漸化式、9型(A、7分【5分】、Lv.1)

数列の漸化式から。ワークにある典型的なタイプです。

和Snが絡む漸化式については、nを1つずらしたものを書いて辺々を引くんでしたね。

Sn+1-Sn=an+1になることから、Sn系が消えてan+1とanだけが残ります。残った漸化式は4型です。特性方程式で等比型に帰着させましょう。

求めた一般項にn=1,2を入れて、エオの検算はしておくとより安心^^

第1問(3)・・・【三角関数】三角関数の最大・最小(A、7分【5分】、Lv.1)

こちらも超典型パターン。ワークのB問題あたりにそのままのってそうな問題ですね。

三角関数の最大・最小や方程式の問題では、まず種類(sinかcosか)や角度(θか2θか、など)をそろえます。

今回は倍角の公式を使うだけでcosθの2次式になります。cos2θはcosだけにもsinだけにも出来るため、頻出です。

2次式なので、最大・最小は平方完成で、方程式は因数分解でOKですね^^

 

※KATSUYAの解答時間は計5分です。

 

☆第2問・・・【確率】硬貨とゲーム(B、25分【18分】、Lv.2)

今年は第2問に確率です。以前は第3問にあり、昨年は出題がありませんでした。ルールはそこまでややこしくないですが、前半は調査力を、後半は結果をうまく活用できるかを聞いています。バランスが取れており、良問かと。

(1)はいいでしょう。

(2)のP3は、3回目は1点もらいます。あとは1回目と2回目の組み合わせですね。ここでミスると後半に影響するので、結構キツイ。

(3)は交互に投げていきますが、G君は一回では勝利できませんので、Q3はP2と同じです。Q4は、G君はP2で、K君はP2が起きなければOKです。以下、Q5=(1-P2)P3、Q6=(1-P2-P3)P3 となります。「ケ」はQ3+Q5、「コ」は二人とも3回目までで2点にならない場合なので、1-P2-P3を利用するだけですね。

利用に気づかないと結構落とすところが多く、穴埋め形式の怖さが如実に出ている問題ですね。

 

 

※KATSUYAの解答時間は10分です。(3)はQ4までは感覚で式を使ってましたが、Q5で本格的な利用に気づけました。

 

第3問・・・【図形と式】円、2円総合(B、25分【18分】、Lv.2)

今年の第3問は図形と式で、円からの出題。つながりがあまりなく、いろいろなことをさせられます。出来るところだけ取れるメリットもあります。

(1)はただの平方完成です。(2)は、aの値に関わらず→aについての恒等式ということです。aについて整理しましょう。(3)も公式(dとrの関係式)を使うだけ。 (4)も中心間の距離と2円の半径の関係式で、ほぼ公式。

(5)は2円の交点を通る直線で、これも辺々引けばOK。後半もkを使うパターンですね。

(6)は共通接線です。片方が原点中心なので、接線の式を作り、それと(3,0)の距離が√5出あることを利用すると出せますね。本格的に接線の式を出す場合は、相似利用なども考えるといいでしょう。

※KATSUYAの解答時間は12分です。問題がぶつ切りなので、その都度最初からの計算でなんか多く感じました。

☆第4問・・・【微積分総合】共通接線、面積、回転体の体積(B、30分、Lv.2)

最後はいつも通り微積分総合です。関数は比較的純ですが、いろいろ聞かれるのもいつも通り。

(1)は2曲線が共通の接線を持つ条件を式にします。昨年も、接線の直交条件を聞いてきてます。好きですねー^^

2曲線f(x),g(x)がx=pで共通の接線を持つなら、f(p)=g(p)とf'(p)=g'(p)が両方成立します。この式さえ立てば、あとはa,b,cの3文字で式が2つなので、1文字まで減らせます。a,bを消去する方向にもっていきましょう。

(2)はただの積分計算です。logの積分は、(x)'logxとみなして部分積分です。基本ですが、後半は2回行いますので、計算ミスしないように。

なお、部分積分を使う定積分は、先に不定積分を求めてから一気に上端と下端を代入した方が計算がラクだと思います。

(3)は面積ですが、意外と満点答案は難しいのでは?と思います。y=f(x)が上に凸か(c>1)下に凸か(0<c<1)で、面積の式は(符号だけですが)変わります。どちらも、cの値は出ます。後者のcはめっちゃきたないですが、それが0<c<1にあることを示すことになり、これが意外とメンドウ。出題側がそこまで想定しているのか分かりませんが、c=2が出ればまあ良しでしょう。

(4)最後はいつも通り回転体の体積です。(2)で計算してあるので、そこが正確であれば、あとは放物線側の計算だけです。値が汚いので、不安になりそうですが^^;

 

 

KATSUYAの解答時間は21分です。(3)のcの場合分けは、「うーん、そこまでは想定してない気がする」と思いながらも、一応細かく書いたので、少し時間がかかった感じです。試験会場ならc=2だけ出たら先に(4)に行くでしょう。

 

4.対策~IIB・IIIから出やすいトレンドは継続中~

出題範囲は、最初からならべるとB、B、II、A、II、IIIです。IIBとIII+確率の傾向です。一定レベル以上の難関大になるとほぼ表れる傾向、いわゆる「ビーサン」出題が本学にも表れています。

IIの分野も小問で結構出ますので、怠らないようにしましょう。チャート式(黄色でOK)に加え、同じぐらいのレベルの入試問題集(関関同立過去問など)をたくさん演習しておくと万全でしょう^^

Ⅲは典型タイプが多いので、教科書だけでなく、黄色チャートの例題はマスターしつつ、有名なものは繰り返して結果(今年のグラフなどは典型的です)もある程度頭に残しましょう^^(覚えることが優先ではありません。)

 

量をこなす演習:じっくり演習=8:2ぐらいでOKです。

以上です^^

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