東京大学 文系 数学 | 2013年

      2022/05/29

●2013年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は東京大学(文系)です。

 

2013年 大学入試数学の評価を書いていきます。

 

国立シリーズ、第2弾。

東京大学(文系)です。

 

 

問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。

 

また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。

※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

 

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。

同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい という目安にしてください。

 

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東京大学 文系数学(試験時間100分、4問)

 

1.全体総評~理系以上に難化~

理系も難化しましたが、それ以上に文系は難化度合いがひどく、大幅難化です。

そもそも、理系との共通である確率の第4問は理系にも厳しく、従って文系にも厳しい。また、第3問は難関大文系が大好きな領域の問題ですが、今年の領域問題は、ハズレです。めっちゃむずかしいです。理系でも完答率は2割切ります。

第1問や第2問はまだましですが、方針を間違えるとすぐに落とし穴が待ち受けています。下手をすると、どの問題も完答できなかったかもしれません。

試験時間100分に対し、目標解答時間合計は120分。

理系同様、時間オーバー。オーバー具合は理系のほうがひどいです。理系の方が計算量が多いためですが、問題のレベルが文系には厳しすぎます。ここ数年、すごく簡単な問題があったりと、レベルは下がりつつありましたが、反動で難化したのでしょうか。

 

2.合格ライン~4割がやっと?~

第1問はtの式で表せられればできます。all or nothing に近いです。

第2問は、(1)は確実に取れます。(2)の方が配点が高いでしょうが・・・。

第3問は文系には難しすぎます。かといって、0点でいくわけにはいかないので、領域と、求める式がグラフ上で何を表し、何を求めればいいか、ぐらいまでは書いて、4割ぐらいもらいましょう。多少場合分けが抜けても、書いて6割までこぎつけたい。

第4問は文理共通の確率ですが、こちらは場合分けが出来ないと厳しい。取れなくても・・・

半分も取れないかもしれません。4割ぐらいでもいいのではないでしょうか。

 

3.各大問の難易度

☆第1問・・・微分、3次関数(B、25分、Lv.2)

微分の問題で、線分の長さの積を3次関数に表して、その値の増減と極値を調べる問題。

ですが、まず長さの積が3次関数の式にできるかどうかです。交点のx座標の積は2解の積ですから、解と係数の関係です。

(Principle Piece 数学Ⅱ 図形と式 pp.41~43)

さらに、傾きt の直線上にある2点間の距離は、x座標の差を用いて、√(t^2+1) |β-α| と表されることを利用するとできます。

(Principle Piece 数学Ⅱ 図形と式 p.42)

なお、(3-t)に絶対値をつけないと、長さの積にはなりませんので、ご注意を。

なお、極値を取るtの値は、汚いので、こちらの原則で求めてください。

Principle Piece II-96

 f'(x)=0 が汚いなら文字で 割り算で次数下げ

(Principle Piece 数学II 微分(1冊目) p.24)

 

※KATSUYAの解いた感想

理系をといたあとというのもあるが、まだまし。極値をとるtの値は・・・やっぱり汚い(笑) 次数下げ。最初絶対値をつけ忘れ、なぜ長さの積に負が出るのかと慌てる。絶対値をつけなおして終了。解答時間14分。

 

☆第2問・・・放物線、長さの差、和(BC、25分、Lv.2)

長さの差、和が一定になることの証明で、理系であれば2次曲線の焦点なのだな、と察しがつきますが、知っていても知らなくても、本問にはあまり影響はありません。

(1)ですが、こちらはすなおに長さをどちらも計算してみると、2重根号が外せるところがポイントです。東大受験者であれば、2重根号ははずせますね。

Principle Piece I-9

 2重根号の手前に2を出す

(Principle Piece 数学Ⅰ 数と式 pp.17-18)

(2)は、放物線上の点を基準にして求めるのがよかったでしょう。2点Q、Aを通る直線の方程式と放物線との交点を・・・などとやると、泥沼にはまります。表現的にも、泥沼にはまった人は多いでしょう。

放物線上の点を決めれば、Aも決まりますから、先にBを決めておいてもOKなわけです。

 

※KATSUYAの解いた感想

(1)はただの双曲線の性質。(2)は・・・放物線の焦点もQやけど、そんな性質があるのか。もちろん文系でも解けるが、理系に出してもよさそうな気が・・・解答時間13分。

 

第3問・・・不等式と領域(C、40分、Lv.2)

第2問に引き続き、図形の問題。こちらは、難関大が大好きな、軌跡と領域です。旧7帝大の文系には、どこかしらで毎年でます。

しかし、この問題は別格に難しいです。もちろん、原則に従い、求めるべき式がxy平面上で何を表すのか、調べます。

Principle Piece II-53

 不等式は領域図示 領域と共有点を持つ条件

(Principle Piece 数学II 図形と式 pp.58-62)

本問はz=・・・と置いてあるので、そのまま用いればOKです。結局、点(a,b)と領域内との距離の最小値を求めればOKです。

しかし、いつ最小になるかが、意外と一筋縄ではいきません。理系で出題されても、完答するのは難しいでしょう。

 

※KATSUYAの解いた感想

結局、領域との距離の最小ってことか。形は単純やけど・・・結構難しいな。直線上の点で最小のとき、もとの円と接するとき、交点のとき・・・そもそも領域内のときは距離の最小値0も別にやるのか。場合分けが多くて大変。解答時間27分。

 

☆第4問・・・確率(C、30分、Lv.2)

※理系の第3問と共通です。(2)の極限はありません。理系の方を参照してください。この確率の問題は、文系にはかなり厳しいですね。

 

4.対策~文系でも質の高い演習が必要~

毎年のことですが、付け焼刃な数学の演習ではとてもじゃないけど太刀打ちできません。

量をこなす青チャートレベルのマスターはとっとと終わらせて、早めに質の高い問題集などで「じっくり考える」演習を行うといいでしょう。

お勧めの問題集は、過去の批評を見てください。

>> 2010年度の東京大学(文系)数学

>> 2011年度の東京大学(文系)数学

>> 2012年度の東京大学(文系)数学

 

最も効果的なのはもちろん過去問ですが、ここ数年はすごく難しく、受験直前にやったほうがいいです。変に早くやると、おそらく壊滅します(汗)

 

以上です^^  次回は、京都大学(理系)です。

>> 他の大学も見てみる

 

■関連するPrinciple Piece■

 ★ 数学Ⅰ 数と式 (第2問)

 

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